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2021.10.01

ワクチン接種会場で医師が感じたこと、気づいたことアレコレ【国立がん研究センター増富健吉】

新型コロナウイルスワクチン接種を手伝う医師が会場で感じたこと。国立がん研究センター研究所でがん幹細胞研究分野分野長をつとめる増富先生の健康コラム。

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

日本に新型コロナワクチンの接種に帰国した人と話して感じたこと

8月から新型コロナウイルスワクチン接種会場でお手伝いするようになって感じたこと、気付いたことを少し紹介しようと思います。

医師のワクチン接種 体験レポはこちら

連日のニュースでは、市区町村や自衛隊が実施する集団接種、会社で実施する職域接種など、よく紹介されていますが、私がお手伝いにいっているのは羽田空港での接種会場。この会場には、日本国籍はあるが、海外在住のため日本には住民票がなく、いわゆる市区町村からの接種クーポンが届かない方々が対象となっています。

東南アジアの国々を中心に、2回の接種証明がなければ入国自体が認められない国も多くあるため、生活していくためには接種することが必須。その一方で、在留国でのワクチンの普及の問題や日本での住民票がなく、日本のクーポンも届かないような人達に対して、外務省が中心となり接種会場を羽田空港と成田空港に開設したという経緯の会場です。

会場設定の経緯の特徴から接種に来る人は、「わざわざ日本に新型コロナワクチンの接種に帰国した人」がほとんどです。往復の旅費と3週間程度の日本での滞在費を払い、家族全員で、帰国したというような人もたくさんいます。

多くの方が口にするのは、「ワクチンを接種するために帰国した」「2回接種しなければ再入国できない」「子どもに接種するのは心配だけど、再入国するためには仕方がない」などです。

みんな本当は心配なんだ!

(c)Shutterstock.com

他の接種会場に来場される人も、きっと多くの人は「打つんだ!」と覚悟を決めて来られる方がほとんどなのでしょうが、羽田会場ではとりわけこの「覚悟」に「自分たちの生活のためには仕方がない」という「強さ」がある感じがします。

私は、問診の最後に必ず「心配なこと、気になること、質問したいことはありませんか?」と聞くようにしています。ほとんどの人は、「いいえ、ありません」と答えられます。

しかし、私が「迷い」を感じとった人には「大丈夫ですか?」ともう一度聞くと、たいていの人は、「不安や心配」「本当は打ちたくない気持ち」を話されます。「覚悟」を決めて会場にやってきて、心配なこと、気になること、質問したいことは、もうないと答えた人達も、本当は、心配だし、質問したいこともたくさんあるし、打ちたくない人達もきっとたくさん居るんだろうなと思いました。

そういえば自分も心配だったし、質問したいこともいっぱいあったけど、聞く人もいないし仕方なかったのを思い出しました。

今、迷っている人へ!

(c)Shutterstock.com

羽田空港の接種会場に「海外で家族で生活を続けるために接種しなければならない」という「覚悟」を決めて来場した人にとっては、ワクチン接種自体がまさしく、生活していくための「パスポート」なのです。

こうした、家族や16歳未満の子どもの接種にサインする親御さんの気持ちを考えると「デマ」を流すような人達の罪深さを感じます。ワクチンに限らず医療を取り巻く情報は正しい情報、誤った情報、悪質なデマなどが入り交じっています。

今、ワクチン接種を迷っている人は、自分の不安や心配、疑問が一体どこから来ているのか自分なりに分析してみてください。そして元となる情報が本当に正しい情報なのかどうか、もう一度見直してみてください。よく調べてみると、デマ情報や誤った情報を信じている場合もあるかもしれません。

自分の経験から言えることは、「ワクチンを2回接種した後は、何となくおぼろげながらも安心感」が得られます。この安心感は結構いいもんです。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ


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