【目次】
・「卑下」の意味や読み方とは?
・卑下する人の心理や特徴とは?
・「卑下」の使い方は? 例文でチェック
・「卑下」の類語にはどのようなものがある?
・「卑下」の対義語にはどのようなものがある?
・「卑下」の英語表現とは?
・最後に
「卑下」の意味や読み方とは?
誰かから褒められたときに謙遜をすると、「卑下している」と言われることがありますよね。この「卑下」という言葉、「大まかな意味は分かっていても、正しく使えているか分からない…」という方もいるのではないでしょうか? 今回は「卑下」という言葉の意味や使い方、そして「卑下」してしまう人の心理や特徴についてご紹介をしたいと思います。
◆「卑下」の意味と読み方
「卑下」とは、「自分が劣っているように見せること」を表す熟語です。読み方は「ひげ」。「卑下」の「卑」には、「地位や身分が低い」「心が卑しい」という意味があります。
ただ、「卑下」は、本当に自分が劣っていると感じているのではありません。「わざと自分を低く見せる様子」や、「謙遜している状況」のことを、「卑下」と表現しますよ。本当に自分が劣っていると感じている人に「卑下」を使うのは誤りなので、注意をしましょう。
卑下する人の心理や特徴とは?
「卑下」の意味と、「卑下」を使う状況についてのご紹介でした。会社や日常生活の中でも、一度は卑下する人と出会ったことがあると思います。そういった人たちは一体、どのような心理から卑下してしまうのでしょうか。ここでは、卑下する人の心理や特徴についてご紹介をしたいと思います。
◆卑下する人の心理
卑下する人の心理で多いものは、「ミスなどで相手から落胆されるのを恐れて、事前に予防線を張りたい」というものです。あらかじめ相手からのハードルを下げておくことで、多少出来が低くても、特に何とも思われないですよね。それに加え、相手が本来望んでいる出来だと、逆に好印象を与える可能性もあります。こういった心理状況から、卑下する人は多いです。
ただ、中には自分に対して自信がなく、本当に「自分は劣った人間だ」と思い込んでいる人もいます。そういった人は、周囲に対して自信があるかのように振る舞うのが苦手です。そのため、「自信があると嘘をつくより、正直にありのままの自分を見せたほうが良い」という心理が働き、自身を卑下してしまいます。
◆卑下する人の特徴
卑下する人の中には、コンプレックスを持っていたり、承認欲求が高かったりする人が多いです。コンプレックスを持つ人はプライドが高く向上心も高いため、現状に満足できないという特徴があります。そういった人は、「自分はこれだけ仕事ができる人間だけど、上には上がいる」といった劣等感を覚えるのが常です。そのため、自分を卑下してしまいがちになります。
また、承認欲求が高い人は、卑下したときに周りから「そんなことないよ」と言われることが好きな人が多いです。それは、自分が劣っていることが否定されると、「褒められた」「周りから認められた」と思います。そのため、承認欲求があるけど、あからさまに「褒めてほしい」とは言えないため、あえて卑下をすることで承認欲求を満たすことが特徴です。
「卑下」の使い方は? 例文でチェック
「卑下」する人の心理や特徴についてのご紹介でした。続けて、会話の中でどのように「卑下」という熟語を使うのか、例を挙げてご紹介をしたいと思います。
1:「彼女はいつも自分のことを卑下する」
「卑下」は主に、「卑下する」のように動詞として使うことが多いです。この例の場合は、「彼女はいつも、自分のことを『他の人よりダメな人間だ』と軽んじている」という意味になりますよ。
2:「彼はせっかく舞い込んだキャリアアップのチャンスを、卑下して諦めたそうだ」
「卑下」は、「卑下して○○する」といった使い方をすることも。今回の「卑下して諦める」の場合は、「あることができない自分を馬鹿にして、それを断念する」という意味で使われていますよ。
3:「彼女はよく自分を卑下にして相手を持ち上げることで、上司に取り入ろうとしている」
「卑下して持ち上げる」は、「自分を下げることで、相手をおだてる」という意味で使うことができます。「卑下して持ち上げる」という使い方をした場合、大抵はマイナスの意味で使われるため、誉め言葉として使わないように注意しましょう。
「卑下」の類語にはどのようなものがある?
「卑下」の使い方についてのご紹介でした。続けてご紹介するのは、「卑下」の類語です。類語を覚えておくことで、状況に合わせて使い分けることができますよ。
1:卑屈
「卑屈」は、「ひくつ」と読みます。意味は、「いじけて自分を卑しめる」。「卑下」が「本当に自分が劣っていると感じていない状況」に使うのに対して、卑屈は「自分に価値はない、といじけてさげすむこと」を指しています。
2:謙遜
「謙遜」の意味は、「控えめでつつましい態度をとること」「へりくだること」。「卑下」も「謙遜」も「相手を上げるために控えめな態度をとる」という点があります。「卑下」の場合は、それに加えて自分の価値を下げる発言を含みますよ。
3:自虐
「自虐」は、「自らを必要以上に責め立てること」「自分で自分のことをいじめること」を指す言葉です。「卑下」には「へりくだる」という意味が含まれますが、「自虐」はただ自分のことを低く見ることを指しています。
「卑下」の対義語にはどのようなものがある?
続けて、「卑下」の対義語についてのご紹介です。
1:自負
「自負」の意味は、「自分の能力や仕事などに自信やほこりを持つこと」。自分の才能や仕事に対して自信を持ち、誇らしく思うことを表していますよ。
2:自慢
「自慢」は、「自分で自分に関することを、相手に誇らしげに褒めること」を指しています。自分の功績に対して誇らしげな様子や、得意げな態度をしているときに使われる言葉です。
3:誇示
「誇示」は「こじ」と読みます。意味は、「誇らしげに見せびらかすこと」。自分の功績や能力などを誇りに思って、周囲に自慢する様子を表現する言葉です。
「卑下」の英語表現とは?
「卑下」を表現するのによく使われる表現は、「belittle myself」です。「belittle」には「小さく見せる」、「myself」には「自分自身で、自分自身を」という意味があります。形容詞として「卑下」を使いたい場合には「謙虚」という意味を持つ「humble」が使われることも多いですよ。
最後に
「卑下」についてのご紹介でした。いかがだったでしょうか? 「卑下」は、「自分自身を低く見て、へりくだる」という意味を持つ言葉です。一見すると相手を持ち上げるいい言葉に思うかもしれませんが、あまり自身を卑下しすぎていると、周りから良い印象は持たれませんので、注意しましょう。
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