30代を迎えた女優・多部未華子さんの仕事術｜映画『空に住む』公開記念インタビューVol.2

最新映画『空に住む』主演の女優・多部未華子さんにインタビュー。映画の内容を振り返りながら、さまざまな役柄を演じてきた多部さんの素顔に迫ります。映画『空に住む』公開記念特別インタビューVol.2。

自信のなさや不安は、時間が解決してくれる

13歳でスカウトされたのを機に女優の道へ。Oggi同年代女子のリアルなお仕事ドラマの主人公として、今では欠かせない存在となった多部さん。30代を迎えての仕事との向き合い方を聞きました。

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◆20代は漠然とした不安やモヤモヤの時期でした

多部さん「年齢を気にするわけではないけれど、私もみなさんと同じように“30代を迎える”ということは、どこかで意識して過ごしていたと思います。その中で迎えた、20代最後の年、ミュージカルに改めて挑戦しました。それまでなら、お話をいただいても「無理無理！」って思っていたのに、やるなら今しかないと思えたのです。やってみて…、もちろん大変なことは多かったけれど、何より楽しいと思えたことが発見でした。

思えば20代は、ただ漠然とした不安やモヤモヤを抱えていることが多かった気がします。27〜28歳くらいはそのピークで、仕事もプライベートも、これでいいんだろうか？と自問自答して。答えなんてないのに、あの時間は一体なんだったんでしょうね(笑)

もし今、なんとなく自信のなさや不安を感じている人には、時が過ぎれば解決しますよと、伝えたい。先輩方が『年齢を重ねると楽になる』とよく言っていたけれど、本当にそうでした。やりたいことがあるなら、なんでもいいから飛び込んでみて。失敗してもやり直せないことなんてないし、そうやって動くことが、モヤモヤを晴らしてくれるものですから」

◆仕事場では、ひとりでいたいタイプです

答えのない不安や悩みがなくなると、目の前にある「やるべきこと、やりたいことがはっきりしてくる」という発見もあったという多部さん。

多部さん「もともと好奇心が強くて、あれもしたいこれもしたい、あの人にも会いたいしあそこにも行ってみたい… と、時間を見つけては予定を入れていくタイプでした。けれど、自粛期間を経てみれば、人と会わずに過ごす時間も案外心地よいことがわかりました。そして、あれもこれも、ではなくて、ひとつひとつの仕事、ひとつの作品に対して、丁寧に、真摯に向き合っていこうと、いっそう思うようになりました。

すでにお話したように、私は友人といるときはものすごくしゃべるし、なんでも打ち明けます。けれど仕事場では、とにかく目の前のことに集中して、どちらかといえばひとりでいたいタイプです。口数もぐっと少なくなります。

学生時代からの心を許せる仲間といるときの自分、仕事場で黙々と仕事に向かう自分。どちらも私で、意識をしなくてもスイッチは切り替わります。俳優さんの中には、私生活でも役を引きずってしまう方もいるけれど、私にはそれがないんです。だから正直言うと、オン・オフの切り替えができないと言う人の気持ちが理解しにくいのですが…。でも… そうか、この世の中、自分が理解できない人のほうが多いと思えば、それも悩むことではないのかも(笑)」（続く）

Vol.3では、多部さん流の人づきあいを聞きます！

【多部さん着用アイテム】
トップス￥39,000（UNIT＆GUEST〈BY MALENE BIRGER〉）、スカート￥36,000（UNIT＆GUEST〈BAUM UND PFERDGARTEN〉）、右中指リング￥78,000・左人差し指￥78,000（共にtalkative〈talkative〉）

【問い合わせ先】
UNIT＆GUEST　TEL：03-5725-1160
talkative　TEL：03-6416-0559

撮影／田中麻以　スタイリスト／岡村春輝　ヘアメイク／渡辺真由美（GON.）　構成／南ゆかり