多様な働き方とライフキャリアを叶える! 8TOPICS
▲キャリアコンサルタント・岩橋ひかりさんにうかがいました1
Topic 1|5割以上の人が結婚・出産も含めたプライベートを仕事より重視するように
今回の感染症拡大前に比べて、「仕事」と「生活」のどちらを重視したいか、意識の変化は…
内閣府の調査によると、コロナ禍を経て「仕事への向き合い方の意識が変化した」という30代が60%以上。中でも、生活を重視するようになったという人が多い。
「通勤時間がなくなったことで時間のゆとりが生まれ、仕事以外に目を向ける余裕が生まれたのでは。キャリアコンサルを行った既婚の方からは〝それまで夫婦すれ違いの生活だったけれど、一緒に過ごす時間が増えて絆が強くなった〟といった声も聞きました」(岩橋ひかりさん)
Topic 2|働く女性の28%が副業への関心UP! ひとつの会社に依存しない生き方が今後の主流に!?
※トレンダーズ運営の女性向けパラレルキャリア支援サービスParanavi「新型コロナウイルス感染拡大に伴う働き方の変化についての意識・実態調査」より
政府が〝副業容認〟の指針を発表した2年ほど前から高まっていた副業への関心が、ここにきて一気に加速。
「ボーナスが減額されるなど、大企業でも安泰ではないと痛感する体験をして、〝一社で着々とキャリアアップしていく〟というより、複数の収入の柱をもってリスク分散したいという人が増えています。プロジェクト単位で副業をする人も」(岩橋さん)
Topic 3|政府も副業・フリーランスの働き方整備を後押し
労働基準法では、企業が社員の本業・副業の労働時間を通算管理する必要があり、これまでは「副業の労働時間の把握が難しい」と副業解禁に二の足を踏んでいた企業も。
それに対して今年7月に行われた政府の「未来投資会議」では、副業の労務管理ルールを整備し、副業を解禁しやすくなる素案を発表。また、コロナ禍で仕事のキャンセルが続発したフリーランスに対して、契約書の交付などを盛り込んだ指針も年内に定められる見通し。
Topic 4|結婚への関心が高まった人は約3割
「ひとり暮らしで外出自粛期間が心細かった」という声も少なくなく、結婚への関心は急上昇。関心が低下した人を大幅に上回る。
「やみくもに婚活するのではなく、自分の生きたい未来を先に思い描き、そこにハマるパートナーを探すほうが結婚の満足度も上がります」(岩橋さん)
Topic 5|恋愛・結婚相手との〝価値観の一致〟をさらに重視するようになった人が増加。コロナ禍の過ごし方がパートナー選びの指標にも
「外出自粛期間中、既婚者からは〝外出や衛生に対する感覚が夫婦間で違いストレスに〟という声が。飲食店で、男性に手の消毒を促している女性も見かけました。これからパートナーを探す人は〝自粛期間はどう過ごしてた?〟と尋ねるのも、ひとつの指標になるかもしれません」(岩橋さん)
Topic 6|「企業が社員を守る」時代は本当に終わり! 社員に求められるのは挑戦・向上心・自立
「10年ほど前から、多くの企業が社員に求める上記3条件は変わっていません。でも、今回ある企業の人事担当者に聞いたところ、改めて〝もはや会社は社員の雇用を守り切れない時代。個々の社員がどうしたいか、主体的に考えてほしい〟と。会社に依存する人はいらない、というのが本音のようです」(岩橋さん)
Topic 7|テレワークの普及で単身赴任を廃止する企業も。私生活の選択肢が広がりつつある
オフィスで働く社員約800人に無期限のテレワークを決めたカルビーは、「業務に支障がなければ、単身赴任を解除して家族と同居できるようにする」と発表。富士通もテレワークと出張で対応し、単身赴任を取りやめる方針に。
「他企業も追随すれば、パートナーの転勤で自分のキャリアをあきらめたり、家事・育児との両立に孤軍奮闘したりするリスクが今後は減らせそうです」(岩橋さん)
Topic 8|将来的な育児との両立も、より現実的に思い描けるように
「テレワークで通勤時間がカットできれば、保育園の送迎や病気のときの対応も、少しはラクになりそう」と期待を寄せるOggi読者は少なくない。
「仕事を辞めようか迷っていたワーキングマザーが、コロナで在宅勤務に切り替わり退職を思いとどまったケースもあります」(岩橋さん)
2020年Oggi10月号「今こそ見直してみよう! 働く私たちの『未来予想図』」より
イラスト/別府麻衣 取材・文/石井広子 構成/佐々木 恵・酒井亜希子・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部