副反応って? 副作用と何が違うの?
新型コロナウイルスの予防接種が始まり、副反応についてのニュースを目にすることも増えました。副反応ってなに? 副作用と違うの?
早速チェックしてみましょう。
副反応と副作用の意味とは
まずはそれぞれの意味について、辞書で調べてみます。デジタル大辞泉によると、
副反応とは、「ワクチンの接種を受けた後に生じる、接種部位の腫れや発赤・発熱・発疹などの症状」をいいます。最近、良く耳にする、「アナフィラキシー」も副反応の1つです。
一方、副作用とは「薬物の、病気を治す作用とは別の、望んでいない作用」のことをいいます。
副反応も副作用も、ワクチンや薬の使用に伴い、本来期待される効果とは異なる影響が出ることを指す言葉ですが、使用しているものがワクチンの場合に出た影響を副反応と呼び、使い分けているんですね。
なお、英語では本来期待される効果とは異なる影響が出ることはワクチンの場合も薬の場合も「side effect」を用いるようです。
副反応の情報が集約・公表される仕組みがある
日本では、伝染のおそれがある疾病の発生やまん延を予防するために予防接種の実施などの必要な措置を講じることにより、国民の健康の保持に寄与し、かつ、予防接種による健康被害の迅速な救済を図るために「予防接種法」が定められています。
その中で、医療機関に対し、予防接種による副反応と疑われる事例について報告を求める、「副反応疑い報告」という仕組みが定められています。これは、副反応にかかる情報を広く集め、情報を整理し、調査、ワクチンの評価等を行った上で、予防接種の適正な実施のために必要な対応に活用されます。
なお、疑いがあれば報告する仕組みであるため、ワクチンの接種によるものか、他の原因によるものなのかかがはっきりしない事例も含まれることがあり、また、報告があった事例については速やかに公表されるため、公表段階では、副反応の疑い報告として公表された事例がすべて予防接種による副反応であるとはいえないことに注意が必要です。
そのほか、予防接種法には、健康被害救済制度として、予防接種により健康被害が生じたと認められる場合には、医療費・医療手当、障害年金や死亡一時金等が支払われることが定められています。
いかがでしたか? 令和3年2月17日より医療従事者の方から順次、新型コロナウイルスの予防接種が行われています。
予防接種は有効な予防方法のひとつであるものの、副反応が起こるリスクはゼロでないし、むしろ起こらない事の方がめずらしいようです。副反応のニュースを目にすることが多いと、接種して大丈夫なんだろうかと不安になってしまいますが、幅広に情報収集を行い、迅速に公表する仕組みであることを理解して、不安に煽られ過ぎないようにしたいですね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!