ワクチン接種会場で最近よく聞かれる質問3
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ワクチン接種会場にも妊娠中の方や、授乳中の方がよく来場されます。来場される方は、自分でよく調べて納得して来られている方ばかりですので、妊娠中のワクチンや授乳中のワクチンについての安全性を質問される方はいらっしゃいません。
ですので、ここで、私が受けた質問として紹介するのではないですが、これに関連して少しお話ししておこうと思うことがあります。
新型コロナウイルスワクチンの妊婦さんや授乳中の方に対する安全性に関しては、色々なところで記載されていますので、参考にしてください。
厚生労働省|新型コロナワクチン Q&A「私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか」
妊娠中・授乳中、副反応で熱がでたときはどうする?
妊娠中や授乳中は、お薬の内服に関しては気にしなければなりません。新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応で熱がでたときはどうすればいいのでしょうか?
妊娠中でも授乳中でも安心して利用できるのは「アセトアミノフェン」でしょう。商品名でいえば、カロナールとかタイレノールというお薬です。新型コロナワクチン接種が日本で開始された当初、薬局から無くなったということで有名なお薬です。厚生労働省が当時、「アセトアミノフェン」の使用を推奨したことで品薄となりました。妊娠中や授乳中の場合は、基本的にはアセトアミノフェンを使うのが安心です。
もう一つ別の種類のイブプロフェンやロキソプロフェンというお薬があります。これは、お薬の効果としてはアセトアミノフェンよりも効き目が良い感じがしますが、使用上の注意に「妊娠中、授乳中は有益性が危険性を上回れば処方可能」とか「医師が決める」という、「何か言っているようで、何も言っていない」特徴的表現が使われています。
一般の人には、アセトアミノフェンでもイブプロフェンでも、ロキソプロフェンでも大丈夫です、と答えますが、妊娠中や授乳中の人は、基本的にはアセトアミノフェンで対応するのがよいと思います。
最後に、これは本当によく質問されることなのですが、「解熱剤はいつ飲むのがいいですか?」と聞かれます。
新型コロナワクチンに伴う副反応の場合は、「高熱になるまで苦行のように我慢する必要はないと思います。寒気がする、頭痛がしてきた、身体がだるい等の症状があれば、早めに内服するほうが楽ちんだと思います」。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ