やりたいことより、得意なこと。「得意」を増やすためになにすればいいの?
「好きなことで、生きていく」
これは、Youtubeの広告で有名になった言葉です。好きなことで生きていけたら幸せですよね。
コスメの紹介したり、おすすめのコーディネートを紹介したり、英語の話し方を説明したり。そんな動画を公開してお金が入ってくるならみんなやりたいですよね。
しかし、これはなかなか難しいんです。それは「好きなことって、だいたいみんな同じ」だからです
みんなが嫌いなことが好きな人は、ラッキー
コスメが好きな日本人女性って、おそらく3000万人くらいいますよね。
でも、コスメを紹介する人気Youtuberって数十人じゃないんですか。つまり、100万人に一人くらいしかコスメYoutuberになれないんです。これは、プロ野球選手になるより難しいかもしれません。
このように、自分が好きなものが、他の人の好きなものと同じ場合、競争が非常に激しいので、それを仕事にして生きていくのって難しいんです。
逆に、自分が好きなものがマイナーで、多くの人が代わりにやってもらいたいと思っているようなことだったら、それを仕事にして生きていくのは簡単です。
トイレ掃除が3度の飯より大好きな人とか、いくらでも仕事がありますよね。
好きなことより、得意なこと
このように、まずは自分の「好き」を分析してみましょう。自分が好きなものは他にもたくさん好きな人がいるか? それに関する仕事はたくさんあるのか?
そして、それを職業にするのは難しいなと思ったら、自分の「得意」を仕事にすることを考えてみましょう。
自分が今までしてきた仕事、学生時代にやってきたことを思い出してみてください。自分はこういう仕事が得意だ。こういう仕事が人よりもうまくできた。みたいなことはありませんか?
Excelを使ってレポートをつくるのが早いと上司に喜ばれた。仕事のやりかたを後輩に教えたらすぐに仕事を覚えてくれた。学生時代に携帯電話の販売のバイトをしたらたくさん売れた。趣味でつくったアクセサリを友達にみせたら褒められた。
なにかしら、会社から評価されたり、人から褒められたりした経験ってないですか? それが見つかったら、そこから仕事を探してみましょう。
例として、レポート作りがうまくできたらどこが上手いのかを分析しましょう。Excelの機能を使うのが上手いのか、デザインが上手いのか。
機能を使うのが上手かったら、本屋に行ってExcelのマクロみたいな高度な機能の使い方を覚えてみましょう。より上手にレポートが作れるようになるはずです。そして、Excelのマクロの使い方を覚えるのが得意だと思ったら、プログラミングが得意かもしれないので、JavaScriptあたりのプログラミング言語を勉強していきましょう。その能力でプログラマーになれるかもしれません。
デザインが上手いのであれば、デザイン理論の本やWebデザインの本を読んで、人が読みやすいレポートやWebページのデザインを学んでみましょう。そして、それが得意だと思ったら、Webページを作るための言語、HTMLなどを学んでみましょう。
そして、自分の趣味のWebページを作ってみたり、知り合いにビジネスをやっている人がいたらその人のWebページをつくってあげましょう。「私はこんなWebページがつくれます」という実績があれば、Webデザイナーとして仕事ができます。
このように、自分が何が得意かをみつけて、その得意なことをより活かせるような知識を学んで、仕事ができるレベルまで持っていく。こういうルートで「得意なことで、生きていく」のがおすすめです。
得意なことで、生きていく
自分の得意なことが、会社の仕事に当てはまらなそうだったら、副業でやってみるのもいいです。例えば、アクセサリー作りが褒められたら、そのアクセサリーをメルカリで売ってみましょう。
10種類くらいアクセサリーをつくってみて、どれが一番早く、高く売れるかの傾向をみてみると、世の中の人がどんなアクセサリーを求めてるかがわかります。
そのアクセサリーをつくるためのつくるための技術を身につけたり、紹介する文章や写真を工夫したりしてたくさん売れる様になったら、自分のWebショップを立ち上げるといいです。ファンが付いたら、ファンの人のリクエストに応える形で商品を作ってみましょう。
こうやって、定期的にお金が稼げるようになったら、独立できるかもしれませんよね。
得意なことを探す方法
「でも、私、得意なことなんてないです…」という人。たぶん、得意なことが全くない人はいないと思います。ただ「今までやってきた事の中に、得意なことがなかった」というだけではないでしょうか?
そこで、そういう人は、今までと違う仕事をやってみることをおすすめします。書類をつくる仕事ばっかりやっていた人は、上司に頼んで営業に同行させてもらうとか、休みにアクセサリーをつくってみるとか。
いろんな仕事を体験すれば、きっとあなたの「得意」がみつかります。
もしかしたら、これを読んでいる人の中に学生の方もいるかもしれません。学生時代ってのは「得意」を探すのに最適な期間です。
学校でいろいろな教科を学ぶことで得意をみつけられるかもしれません。部活やサークル、アルバイトも得意を見つけるチャンスです。
特に、アルバイトは仕事の中かで得意を見つけやすいです。社会人になると、一度仕事を始めてしまうと転職は大変ですが、アルバイトは複数のバイトを並行する事も、退職して新しいバイトに挑戦することも難しくありません。その恵まれた状況で、いろんな仕事を体験し、自分の「得意」をみつけてから就活に挑むのが最適戦略です。
自分の「得意」がみつかったら、それを活かして就職・転職・部署異動すると仕事が楽しくなります。その時に「得意」をアピールすることが大切です。そのアピールの方法として「資格」はひとつの手段です。
でも、上手く使わないと時間とお金の無駄になりかねません。
次回、自分の「得意」をアピールするために「資格」をとるべきかをお伝えします。
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スパイスアップ・アカデミア代表 森山たつを
スパイスアップ・アカデミア代表取締役兼海外就職研究家
早稲田大学理工学部卒業後、日本オラクル、日産自動車などに15年勤務の後、日本人の海外就職に関する調査・研究を行う「海外就職研究家」として独立。著書4冊、電子書籍20冊以上を執筆。
2014年に、日本人を「出入自由に」を体現すべく、海外で働く体験ができる実践型インターンシッププログラム「サムライカレープロジェクト」オンラインインターンシップ「グローバルマーケティングオンライン」をスタート。
桃山学院大学兼任講師、i専門職大学 客員教員、インフィニティ国際学院 プログラムナビゲーター