女優・多部未華子さん、主演映画『空に住む』で得た気持ちの変化｜公開記念インタビューVol.3

最新映画『空に住む』主演の女優・多部未華子さんにインタビュー。映画の内容を振り返りながら、さまざまな役柄を演じてきた多部さんの素顔に迫ります。映画『空に住む』公開記念特別インタビューVol.3。

最新映画『空に住む』を通して感じた気持ちの変化

13歳でスカウトされて女優デビュー。主演ドラマ・映画はこれまでに20本近く。その思い入れや楽しさは、経験を重ねるとともに、少しずつ変化してきたといいます。今回は、ドラマや映画に対する心構えをお届けします。

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◆自分の解釈の答え合わせはしなくてもいい

多部さん「仕事をしていて面白いと思うのは、さまざまなジャンルのプロが集結して、作品をよくしよう、輝かせようと頑張っている空間にいられること。仕事となると自分の感情さえも抑えぎみになるけれど、思いをひとつにして進む空気感はとても幸せなものです。

その中で、私は作品を通してメッセージを伝える役目です。ドラマやCMなどでは、わかりやすくダイレクトに伝えることを考えます。一方で、約2時間にわたる1本の映画の中では、それだけではありません。特にこの映画『空に住む』は、すぐにはわからない哲学的な言葉や抽象的な言い方もあります。あとから、あれはどういう意味だったのか… と思い返すこともあります。でも、それが映画の面白さでもあるのかもしれません。

何が言いたかったんだろう。どんな意味をもっていたのか。答えが出なくてもいいんです。理解できないことがあっても、自分なりに解釈して、それが正解かどうかの答え合わせも、特にしなくていい。あとからわかってくることもあるし、ふわっとしたままっていうのも、案外悪くない。『空に住む』はそんなふうに思わせてくる映画です」

◆長い休みがいいリセット時間になりました

多部さんが新たな感覚を得ることができたという最新映画『空に住む』の撮影は、今からちょうど1年半前。その時点から変化の大きかった世の中と自身の暮らしを振り返ると——。

「家にいる時間が多くなって、どうなるのかと思ったけれど…。意外と大丈夫。出かけることがなくなって、ゆっくり自分を見つめる時間ができて、それも苦ではないことがわかりました。信頼しあっている間柄なら、会わなくてもきちんと気持ちは繋がっているし、いざというときに助け合えるんです。

2ヶ月以上も仕事をしなかったのは初めてですし、再開したときに上手く仕事に戻れるのか、心配はありました。けれど、休み期間にリセットされて、気持ちも浄化され、むしろ前向きに仕事に臨むことができました。

『空に住む』で共演していた大森南朋さんと、最近までドラマ『私の家政夫ナギサさん』で一緒だったのですが、実はドラマで再会したときの私たちはふたりとも、『えっと、はじめまして… でしたっけ？』となってしまって(笑)。悪く言えば忘れっぽいけど、良く言えば切り替えが早い。それが私です」（終わり）

【多部さん着用アイテム】
トップス￥39,000（UNIT＆GUEST〈BY MALENE BIRGER〉）、スカート￥36,000（UNIT＆GUEST〈BAUM UND PFERDGARTEN〉）、右中指リング￥78,000・左人差し指￥78,000（共にtalkative〈talkative〉）

【問い合わせ先】
UNIT＆GUEST　TEL：03-5725-1160
talkative　TEL：03-6416-0559

撮影／田中麻以　スタイリスト／岡村春輝　ヘアメイク／渡辺真由美（GON.）　構成／南ゆかり