河本清順さんってどんな人?
広島県の東部に位置する港町・尾道市。人口約14万人のこの市は、古くから“映画の街”として知られ、小津安二郎監督の『東京物語』や大林宣彦監督による「尾道三部作」など、数々の映画の舞台となってきた。
しかし、全盛期には11あった市内の映画館は時代の流れとともにその数を減らし、約20年前、とうとう全ての映画館が姿を消した。
そんな尾道に、映画館を復活させた立役者が、今回ご紹介する河本清順(かわもとせいじゅん)さん。河本さんが支配人を務める「シネマ尾道」は、112席のスクリーンで1日4~5本を上映。365日、一日も休まず映画を届けている。
−−「シネマ尾道」支配人になった理由とは?
尾道市に生まれ、幼い頃から映画を見て育った河本さん。「映画監督の鈴木清順さんと同じ名前をおじいちゃんが付けてくれて。そのおじいちゃんに映画を見に連れていってもらい、映画の情操教育を受けた」という。
しかし2001年、尾道市内にあった最後の映画館が閉館。このとき24歳だった彼女は「映画の街に映画館がないのは寂しい」と、一念発起し、尾道での映画館復活に奔走。2700万円に上る建設費を集め、2008年に「シネマ尾道」をオープンさせた。
河本清順さんの「7つのルール」
さて、そんな彼女が「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1. 予告編は5分まで
一般的な劇場では、予告編は10~15分。しかし、河本さんは5分までに収めると決めている。お客さんが疲れないようにするための配慮。
■2. 上映スケジュールは手渡しで届ける
「シネマ尾道」では、毎月の上映スケジュールを街中の商店などに配布。その際、市場調査も兼ねているため、郵送ではなく手渡しで届ける。
■3. 冒頭5分で引き込まれなければ上映しない
「シネマ尾道」で上映するかどうかは、冒頭の5分で決定。冒頭で引き込まれなければ、お客様も絶対に引き込まれないと考えているから。
■4. 毎日夫と乾杯する
仕事の後は、夫と2人でお酒を飲むのがお決まり。うまくいかなかったときでも、このひとときのおかげで頑張れるのだとか。
■5. 映画人には尾道の美味しいものを食べてもらう
撮影や舞台挨拶などで映画関係者が尾道に訪れると、彼女は決まって地元のグルメを案内。尾道の魅力を知ってもらいたいから。
■6. 気合を入れる日は前髪を切る
イベントの前日など気合を入れるときは、前髪を切るのがルール。多くの人の目に晒されるので、前髪から整えるそう。
■7. 挫けそうなときはゴダールの台詞を思い出す
コロナの影響で依然として苦境が続くなか、挫けそうになることも。そんなときは、ジャン・リュック・ゴダール監督の「女と男のいる舗道」の台詞を思い出して自分を奮い立たせる。そして辛いときでも、明日への活力となるような映画を尾道の人に届けたいという。
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次回の「7ルール」の放送は、10月6日(火)よる11時00分~。主人公は、フリーで活動する異色のお笑いコンビ「ラランド」サーヤさん。
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