お金が貯まらない、浪費グセをなおすにはどうしたらいい?
「お金が貯まらないんです…」と相談に来られる比較的若い夫婦の中に、高収入世帯の方がおられることは、意外と珍しくありません。
世帯収入が多いからといって、家計を上手にコントロールできているとは限らないのです。
◆「クセ」を払い落すには、変えたい自分とまず向き合って
20代で大台、いわゆる年収1,000万円の収入を得た人やその世帯は、30代40代以降、それまでの所得累計が多いにも関わらず、総資産が少ないというケースがあります。これはおそらく、若い時期に身についた「浪費グセ」が関係しているのだろう、と筆者は考えます。
お金に限らず、身に付いた習慣を変えるというのは、容易なことではありません。例えば日常で使う口癖や、呼びかけに対する反応など、無意識のうちに形成された行動や思考は、誰にでもあるはずです。同じように「お金に対しての考え方や対処」が、みなそれぞれ違っていて、それらを「変える」という事が、自力では難しいのだと思います。
本気で無駄遣いをやめようと思うのであれば、「その場の感情に支配されている自分」に向き合わなければなりません。「無駄遣い」と言うからには、それそのものが必要不可欠な消費ではないという、つまり浪費だ、ということは理解されているのです。
その理解力があれば、「好ましい姿ではない自分と向き合うこと」もできるはずです。
◆向き合う その1:リスト作り
まず「要らなかったリスト」を作りましょう。「同じ柄の服、同じパターンの鞄や靴」のような「今買わなくても良かった消費」を、自分がどの程度しているのか、その種類と金額を書き出してみましょう。
モノだけではありません。趣味や付き合いで発生する交際費なども、大きな支出です。「本当に必要な交際か」「心から楽しんでいる趣味か」ひとつずつ、丁寧に考えてみましょう。
ひと月にかかっているそれらリストの合計額が、「無駄」から「将来への蓄え」になります。12で掛ければ、年間の貯蓄額になります。
このように、「なんとなく気づいている、思っていた」ことを書き出してみると、自身を俯瞰することができます。
実にシンプルな作業ですが、頭の中で考えを巡らせるより、書いて、見て、五感を使って自分と向き合ってみることをおススメします。
◆向き合う その2:夫婦間で共有する
世帯単位で資産を増やしたいのであれば、夫婦が状況を共有することはとても大事なことです。片方だけが頑張って片方が奔放にしていては、お金が貯まるかどうか以前に夫婦関係が破綻しかねませんよね。
定期的に振り返って、確認をしてみましょう。批判するのではなく、変化に対してどうだったか、また工夫できるところは他にないか、などポジティブな会話で構成するように心がければ、家族というチームのがんばりを、うれしく思えるでしょう。
資産運用に関しては、問題を先送りしていいことは何一つありません。
思い立ったが吉日! なりたい自分に近づくのは、意識の改革と日々の積み重ねですよ。
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佐々木FP事務所 代表 佐々木 愛子
ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種。
国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中心に500世帯以上と契約を結ぶ。
FPとして10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動中。