コミュニケーションを円滑にするために自分のコミュニケーションスタイルを把握しよう！
緊急事態宣言が解除され、飲食やイベントなどの制限が徐々に解除されつつあります。しかし、コロナ禍は私たちの仕事や生活スタイルに大きな影響を与えました。「ニューノーマル」と言われる今後の働き方やオフィスの在り方が議論されていますが、私たちにとっては、「職場でのコミュニケーションの在り方」について考える機会にもなっています。
事実、弊社（リクルートマネジメントソリューションズ）の調査によれば2021年度の人事施策の中で最も優先順位を上げたのは「職場内コミュニケーション強化」（56.4%）となっています。そこで、今回は、ニューノーマルでの職場コミュニケーションを取り上げ、今日から活用できるコミュニケーションの考えやテクニックについてお話したいと思います。
▲リクルートマネジメントソリューションズ「With／Afterコロナの人事施策実態調査」調査概要（2020.11）回答者は人事部門（n＝306）
行動科学から見る、コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、ヒアリングやプレゼンテーションなど多岐にわたりますが、現実には、相手との相性によって結果が大きく左右されます。「この前は同じ説明でも上手くいったのに…」と人による反応の違いに悩んだ経験がある方も多くいることでしょう。
誰しも、話しやすいタイプの相手もいれば、こちらが委縮してしまうような苦手なタイプもいます。興味深いのは、人によって得意・不得意のタイプが異なることです。このような人のコミュニケーションのタイプを行動科学の観点から分析し、日常に応用したのが「ソーシャルスタイル理論」です。筆者は多くの組織のコミュニケーション強化に携わってきました。
「ソーシャルスタイル理論」とは？
「ソーシャルスタイル理論」とは、1970年代にデイビッド・メリル博士らが提唱した理論です。人の行動傾向から個々人に対しての適切なコミュニケーション方法を把握するというもので、相手の言動を「感情を表す／抑える」と「意見を主張する／聞く」の2つの観点から4つのスタイルに分類しています。異動者や周囲の人々のソーシャルスタイルを理解することで、どのようなコミュニケーションをとるべきかがわかり、お互いに気を遣えるようになります。
まずは、下のチェックシートをもとに自分自身、そして周囲の人々のソーシャルスタイルをチェックしてみましょう。特にスタイルの異なる同士だと、コミュニケーションにギャップが生まれ、すれちがう可能性が高くなりますので、相手のスタイルを意識した対応をすることが重要です。
相手と自分のソーシャルスタイルを意識するだけで、職場や外部の関係者とのコミュニケーションが円滑になります。
▲リクルートマネジメントソリューションズ提供
次回は、このソーシャルスタイルを使って、異動者と自分、周囲の人とのコミュニケーションの図り方を紹介します。
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松木知徳
2007年リクルート入社。人事・組織コンサルタントとして、組織変革や人材開発施策に携わる。2017年より、新規事業をプロジェクトリーダーとして推進、サービス業における従業員のモチベーションと生産性の向上や人工知能を用いた対人コミュニケーション支援など新規サービスの開発に携わり2019年には技術特許を取得。2020年よりコンサルタント兼主任研究員として、ビジネス、アカデミックの両側面より企業のコンサルティングを行う。一方、社内外のコミュニケーション強化の支援を専門領域としたメディアへの出向や講演活動などを行っている。日本マーケティング学会、サービス学会、ナレッジマネジメント学会、国際戦略経営研究学会会員。SBI大学院大学非常勤講師、尚美学園大学非常勤講師。博士（工学）。
