悪口は、言わない、聞かない、関わらない
生きている以上、私たちは色んな人に出会います。
その中でも厄介なのが、
「悪口好きな人や批判が趣味のような人」
です。
おそらくあなたも、こういう人に頭を悩まされた経験はあると思います。
そうした人の話は、少しの間ならつき合えても、長時間続くと、さすがにうんざりしてきます。
そんな時は、さりげなく席を変えるのです。
「トイレに行く」などの口実でいったん席を離れ、戻ってきた時には、別の人の隣に座るのです。
ところが、二人きりで話しているなどどうしても、その場から離れづらいケースがあります。
その時は、愚痴や悪口を言うことを「あきらめさせる」のも1つの方法です。
悪口が止まらない人には「別の話を振る」
愚痴や悪口を言う人は、その話題で盛り上がることに快感を覚えます。自分が発したネガティブ発言に、周囲が呼応すればするほどエスカレートしていく。
その意気を削いでしまえば、自然と収まっていきます。
そのために、あえて「別の話題を振る」というのが、最も効果的です。「話が噛み合わない感じ」を、演出すればいいのです。
その場では愚痴や悪口から話をそらすことが目的ですから、天気や食べ物、芸能ニュースなど、他愛のない話題でかまいません。
これを繰り返していると、相手は、あなたのことを「愚痴や悪口に乗ってくれない、つまらない人」と認識するようになります。
そうすると、愚痴や悪口が早めに収まるだけでなく、その後、あなたには愚痴や悪口を言わなくなっていきます。
さらに、「別の話題を振る」ということ自体は小さなコツですが、結果的に、ネガティブ発言ばかりの人を遠ざけることができ、日常的な快適度が増します。
「全肯定」のために、波長の合わない人とはつき合わない
こういうと、第1回でお話しした「全肯定」と矛盾するのではないか、と思われそうですが矛盾はしません。これも「全肯定」です。
自分が苦手と思う相手や空間にも、当然ながら人格や言い分があります。
それがあなたの人格や言い分とそぐわないから、「苦手だな」と思うのです。よくいう「波長が合わない人」というのは、こういう人のことを指します。
このような波長の合っていない人と無理に親しくしようとしたら、あなたはどうなるでしょうか。
自分を押し殺して相手に合わせることで、自分自身を否定することになります。
そうなのです。
波長の合わない人とつき合うのは、「全肯定」どころか自分自身を否定することにつながってしまうのです。
自分を押し殺してまで苦手な相手と話すくらいなら、あえて距離を置くことで、互いを尊重したほうがいいのです。
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永松 茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ40万人にのぼる。2020年1番売れた会話の本『人は話し方が9割』(すばる舎)をはじめ、著書多数。