部下もわが子も成長に必要な言葉は同じ
子供を医者にしたい保護者のための「幼児教室ひまわり」講師、藤井小百合です。私は現在、幼児教室ひまわりの講師として親御さん向けに子育てのアドバイスをしています。
仕事をしている中で感じるのは、子どもの教育と社会人(部下)の教育は、本質的には同じだということです。
私も今、幼児教室ひまわりの講師として部下を受け持つ立場となり「部下を伸ばしてあげたい!」という想いは子育てをしていた頃の「わが子を伸ばしてあげたい!」という気持ちと同じです。
部下を伸ばすためにかけたい言葉5選
そこで今回は「部下を伸ばすためにかけたい言葉」を5つピックアップしてみました。
この5つの言葉はそれぞれ単体でも使えるものなのですが、5つの言葉全てが部下を伸ばすための1つの“流れ”にもなっています。ですので、この流れも踏まえて意識してみてください。
1.「今、悩んでいることや難しいことはある?」
まずは、「常に気にかけている」ということが、相手に伝わるような声がけです。
仕事はチームでやるものですので、できるだけ部下を孤立させないようにします。部下も一生懸命頑張っています。でも、頑張り屋さんほど一人で抱え込んでしまうこともあります。上司が常に話しかけて気にかけることで、部下が抱えている悩みや問題を聞くことができます。
部下に対して「一人じゃないからみんなを頼っても良いんだよ」ということが暗に伝わるように、常に声がけをしてあげましょう。
2.「ここまではできているね。よく頑張ったね」
もし部下から悩みを打ち明けられたり、相談されたりしたら、まずは現状を認めてあげます。
「ここまではできているね、すごいね。いつも頑張っていたからね」と認めてあげて、できている部分を称えてあげます。そのあと「じゃあ、次はここから頑張ってみようか」と、次のステップへと導いていきます。
3.「難しくなっている原因ってなんだろう?」
そしてここからは、部下が悩んでいる問題を一緒に解決してあげます。
ここでのポイントはこちらから解決策を教えるのではなく、部下に対して質問をすることで、解決策を自分で見つけられるように導いていきます。
「原因はなんだろう?」「ここはどうなってるのかな?」という質問が、問題の原因を探るヒントになります。こうして本人が考えることで自分自身で解決策を見つけることができ、成長していきます。
4.「一緒にやろう!」
原因がわかり解決策も見えてきたら、ここからは解決策を実行していきます。
この時、実行を部下一人に任せるのではなく上司も「一緒に取り組む」という姿勢を見せる声がけをします。一人で抱えたり一人で頑張ったりしないで、チームで協力して頑張っていこうというメッセージを送ります。
5.「大丈夫だよ!」
そして最後は、背中を押す言葉をかけてあげます。
ここで大事なことは安心感を与えることです。私が子育てをしていた時「あなたならできるよ!」という言葉と、「あなたは大丈夫だよ!」という言葉をとにかくわが子に与えていました。
習い事の発表会の時などは子どもも緊張しますよね。そんな時「あなたならできるよ!」という言葉で、子どもに自信をつけさせてあげます。
もう一つ、「あなたは大丈夫だよ!」という声がけもとても大事です。「大丈夫」という言葉には「失敗してもお母さんが受けとめてあげる」というメッセージがあります。
発表会の時などは子どもにとっては失敗が怖いのです。でも長い人生で考えると、失敗は悪いことではありません。失敗した経験から学び、また成長し、成功に繋げていくのです。
だから失敗しても終わりではありません。失敗してもまた次に頑張れるような環境を用意してあげることが、親の役目だと思います。
私は「大丈夫」という言葉がけで、わが子に安心感を与えていました。
大人になっても失敗は怖い
これは社会人でも同じです。大人になっても失敗は怖いですよね。でも私の部下には、失敗を恐れずに頑張ってもらいたいです。挑戦することに意味がありますから。
もちろんそのまま成功するのが一番良いでしょう。でも失敗しても大丈夫。失敗してもまた次に頑張れるような環境を、私が用意してあげます。
わが子の失敗はいくらでも私が受け止めてあげました。その時と同じ気持ちで、今も私は、部下の失敗を受け止めてあげる覚悟を持っています。だから「大丈夫」という言葉で安心感を与えて、部下には最大限の力を発揮してほしいと思っています。
これら5つの言葉を意識して声がけすると、自然と部下は伸びていくでしょう。
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幼児教室ひまわり塾長 熊野貴文
1978年兵庫県神戸市生まれ。灘中・灘高卒、大阪大学医学部現役合格、同校卒。
医師として、大阪大学付属病院(阪大病院)や市中病院など数々の病院で勤務医として医療に携わる。
その後、「自分が両親から授けて頂いた本当の教育方法」を世に広めることに対して使命を感じ、現在幼児教室ひまわりの運営を行っている。
著書『子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと』(啓文社書房)では、我が子の能力を最大限に引き出す教育法を伝授。
幼児教室ひまわり主任講師 藤井小百合
東京都内の名門小学校受験塾講師、幼児教室東大キッズの塾長として10年以上の幼児の指導実績を経て、2015年より幼児教室ひまわりの主任講師に就任(現在も幼児教室東大キッズの塾長を兼任)。
長女は岡山白陵中学、岡山白陵高校を卒業、横浜市立大学医学部に合格。中学受験は神戸女学院中学合格。
長男は岡山白陵中学、岡山白陵高校を卒業、東京大学に現役合格。中学受験はラ・サール中学合格。