芒と薄の読み方は?
9月21日は十五夜です。「芒」も「薄」もお月見のお供えとして欠かせないもののひとつを指しています。さてなにを指しているでしょう?
芒も薄もすすきと読む
すすきとは「イネ科の多年草。山野に群生し、高さ約1.5メートル。秋、茎の頂に十数本の枝を出し、黄褐色から紫褐色の大きい花穂をつける。これを俗に尾花といい、秋の七草の一。葉・茎を屋根をふくのに用いた。かや。」のことをいいます。
すすきは芒とも薄とも書くとともに、すすきのほかに、尾花やかやと呼ばれることもあるんですよ。
芒と薄に違いは?
◆芒
芒は音読みで『ボウ(バウ)』、訓読みで『のぎ・すすき』と読み、
「1. 稲などの穀物の実の先端にある針状の突起。のぎ。2. 物の細くとがった先端」の意味をもちます。
すすきの穂の先端部分がのぎ(芒)と呼ばれる部分です。芒はすすきの特徴を表した漢字だったのですね。
◆薄
一方、薄は音読みで『ハク』、訓読みで『うすい・うすめる・うすまる・うすらぐ・うすれる・すすき』と読み、
「1. 厚みが少ない。2. 数量などが少ない。乏しい。3. 真心に欠ける。心がこもっていない。4. 迫る。近づく」という意味があります。
これだけではすすきにつながる要素が感じられませんが、実は、くさむらという意味もあるといわれており、そこから転じてすすきと読むようになったのだそう。たしかにすすきを思い浮かべると、満月とともにお供えされている姿のほかに、一面に広がって生えているイメージではないでしょうか。
そのため、漢字の意味を踏まえると、芒はすすきそのものの姿を、薄は一面に広がって生えているすすきの様子を想起させる違いがありそうですね。
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いかがでしたか。十五夜にお供えする芒からだけでなく、全国にある名所の薄から秋を感じられたら素敵ですね。来年は気軽に遠出ができるような状況になっていますように。
言葉の意味/デジタル大辞泉
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!