タイプ別マッサージ選択法… 筋肉にとって最適なマッサージタイプを選択しましょう
前回は、筋肉が「動く」ことによって発生する「むくみ」や「疲労硬直」についてお届けしました。今回は、それらを改善する方法のひとつであるマッサージの種類について紹介します。
みなさんは、どんなマッサージをご存じですか? 体が疲れた時にマッサージに行くとしたら、どんなマッサージを受けますか? 価格や立地、店内の衛生面や術者との相性も大切ですが、本質的には筋肉疲労の種類やその目的に応じたマッサージタイプを選択することも大切だと思います。
そこで、選択肢がたくさんありすぎてわからないという方向けに、「筋肉疲労」や「マッサージタイプ」について説明します。
筋肉疲労の種類について
筋肉疲労にはさまざまな種類があるので、ここでは主な疲れの種類と原因を簡単に説明します。
ですが、ご自身のケースに当てはめて考える時、その筋肉疲労の種類を無理矢理1つに絞る必要はありません。なぜなら、たいていの場合はいくつかの種類による筋肉疲労が複合的に起きるからです。
◆筋線維が硬直する疲れ
筋線維内の乳酸や老廃物が溜まり、筋線維内のスライド機能が固まり硬直することで起きる疲れです。
リンパ節の詰まりやリンパ流の能力低下も原因の一つかもしれません。
◆寝ても取れない疲れ
脳からの信号が常に発信され続けた結果、寝ていても筋肉は使われ、結果的に疲れの原因に。
ストレスや寝具なども原因の一つかもしれません。
◆筋線維に過度の負荷をかけたあとに残る疲れ
脳からの信号が消えない限り筋肉は使われますが、疲れは感じるものの、この場合は信号がいずれ消えていきます。
脳の興奮状態が原因の一つかもしれません。
◆筋肉痛などの痛みを伴う疲れ
筋線維が損傷して修復する際に伴う痛みです。
あまり炎症や痛みがひどい場合は、断裂の可能性もあるので、そのときは速やかに病院へ。
マッサージタイプと注意点
マッサージタイプにもさまざまな種類があるので、ここでは主な種類の目的と注意点を簡単に説明します。
どれも施術後は楽に感じるものですが、副作用や注意点に差異があります。
1:もみほぐし系マッサージ
主に筋肉を手技で揉み、筋線維の疲労硬直を改善する目的のマッサージです。施術の強度を上げると、筋肉内の血行回復に伴う「揉み返し」を感じることがあります。さらに強度を上げた結果、揉み過ぎて筋線維が損傷する場合(法律上では傷害事件)があります。
このようなトラブルを避けるために、価格だけでお店を決めるのではなく、あん摩マッサージ指圧師の施術を受けるようにしてください。また、強度を上げたい人は施術者の指が細い方よりも太い方のほうがアザはできにくい(単位面積の圧力が分散するため)と言われています。
2:ストレッチ系マッサージ
主に筋肉を手技で伸ばし、筋線維の疲労硬直を改善する目的のマッサージです。施術後は脳からの残留信号があると早く元に戻ってしまうので、施術中はできるだけリラックスして術者に身体を委ねるのがコツです。しかし、頑張りすぎると筋肉や関節を傷める場合(法律上では傷害事件)があります。
タイ古式マッサージやスポーツストレッチ店など個性のあるお店がたくさんありますが、国家資格の無い分野なので、良い施術者を見つけるためには、それなりの時間がかかるかもしれません。
3:指圧系マッサージ
主にツボ(経穴)を指圧で刺激し、血流やリンパ流を促進や筋肉弛緩などで体調を整える目的のマッサージです。施術後は経穴に関連した内臓機能の向上も期待できると言われていますが、強度を上げ過ぎると身体の過剰反応を引き起こすことがあります。
お悩みが多い人は、一回で改善しにくい場合があります。その場合、何回かに分けて施術した方が良いので、専門家(あん摩マッサージ指圧師)の意見を参考にしてください。
4:リンパマッサージ
主にリンパの流れを手技で改善する目的のマッサージです。筋膜リリースも技術は異なりますが、リンパの流れを促進する目的としては同じタイプと言えます。強度を上げ過ぎると皮膚にアザができる場合(法律上では傷害事件)があります。また、腎臓機能が低下していると、施術後は眠くなることがあるので、施術強度や施術の範囲、施術頻度に注意が必要です。
また、マッサージだけに頼らずに、リラックスする工夫/添加物の少ない食事の摂取/プールウォーキング/イヌトウキなどの漢方サプリメントを服用する等、日頃から老廃物の生成を抑え、リンパの流れを良くし、排出を促進することも大切です。
5:リラクゼーションサロンやカイロサロンなど
これらはマッサージではありませんが、さまざまな専門技術により、脳や筋肉をリラックスさせ、ストレスなどを起因とする生体電流の乱れを整えて、良好な状態を長期間維持する事を目的します。さらに各種マッサージと併用することで効果を高めることも期待できます。
これら技術の一部は、外国では国家資格として存在しますが、国内では国家資格がないために誰でも開業が出来ます。そのためか、青あざを老廃物と説明して傷害事件を隠すトラブルや、「あなたは浮腫んでいる」と不安を煽り、コース契約に導くトラブルなどが多発しています。これらの対策として「日々研究をしているサロン」や「都度払いのサロン」を選ぶと良いでしょう。
悩みに応じて最適なマッサージを
このように、筋肉の疲れにはさまざまな種類があり、またマッサージにもさまざま種類があります。ご自身の身体の悩みに対して最適なマッサージを選ぶようにしてください。
また、お店選びや施術者選びも重要です。マッサージ店の立地や施術価格も大切ですが、施術者のスキルや相性も大切な要素です。マッサージタイプによって選択方法も変わり、国家資格のあるタイプは有資格者を選ぶことから始めますが、国家資格のないタイプは施術者のスキルを重視しましょう。
これらのマッサージタイプは、ほとんどが手技によるものです。よって、良い施術者に巡り合うためには、「何店舗通えば良いか?」「何回通えば理解できるか?」など、時間も費用も運も必要かもしれません。最近では、それらを埋めるために機械によるマッサージ技術も見られるようになってきました。
次回は機械によるマッサージ技術についてお話ししようと思います。
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林 基弘
ハワイ国際大学客員准教授(カイロプラクティックと心理学と痩身の統合的研究)、米国応用心理カウンセラー取得、東京東新宿と大阪肥後橋に予約の取りづらいカイロサロン『Ulysses』を開院する。
近年ではYouTube「Ulyssesモテ痩せチャンネル」にて健康と痩身について動画を配信。