常用漢字でなく熟語でも見ない漢字、夥しいって?
緊急事態宣言の解除後、初の週末は夥しい人出となりましたね。
ところで、夥しい… なんて読む?
夥しいの読み方は?
◆夥しいはおびただしいと読む
夥しいは「おびただしい」と読み、「1. 数や量が非常に多い。ものすごい。2. (「… することおびただしい」の形で)程度がはなはだしい。ひどい。激しい。多く悪い意味に使う。3. 非常に盛んである」という意味をもちます。
夥はネガティブなイメージ?
「夥」は常用漢字ではなく、熟語として使われているのを目にする機会もない漢字ですよね。
夥はたくさんの果実を表しており、音読みでは『カ』、訓読みでは『おびただ-しい・おお-い・なかま』と読みます。
おびただしいという読みは、怯えるという意味の怯ゆ(おびゆ)に、液体などを満たすという意味の湛ふ(たたふ)を合わせ、怯えるほど量が多いという状態を表すという説や、大水が湛えて目ざましいという言葉が変化したという説、怯えいたいたしという言葉が変化したという説などがあります。
夥しいという言葉の響きには数や量が非常に多いことを喜ぶニュアンスよりも、不気味に思うニュアンスがあるように感じるのは、言葉の語源にも一因がありそうですね。
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いかがでしたか? 怯えるほどの量… 私は誤発注でたくさん届いてしまった備品が思い浮かんでしまいました。
夥しいが使われるようになった時代にはたくさんの量の何に怯えていたんでしょうね。大水や湛ふという言葉が語源のいくつかの説に出てくるということは、洪水などの水害に怯えていたところから生まれた言葉なのかもしれません。今も昔も自然はときに脅威ですね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!