不妊治療中の夫婦が離婚… その理由は?【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、1泊2日の入院にかかった病院費用のお話をお届けしました。今回は、不妊治療の先輩に妊活の相談をした話。
まさかの離婚危機?! 同じ目標に向かっている夫婦がどうして…
ツライ登り坂は息を止めて駆け抜けるタイプの私と、転ばないように地道に歩みを進めるタイプの夫。
2018年の冬、夫が男性不妊の原因のひとつと言われている精索静脈瘤の手術を受けました。無事手術は成功したものの、手術後も夫の結果がいつ改善するかはわからないと医師から聞いていたので、私自身も早めに受けられる検査は全部受けておこう! と決心したのですが、怖いものはやっぱり怖い。
そこで年末、不妊治療をしていた年上の奥様友だち・カオルさんに、妊活のことを相談してみることにしたのです。
外資系IT企業に勤めるカオルさんは、私より10歳年上の40代。数年前、お互い結婚してるのに、夫をおいてひとり旅をしていたときに彼女と出会いました。
ローカルなバスの車内で、すぐに機動力レベルが一緒という共通点に気が付き、意気投合。年に数回、2人でお酒を飲んでは、家庭や仕事の愚痴を利害関係なくぶっちゃけ合える間柄です。
そしてカオルさんは、私よりもずっと前から不妊治療に取り組んでいた不妊戦士でもありました。
私「実は、私も不妊治療、本格的に進めようと思っているの。先月、夫が精索静脈瘤の手術したんだけどね…」
カオルさん「あ、知ってる。私の周りにいる不妊夫婦で3組いたわ、旦那が精索静脈瘤だったケース。でも結局みんな離婚しちゃった…」
私「は?! マジ??」
話がいきなり飛躍しすぎて、私は言葉を失ってしまいました。子どもがほしいという同じ未来を描いたはずのカップルが、なぜ、別れることになるの?? 「離婚」という突然の二文字が衝撃をもたらしました。
カオルさん「珍しくないんだよ、妊活している夫婦の離婚って。特に不妊治療すると離婚率は、いっきに高まるように思う。価値観の違いが一番浮き彫りになるし…」
私「子どもがほしいっていう大きな価値観が一致しているのに。なんで別れるの?」
驚く私の素朴な疑問に、カオルさんはグラスのワインを飲み干して続けました。
不妊治療は離婚要素のオンパレード!?
カオルさん「この日にヤリなさい! っていう義務的なセックスに耐えられなくなってレスに陥るパターンもあるし、男性が病院を嫌がって検査すら受けずに苦労させられることもある。
女性は仕事を続けることさえ難しくなる状況で、出費はどんどん積み重なる。ホルモン剤の影響で、精神的に不安定になることもある。そんな状況で家事や仕事との両立、お金の問題までふりかかってくるんだから、不妊治療って離婚要素のオンパレードみたいなものなのよ。まぁ、夫婦間のホントのところは、当事者にしかわからないけどね…」
飲みかけのグラスを手にしたまま、言葉を失う私。切ない。切なすぎる。あまりに悲しい顔をしている私を見て、カオルさんは笑いながら続けました。
カオルさん「離婚ってさ、浮気とか借金が引き金になると思っていたけれど、不妊治療すると性格の不一致が前面にでちゃうことがあるんだろうね。でも、大丈夫だよ、うちも、キコちゃんちも、離婚にはならないって」
カオルさんの言葉にはどんな意味があるのだろうか…。私たちの妊活の話はまだまだ続くのでした。
次回は不妊治療で離婚する夫婦としない夫婦の違いのお話をお届けします。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。