面接で話すべきは「実績」とにかく具体的に話せば、評価はUP
前回、資格は経験がない人が使う次善の策という話をしました。「アメリカで仕事をしていました」という人は、TOEICの点数は聞かれないということです。このように、転職の面接で一番強いのは「実績」。
新卒就職の時は受ける人が全員大学生だから、ビジネスの実績を持っていない人ばかり。そこで、「将来やりたいことは何ですか?」とか「あなたが好きな言葉はなんですか?」のような、内面を掘り下げるような質問をされることが多いです。
しかし、転職の面接の場合、「今まで仕事の中でどんな実績を作ってきたか」が一番重要になるので、このような質問をされることは非常に少なくなります(新卒就活も「学生時代に力を入れたことは何ですか?」というふうに聞かれることがありますよね。これは「学生時代にビジネスに役に立つ経験をしたことがありますか?」という意味の質問です)。
転職の面接で話すべきことって?
就活で話すべき事は3つです。
現在の話… 私は今、○○ができます
未来の話… 私は将来、○○の仕事ができるようになります(なりたいです)。
過去の話… その根拠となる実績は○○です。
新卒就活では未来の話が重視されますが、転職の場合は現在、過去の話が圧倒的に重要です。
「私は、今このような仕事をしています。過去にはこのような実績をだしました。だから、あなたの会社でこんな仕事ができます」
これを明確に言えるようにすることが大切です。
転職の面接の準備をしましょう
ではこれをうまく話せるようにするために、どのような準備をすればいいでしょうか? まず、一番最初にやらなくてはならないのが、相手の会社がどのような人材を求めているかを調査することです。
求人票に書いてある内容をよく読んで、自分に与えられる役割を想像して、自分がその会社で働くときに振られる仕事を考える。転職エージェントを使っているのであれば、担当者に「こんな仕事を任されると思うのですが、合っていますか?」と確認する(人によっては全く的外れな回答をする場合もあるので、その時は聞き流してOKです)。
そして、面接でも「こんな仕事を任されると想定しているのですが、間違いないでしょうか?」と確認する。こうして、自分が求められているものを正確に把握することが最初のステップです。
そして次に、「私はその任せられた仕事をできる人ですよ」と証明する話をしましょう。前回の話でもあったように、ここでは経験の話が一番効きます。その次に資格の話。
例えば、海外のスタッフと協業するような仕事であれば、一番いいのが「前職でも海外のスタッフと仕事をしていました」「プライベートで○○人の友達がいて、会話は英語でしています。月に1回くらい会って○○をしています」といったことです。そして、このような経験がなければ「TOEICが800点なので、意思の疎通はできます」と、資格の話をして経験のなさを補うわけです。
よりよい転職をするために、今すべきこと
このように、転職の面接に受かるために必要なのは、転職先で仕事ができることを証明する実績です。やってみたい仕事、入りたい会社があれば、どんな実績が必要かを考え、それを体験できる場所に近づいていきましょう。
社内に挑戦したい環境があれば、その部門の知り合いに声をかけたり、直接訪問してみてもいいでしょう。さりげなく知り合いを作り、話を聞いたり共同の仕事があれば参加できるよう上司と掛け合ってみてもいいかもしれません。
社内にないようであれば、社外で似たような事ができないかを考えてみましょう。デザインやプログラムなら自分で学ぶこともできますし、広告などはオンライン広告をうってみるのも面白いです。休日に週1回程度アルバイトをしてみるのもいいですね。
そうして体験を積んでいくと、やりたい仕事・会社に繋がるコネクションもできたりします。行動をすることによって、道は拓けるのです。ただ漠然と「仕事がつまんないな」「いい仕事はないかな」と思っていても状況は変わりません。残念ながら、会社はあなたに楽しい仕事を提供することを目標としていませんので。
でも、自分で動く人にはチャンスが巡ってきます。コロナ禍で動きが取りにくい人もいるかとは思いますが、ぜひ新しい事にチャレンジして、自分で自分の道を切り拓いてみてください!
TOP画像/(c)Shutterstock.com
スパイスアップ・アカデミア代表 森山たつを
スパイスアップ・アカデミア代表取締役兼海外就職研究家
早稲田大学理工学部卒業後、日本オラクル、日産自動車などに15年勤務の後、日本人の海外就職に関する調査・研究を行う「海外就職研究家」として独立。著書4冊、電子書籍20冊以上を執筆。
2014年に、日本人を「出入自由に」を体現すべく、海外で働く体験ができる実践型インターンシッププログラム「サムライカレープロジェクト」オンラインインターンシップ「グローバルマーケティングオンライン」をスタート。
桃山学院大学兼任講師、i専門職大学 客員教員、インフィニティ国際学院 プログラムナビゲーター