朝ドラ『ブラッサム』1週間の見どころと感想をレポ
みなさん、朝ドラ『ブラッサム』ご覧になられていますか? ヒロイン・葉野珠(はの たま)を演じるのは石橋静河さん。激動の明治・大正・昭和を駆け抜けた作家・宇野千代さんをモデルに、苦難のなかで恋と創作に突き進む女性の人生を描きます。
朝ドラ大好きOggiチームきってのNHK「連続テレビ小説」ウォッチャー、ライター・朝 ドラ子が、毎週グッときたポイントを自由きままに語りたいと思います!
第3週『化粧と、初恋』を振り返ります
珠は女学校を卒業し、小学校の教員になりました。暴君だった父・清治の退場でどことなく穏やかな空気になった葉野家。通勤する珠の足取りも軽いです。今週から清治にハラハラさせられることもないのか〜と思ったのも束の間、今度は同僚の先生方の感じの悪さに朝からイラッとさせられますね…。珠が女学校を出たばかりだからでしょうか、どこか軽んじるような態度で、上から目線というか。さらには勉強が苦手な子供に時間を割くのは無駄、と苦言を呈され、珠のモヤモヤも募っていきます。

社会人1年目のモヤモヤを晴らすのは…
そんななか、幼馴染の梅が結婚。親が決めた縁談に納得しつつも、「自由恋愛」への淡い憧れ(そして諦め)をこぼした梅。さらに、女学校の同期・忍は自分の「生き方」を追求するために東京へ。こうした周囲の変化も、珠の気持ちに静かに波紋を起こしている様子。
募るモヤモヤを断つために珠が選んだのが、お化粧。そうすることで「何か変われる気がしたのです」と珠のモノローグ。うんうん、メイクって働く女性の武装だよね、わかる。この「とりあえずやってみよ」的なフッ軽さが、きっと珠らしさなんだろうな。モヤモヤしたらまずは動く、それが珠。
けれど出勤早々、教頭先生からは「浮かれてる」「男に媚びるためにしよるんでしょう?」と全否定されてしまい…。おいおいどういう偏見だよ!?と思いつつ、この時代にはそういう感覚もままあったのでしょうね。
そんな珠を助けてくれたのが、広島帰りの新任教師・島村です。「広島じゃ普通のことですよ」と言われてしぶしぶ(?)引き下がる教頭。珠の弁解は聞く耳持たないのに、島村の言うことは聞くんかい! まあとはいえ、珠を助けてくれてありがとう島村。演じるのは工藤阿須加さん。この島村がね、見るからに物腰柔らかで真面目そうで、爽やかな男なんですよ〜。
初恋は甘酸っぱい思い出? それとも黒歴史?
そりゃもうね、珠が恋に落ちるのはあっという間でした。ふんわりした照明、ファンシーなBGM、突然のドアップなどなど、島村に惹かれていく珠の演出がいちいち少女漫画っぽくてちょっと笑ってしまう(笑)。家族と会話していても何かにつけて島村、島村、珠ってば完全に恋する乙女です。今後も発揮していくであろう、恋愛体質を遺憾無く見せてくれますね〜。
風邪をひいた島村を看病したことがきっかけとなり(ここでもフッ軽!)、ふたりはさらに急接近。ついには、朝帰りまで!? 職場に島村がいると思えば、不思議と毎日が充実した気持ちになる珠。もともと前向きに取り組んでいた仕事も、手応えを感じることが増えてくるではないですか。これも恋のパワーなの? でもさ、序盤からいいとこばっかり見せられると「この男、怪しい」と思ってしまうのが朝ドラウォッチャーのサガというものです。珠の浮かれっぷりも相まってだんだん嫌な予感がしてくるわけですが、案の定。
珠が島村の家を訪ねて「あいびき」をしているという噂が小学校まで届き、「ふしだら」だと糾弾された珠は、問答無用で謹慎からのサイレント解雇! しかし島村はお咎めなし。なんでやねん。職場を追われ失意の珠は、それでも最後に島村と顔をあわせて話がしたい、と彼の家を訪ねるものの…。「あなたとの関係は間違いでした」「あんたのことはなんとも思っとらん。帰れ!」自分の保身を選んだのでしょう、冷たく言い放つ島村…。なおこのときの、珠とまっっったく視線を合わさない目の動きがめちゃリアルで工藤阿須加さんのお芝居、すばらしいです! 「取りつく島もない」表情とはまさにこれでしたね。島村だけに。
とうとう珠を突き飛ばし、「正気じゃない」と逃げていく島村。さすがに珠もすべてを悟り、ガックリとしゃがみこむのでした。今週ラストシーン、顔をクシャクシャにして泣きながら「春がきた」を歌ってトボトボ帰る珠の表情も圧巻! 今週冒頭の、足取り軽く通勤する珠のシーンと対になっていて、なんかもう初恋の「天国と地獄」がぎっしり詰まった一週間となりました…。
島村の「豹変」について考える
いや〜バッドエンドを予感していたとはいえ、島村の豹変っぷりにはびっくりしましたね。結局彼はもともと「いい人」を装っていただけのクズ男だったのか、それとも職場で大事になってビビっちゃったのか、どっちなんだろう。ちょっと突っ込んだことを考えますと、結局ふたりがいわゆる「男女の仲」だったのか否かで見え方も変わってくる気がする。珠がウキウキ朝帰りする姿は描かれましたが、核心には触れずどちらとも取れるシナリオになっていました。
時代が時代なのでいくらなんでも…と思いつつ、島村のあの激しい拒絶を見ると「それなりの関係だっただろ!」とドラ子は疑わずにいられない(個人の感想です)。だとしたらひどすぎる。あるいは、これまでの物腰やわらかな島村は全部恋する珠のフィルターを通した姿だったのかもしれないですね。島村自身が変わったのではなくて、珠に見えていなかった姿が浮き彫りになった、というか。
そんなこんなで、珠の初恋はあえなく幕を閉じたのでした。仕事まで失うなんて、つらすぎるな…。島村に会いたい→自宅を訪ねよう!という珠の行動はやっぱり「フッ軽」でそのまっすぐさが魅力なんだけれど、そうやって自分の思いに正直に動いても、相手が同じように向き合ってくれるとは限らないのですね。彼女のこの人間性が、今後もいろいろなところで明暗を分けていきそうです。
まっすぐな珠の次の一歩は? 次週は「岩国と、ともに」
父の死がひと区切りになって、珠が創作に打ち込む日々が始まるのかな〜と思っていたのですが、それはもう少し先のお話のようです。本家からの支援が絶たれた今、まずは働いて家計を支えないとですもんね。職を失った珠、これからどうなってしまうのでしょう。「はのたま先生」と子供達にも慕われていたから、よけい悲しい。そして次週サブタイトルは「岩国と、ともに」。珠、東京へ向かう予感?
「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子
NHK「連続テレビ小説」(通称・朝ドラ)をこよなく愛するアラフォー。毎日退勤後にNHK ONEでじっくり観るのが日課。会議でのアツい朝ドラコメントが「天才的なウォッチャー」と編集長に認められ、この連載を開始。歴代ナンバーワン朝ドラは『スカーレット』(2019年度後期放送)。『ひよっこ』再放送にも毎日ワクワク!



