和柄それぞれには意味がある! 意味を知っておきたい和柄5選♡
鬼滅の刃の人気もあり、目にすることが多くなった和柄。
和柄の名称やその模様の意味、知っていますか? 早速チェックして見ましょう。
和柄のルーツは中国から来ている
着物やがまぐち財布などに用いられていることが多い和柄。日本らしい文様として、馴染みがあるものの、その名称やその模様の意味まで知る機会はなかなかないですよね。
和柄は平安時代以降に、中国から伝来したデザインをアレンジしたり、日本独自のデザインとして誕生したものです。
ひらがなが生まれ、枕草子や源氏物語が日本文学として花開いたように、和柄も中国文化を受け入れるだけではなく、それをさらに日本好みにアレンジしたり、そこからヒントを得て日本独自のスタイルとして生み出されたものなんですね。
唐草模様(からくさもよう)
泥棒が抱える風呂敷でお馴染みの和柄が唐草模様です。
唐草模様は、つたが四方八方に力強く伸びていく様子を表しており、つたの生命力の強さから長寿や繁栄を表す縁起の良い文様とされているんですよ。
なお、泥棒が唐草模様の風呂敷を抱えているのは、その昔はどの家にも唐草模様の風呂敷があったことから。迷彩柄のようにカモフラージュに適しているからではなかったんですね。
市松模様(いちまつもよう)
オリンピックの東京2020のエンブレムに用いられている市松模様。そのほか、『鬼滅の刃』の竈門炭治郎の着物の柄というとピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
市松模様は二色の正方形(または長方形)を交互に並べた文様です。市松模様はもともとは石畳(いしだたみ)や霰(あられ)と呼ばれており、古墳時代の埴輪の服装の柄にもみられるほど、古くから用いられてきました。
江戸時代中期に歌舞伎役者の佐野川市松が、舞台で白と紺の石畳の袴をはいて流行、その後も佐野川市松が愛用していたことから市松模様と呼ばれるようになりました。
市松模様はその柄が途切れることなく続いていくので、繁栄や永遠の意味を持つんですよ。
矢羽根模様(やばねもよう)・矢絣(やがすり)
卒業式で袴を着る際に選ばれたかもしれないのが矢羽根模様です。『はいからさんが通る』で花村紅緒が身につけている着物の模様としても有名かもしれませんね。
矢は魔除けとして用いられる破魔矢のように魔を祓う縁起の良いモチーフとされています。また、武家が好む模様であったともいわれます。
弓で射た矢がまっすぐに突き進み、戻らないことから、江戸時代には嫁入りの際には矢羽根柄の着物を持たせたんだそうですよ。
麻の葉模様(あさのはもよう)
麻の葉模様は正六角形の対角線によってできる六つの正三角形の重心と各頂点を結んでできる幾何学模様です。麻の葉に似ていることから、この名がつけられたといわれています。『鬼滅の刃』の竈門禰豆子が着ているピンクの着物の模様ですね。
魔除けの意味がある三角形が集まってできた六角形は、より強力な魔除けの力があると考えられたことから、麻の葉模様は魔除けの意味を持つといわれています。
また、麻は丈夫で成長が早いことから、子どもの健やかな成長を願い、赤ちゃんの産着や子どもの衣類に使われる柄でもあるんですよ。
亀甲柄(きっこうがら)
正六角形を左右上下につなぎ合わせた亀甲柄。まさに亀の甲羅が並んでいるようですよね。鶴は千年、亀は万年というように、鶴亀は長寿の象徴であり、亀甲柄も長寿を意味します。
亀甲柄を3つ組み合わせて作られた毘沙門亀甲柄(びしゃもんきっこうがら)は、仏教における四天王のひとりで戦いを司る毘沙門天の甲冑にこの文様が用いられていることから名付けられました。
毘沙門亀甲柄は、亀の長寿と、毘沙門天の必勝や金運・財運などのご利益が加わり、とても縁起が良いといわれているんですよ。
なお、『鬼滅の刃』の冨岡義勇がアレンジされた毘沙門亀甲柄を羽織っています。
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いかがでしたか? それぞれの和柄が持つ意味やモチーフを知ると楽しいし、小物選びなどの参考にもしていただけるのではないかと思います。まだまだたくさんある和柄への興味のきっかけのひとつになったら嬉しいです。
TOP画像/(c)吾峠呼世晴/集英社
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!