木目細かいと木目細やか
先輩にご指導を賜り、御礼申し上げるシーンで「○○ご指導をありがとうございます!」の○○に入るのはどっち?
A. 木目細かい(きめこまかい)
B. 木目細やかな(きめこまやかな)
◆正解はA. 木目細かい(きめこまかい)
木目細かいとは「1. 皮膚や物の表面がなめらかなさま。2. 物事に細かく気を配るさま」のことをいいます。今回の例文は[2]の意味ですね。
B. 木目細やかな(きめこまやかな)は、実はデジタル大辞泉には載っていないんです。「木目細やか」という表現を聞いても特に違和感もないと思うのですが、正しい表現かと問われると間違いに当たるようです。
木目細かいとは、もともとは木の板や柱などの切り口の木目(もくめ)が細かくつまり、手触りが滑らかなことを指し、そこから滑らかな肌の様子や、細かく行き届いた気配りの様子などにも使われるようになりました。
一方、細やかとは?
1. 一まとまりになっているものの一つ一つの要素が微小なさま。
2. すみずみまで行き届いているさま。
3. 洗練された味わいがある。微妙な趣がある。
4. 細かくて雑多なさま。
5. 配慮が細部にわたっていてすぐれているさま。精巧なさま
「細やか」はたくさんの意味を持ちますが、[2]にあるように、「細やか」のみで、木目細かいと同じような意味となります。そのため、例文も「細やかなご指導ありがとうございます!」であれば正解です。
* * *
いかがでしたか? 実は細かい(こまかい)にも「小さいところまで行き届いている」という意味があり、「細かいご指導ありがとうございます!」も間違いではありません。
しかし、細かいことまで注意された、のように細かいはマイナスなニュアンスで使われることも多いため、口うるさかったかな? などとネガティブな受け止められ方をされてしまうかも… 誤解を与えないためにも、似ている言葉ほど間違えずに使いたいですね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!