夫の姿を見て、私の不妊治療の決意が固まった【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、手術当日の夕飯の様子のお話をお届けしました。今回は、夫に私の妊活への決意を伝えたお話。
夫の手術後、私の不妊治療について話し合った
2018年の冬、夫が男性不妊の原因のひとつと言われている精索静脈瘤の手術を受けました。
無事手術が成功し、全身麻酔から覚めた夫。夕飯を済ませたころには、バンドエイドに滲んでいた出血もすっかり止まり、自分でトイレに立ったり、病室のなかをウロウロ歩けるようにまで回復。腕には点滴が刺さったままなので、相変わらず機動性は低めですが。もう手術前と変わらぬ元気さ。
私「あのね私、今まで不妊治療といっても、自分のことで頭がいっぱいだったんだ。でもアナタはすすんで検査受けてくれたり、手術までしてくれて、ありがとうね。当たり前だと思っていたけれど、すごく有難いことだということに気が付いたの」
夫「気にするなよ」
私「私も卵管に水を通す検査、早めに受けようと思って。そのあと、妊娠しやすいゴールデン期間と言われているらしいから早めに人工授精もしたいなと思ってる」
夫「うん、そうだな。でも焦ることないよ。卵管に水を通すなんて、いかにも痛そうだし。それに、僕は今日手術したばかりだから、これから精液検査の結果もどうなるかわからない。急がなくってもいつか子どもはちゃんとやってくるって。信じながらゆっくり進めていこう」
私「うん」
そう、初めに医師からも説明があったように、精索静脈瘤は手術後、すぐに結果が改善するというものではないのです。どのタイミングでステップアップするかの見極めは、信頼できる医師としっかり話し合って決められるといいですよね。
「僕もおなかを痛めて生まれてくる子どもだからさぁ~、楽しみだなぁ~。キミより妊活の思い入れ強まったからさぁ~」と冗談っぽく話す夫。
男性不妊専門医であるI先生は、このあとも男性側の治療の話だけでなく、ステップアップの相談や私の結果も合わせて診ながらアドバイスしてくれたので、とても心強かったです。
全国に約60人と言われている男性不妊専門医の人数、もっと増えてほしいなと思いました。こうした総合的な相談ができる医師に出会えれば、きっと救われるカップルも多いはずです。
夫は病院で。私は自宅で。それぞれの場所で、夜を明かす
面会時間リミットである20時が迫り、私は帰宅するために荷物をまとめていました。すると、のそのそとベッドから起き上がり、点滴を引っ張りながら歩み寄ってくる夫。
夫「病院の下まで送るよ」
私「は? 冗談でしょ。アナタ、その手術着の下、何も履いてないんだからやめてよー(笑)」
思わず笑いだしてしまいました。だって、かろうじてT字帯はつけているものの、手術のあとはすっかりヨレてしまっていて、うっかり風が吹いて薄い手術着がめくれたりでもしたらアレが丸見え!
夫「いいよ、心配だよ」
私「アナタが外でポロリしちゃう方が心配なんですけどー(笑)」
夫「じゃあタクシー呼ぼうか?」
私「自分で捕まえられるってば」
夫「キミは僕がいないと何もできないんだから!! やっぱり下まで送るよ!」
私「いーえ! 私はアナタが思っているよりずっといろんなことができるわ。アナタがその格好で不審者として捕まるほうが大変でしょ。はいはい、寝てて」
ついさっき、コンビニへパシリに行かせた人と同一人物とは思えませんよねー(笑)。まあでも夫は夫なりに一生懸命気を使ってくれていたのかな。名残惜しそうな夫を病室に残し、私は家路に。澄んだ冬空の星が、すごくきれいでした。
次回は手術翌日の回診で受けた医師からの説明や1泊2日の入院にかかった「病院費用」をお話します。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。