【目次】
・「心ここにあらず」な状態とは?
・ストレスも?「心ここにあらず」になる原因とは?
・「心ここにあらず」な場合の対処法とは?
・最後に
「心ここにあらず」な状態とは?
集中するべきことがあるのに、何故だか、ぼんやりしてしまうことって誰にでもあることですよね。「心ここにあらず」は、会話の中でも時折使われる言葉ですが、具体的な意味はご存知ですか?
「心ここにあらず」とは、「心が他のことにとらわれて、目の前のことに心を集中できない」状態を表す言葉です。授業中にぼんやりしている生徒に向かって「君は、心ここにあらずだ」などと言ったりしますよね。
「心ここにあらず」の語源は、古代中国で書かれた『四書五経』にあるとされています。その中の“孔子”の言語録である『大学』に、「心ここに在らざれば、視れども見えず」という一節があります。解釈すると、「心が浮ついた状態では、物事を見ているようで何も見えていない」というような意味になります。
「心ここにあらず」の類語
「心ここにあらず」の類語として、「上の空」「注意散漫」が挙げられます。
「上の空(うわのそら)」とは、「他のことに心が奪われて、そのことに注意が向かないこと。また、そのさま」「心が浮ついて落ち着かないさま」という意味があります。「上の空で人の話を聞く」「授業中もまるで上の空だ」というように使います。
二つ目が、「注意散漫」です。「注意散漫(ちゅういさんまん)」とは、「注意が定まらず、あれこれと気が散っているさま。集中力を欠いているさま」を表します。「散漫」には、「まとまりがないさま」という意味があります。「彼はスマホに夢中になっていて、注意散漫になっている」というような使い方をします。
どの言葉も、目の前のことに集中せず、危なっかしい状態であることを指します。
「心ここにあらず」の反対語
「心ここにあらず」の反対語には、「注意深い」「緻密」が挙げられます。
「注意深い」とは、「物事に注意する度合いが強い。慎重である」さまを表します。「注意深い」性格の人は、常にリスクやトラブルを考え、慎重に判断したり行動します。「彼は注意深い性格なので、仕事でほとんどミスをしない」というように使います。ぼんやりとしていて、目の前のことに集中していない「心ここにあらず」な状態とは、正反対の意味になりますね。
次に「緻密(ちみつ)」とは、「細かいところまで注意が行き届いていて、手落ちのないこと。また、そのさま」を表します。「彼女は緻密に計画を立てることが得意だ」「緻密な仕事ぶりが際立つ」などのように使われます。どこを見ても隙がない仕事をする人や、念入りに計画を立てられる人は頼もしい存在ですね。
ストレスも?「心ここにあらず」になる原因とは?
「心ここにあらず」とは、「心が他のことにとらわれて、目の前のことに心を集中できない」状態であることがわかりました。では、そうなってしまう原因とはどんなことが考えられるのでしょうか? 主な原因を3つ解説します。
1:仕事や家事などで、ストレスを抱えている
職場やプライベートで強いストレスを抱えていると、無意識に「心ここにあらず」な状態になってしまうことも。仕事が忙しかったり、育児や家事で自分の時間が取れないと、だんだん気持ちもすり減ってきてしまいます。「心ここにあらず」な状態の人は、まずは、自分が何にストレスを感じているのかに気づくことが大切です。
2:好きな人がいる・フラれた
好きな人のことが気になって、目の前のことに集中できないということもあるようです。「あの人は、今頃何をしているんだろう?」「自分のことをどう思っているのだろうか?」と考えることに夢中になってしまい、目の前の勉強や仕事に集中することができません。または、失恋のショックから立ち直ることができず、「心ここにあらず」な状態になってしまう人もいるようです。
3:燃え尽き症候群
受験など大きな目標を達成した後に、やる気がなくなってしまい、燃え尽き症候群になっていることも考えられます。自分の出せる実力を出し切って、空っぽになっているような感覚はしませんか? 今は心身ともに疲れている状態であるため、焦らずゆっくり休むことが大切です。
「心ここにあらず」な場合の対処法とは?
ぼんやりとして、目の前のことに集中することができないと、仕事で思わぬミスをしたり、相手からの信頼を失うなどのトラブルにもつながります。「最近、心ここにあらずな状態かも?」と思い当たる人は、対処法を実践してみましょう!
1:目の前のことに集中するよう意識する
家族や友達に、「最近、ぼんやりしてない?」などと言われた人は、まずは自分が、「心ここにあらず」な状態であることを自覚しましょう。「心ここにあらず」とは、頭の中がぼんやりとしている状態なので、本人は案外無自覚であることも多いです。目の前のことが疎かになり、ミスやトラブルを起こす前に、目の前のことに集中するように心がけましょう。
2:疲れをとる時間を作る
心身にストレスや疲労が溜まっていると、「心ここにあらず」な状態になりやすいものです。「頑張りたい」という気持ちがあっても、頭が働かない、気づくとボーッとしてしまうときは、体が休みたいと言っているサイン。無理をせず、思い切って長期の休暇を取るなど対策をしましょう。
十分な睡眠をとったり、部屋の中で好きな音楽をかけてリラックスしたり。体力があれば、旅行に出かけて気分をリフレッシュさせてもいいですね。オンオフをきっちり切り替えることで、仕事中などにぼんやりする機会が少なくなるはずです。
3:誰かに相談する
失恋をしたり、大切な人を失ったりしたときにも、人は茫然として目の前のことに身が入らないことがあるものです。誰にも言えず一人で抱え込んでしまうと、ますます辛くなることもあります。信頼できる人や、しかるべき機関に相談することも対処法のひとつです。
最後に
目の前のことに集中できず、「心ここにあらず」な状態になることは誰にでもあること。しかし、あまりにも長く続くと、仕事や人間関係に問題が起きてしまう可能性も考えられます。まずは、どうしてそのような状態になっているのか原因を見つけてみましょう。そして、自分にあった対処法を実践してみてくださいね。
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