不妊治療の先輩から聞いた、不妊問題のリアル【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、不妊治療の先輩に妊活の相談をした話をお届けしました。今回は、不妊治療で離婚する夫婦としない夫婦の違いのお話。
不妊治療で離婚する夫婦としない夫婦、その違いは何?
不妊治療の先輩であり、奥様友だちのカオルさんに不妊治療の相談をすると、「不妊治療をしている夫婦は離婚率が高まる」という衝撃的な話をされました。
カオルさんが語る不妊夫婦のリアルな側面に「え~! ちょう不安なんだけど」と、治療の相談どころじゃなくなる私。もちろん不妊治療をするカップルがもれなく全員、離別を選ぶわけではありません。でもその違いって、いったいどこにあるのでしょう…。
10年以上不妊治療を続けているカオルさんは、こんなアドバイスをくれました。
カオルさん「私はね、相手の立場をどのくらい想像できるかどうかの問題だと思うよ。私たちが、パンツを脱いで検査台に上がるときの気持ちなんて、男にはわからない! って決めつけたらそれまで。
それは女性側も一緒。男性がプライドを捨てて検査や治療に臨む気持ちを私たちが100%理解することはできないけれど、わかってあげようとすることが大事だと思う。じゃないとメンタルもたなくなるの。
キコちゃんちは、2人とも、しっかり思いやれているから大丈夫。第一、あのご主人のメンタルは折れません! キコちゃんがこれからステップアップするときも、きっと支えになってくれるよ」
私「カオルさんは、不妊治療してて、離婚したくなったこと、あった?」
カオルさんの旦那さんだって、奥さんが“ひとり旅”とかいって、フラっと旅行してても、こうして女友だちと飲み歩いてても「いってらっしゃい」と笑顔で送り出してくれる人だから、きっと不妊治療の最中も献身的にサポートしてくれるタイプなんだろうなというのは容易に想像できたものの、やっぱりどんなことがあったのか気になってしまいます。
ワインをボトルで一本追加して、ちょっと踏み込んだことも聞いてみました。
お金で解決できない不妊問題。初動の勘違いが一生の後悔になるかも…
カオルさん「私たちはね“お金をかければ子どもは授かれる”という致命的な勘違いをしていたの。それも夫婦そろって…。もう、ウッカリ者でしょう」
カオルさんちは2人とも外資系に勤めている、バリバリのエリート夫婦。不動産収入もあるし、夫婦仲もいいし、金銭面の問題はないし、どんどん不妊治療を突き進めばいつかは… と考えていたそう。しかし、検査をしても二人とも体に問題はひとつも見つからず。そこに立ちはだかったのは「年齢の壁」だったといいます。
カオルさん「不妊治療って、年齢がすごく大事なの。私も旦那も、それを知らずに仕事ばかりしてしまって。いざ体外受精をするときに妊娠確率の数字を見せられて二人で泣いたよ。でも、やれることをすべてやってきたから、納得して次のフェーズにすすめた。キコちゃんのご主人が危機感をもって検査や治療を進めてくれているのは、本当に大正解だと思うよ」
私は、カオルさん夫婦が、養子縁組も視野に入れて考えているという話を聞きながら、不妊治療に、なかなか当事者意識が持てずにいた自分の1年を反省していました。夫が手術するまで、どこか躊躇があった‥。なんなら今だって「自分は大丈夫」と信じて逃げたい気持ちがあるのも事実。
するとカオルさんは「キコちゃんちは、よその夫婦と逆だよね。女性が不妊治療どんどんステップアップしちゃって、男性が二の足を踏むケースのほうが多いのに」と爆笑。
おいしい食事とワインを飲みながら、不妊治療というセンシティブな話をざっくばらんにできる友人がいることのありがたさが染みた年末でした。それと同時に“離婚率UP”は、まったく想像していなかったので、かなり衝撃的でした。
夫はどう思っているのかな。帰りの電車のなか、夫に聞いてみたいことがたくさんあふれてくるような心境にもなったのです。
次回は夫に不妊治療への不安な気持ちを打ち明けたお話をお届けします。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。