精索静脈瘤の手術翌日、回診で医師から言われたこと【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、夫に私の妊活への決意を伝えたお話をお届けしました。今回は、夫の手術翌日の回診で執刀医から説明を受けたお話。
手術翌日の夫、病室を覗いてみると…
2018年の冬、夫が男性不妊の原因のひとつと言われている精索静脈瘤の手術を受けました。無事手術が成功し、その翌日、私は夫と回診を一緒に受けるために病院に訪れました。
朝食は和食派の私と、洋食派の夫。拙宅の食事は私が準備するので、どうしてもご飯とみそ汁の組み合わせばかりが多くなりがちですが、病院の朝食はパンだったそうで…。
夫「メゾンカイザーのクロワッサンが出たんだよ~!」
朝、私が病室へ入ると、夫はうれしそうに写真を見せて報告してきました。短い入院生活だったけど、夫にとって快適なひとときになってよかった。
執刀してくれた男性不妊専門医I先生の回診
9時半になるとお部屋にI先生と看護師さんが入ってきました。
I先生「どうですか、ご気分は? 眠れました?」
夫「ありがとうございました。しっかり寝れました!」
I先生「よかった。奥さんもね、ご主人の精索静脈瘤は無事に治りましたから。再発リスクも低いし、安心してね。ご主人はお風呂だけ1週間シャワー浴。明日から会社も行っていただいて大丈夫だし、夫婦生活もとっていただいて大丈夫」
夫「へぇ、そうなんですね」
I先生「うん。妊活はとにかくタイミングをしっかりとることが大事。奥さんの排卵のタイミングも気になるかもしれないけれど、いつ起こるかなんてわからない。それを気にするより、リラックスして自由にどんどんタイミングとってね。もう今晩からOKだから!」
相変わらずざっくばらんなI先生と話していると、私たち夫婦も元気が出ました。
感染症予防と痛み止めの飲み薬が処方された。精子の様子はどうなるの?
退院時には感染症予防の「セファクロルカプセル」という薬を1日3回4日分、万が一痛くなった時のためにロキソプロフェンが10錠出されました。あとは次の土曜日に診察。夫は精液検査の経過観察もするので、そのあとは3ヶ月おきに引き続き検査をしていくことに。
I先生「手術前にもお話した通り、精液検査の結果が良くなるかどうかは、個人差があるので今の時点ではハッキリしたことは申し上げられない。でもね、精索静脈瘤によって精子か何らかの損傷を受けていた場合は、徐々に改善していくから。精液検査の数値に反映される場合とそうでないケースがある。でもあきらめずに、しっかり夫婦生活をとっていってね」
まだ現代医療の世界でも、未知のことが多い精子の世界。目に見えないレベルの損傷の可能性。わかってはいても、この時は先が見えないトンネルのなかにいるような気分でした。一般的にも精液検査の運動率改善などが見られはじめるのは手術後3ヶ月以降が多いそう。
精索静脈瘤の手術後、夫の精液検査の結果はどのように変わったか?
先に結論から言うと、夫の場合、手術から1年半後に精液検査の数値が突然よくなりました。
規則正しい生活、バランスのいい食生活、適度な運動、締め付けの少ない下着、トマトジュース、コエンザイムQ10のサプリの服用…、手術以外にもできることをすべてやり続けていたので、どれが一番効果があったかわかりませんが、早い時期に男性不妊の治療をしておいてよかったなというのが私たち夫婦の結論です。
夫の精子の運動率の推移などは今後の連載のなかでまたお届けしたいと思っています。
次回は1泊2日の入院にかかった病院費用をお話します。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。