等身大のお仕事ドラマのヒロイン、その素顔は…
多部未華子さんがさまざまなドラマや映画で演じるアラサー女子の姿には、「そうそう!」「わかるー」と大きく共感するポイントがたくさん。最新映画『空に住む』で演じるのは、小さな出版社で働く28歳の小早川直実。ここで描かれる、心にぽっかりと空いた穴、見えにくい将来への不安は、今回の共感ポイントになりそうです。
両親の急死という出来事を受け止めきれないまま、大都会を見下ろすタワーマンションの高層階でひとり暮らしを始める直実。悲しいのに泣きたいときに素直に泣けない。スター俳優との恋に溺れても現実味がわかない…。感情のアウトプットができない自分への焦燥感が、静かに描かれています。
それを演じる多部さんはというと、現実はそれと少々異なるようで——。
◆ストレス解消法は「友人に話すこと!」
多部さん「何かを失ったとき、悲しいことがあったとき、私の場合ひとりで抱え込むことはありません。悩んだときも同じで、すぐに友人に相談します。昔からそうですが、仲のいい友達と話していると、いろんな意見が出てきて、その中に自分にとって次のヒントが見つかるのです。
それに、友人ならどんなことがあっても否定はしないでくれるので、これでよかったんだと自分で納得もできる。反対に、うれしいことがあったときも、自分だけのものにしないで、人に話して共有します。それが、私のいちばんのストレス解消法かもしれません。
そもそも、仕事で悩んだりゆきづまったり、ということは少ないです。多少つらいと思っても、終わらない仕事はないですし、数ヶ月すればまた違う仕事が始まります。だから、悩んでも仕方ない!(笑)。オフィスで働く場合はそうはいかないのかもしれないけれど、「仕事は仕事」って割り切ってみたらどうでしょう。
目の前にやるべきことがあるのに、悩みに押しつぶされてしまうのは、もったいない。そして、もし実際にすごく悲しいことやつらいことがあったときは、「仕事があってよかった」と思える。それくらいのバランスが、私にとってはちょうどいいみたいです」
◆地に足のついた暮らしが大切
映画『空に住む』での直実と愛猫との生活、スター俳優との恋愛は、周囲にしてみれば憧れの対象。でも、そこで暮らす本人の空虚な気持ちは、側からはわからないもの。暮らしの理想形もまた、人それぞれ。では、多部さんが描く理想的な暮らしとは、なんでしょうか。
多部さん「都会の暮らしはいいけれど、やっぱり地に足がついた、安定を感じられるところに住むのが、私にとっては理想です。そして何より、友人をはじめいつでも話せる人が周囲にいて、気兼ねなく日常を分かち合えることが大切。
私は(直実のように)常に部屋に花を飾るタイプではないし、ありあわせの材料で手早く料理をつくれるほど器用でもありません。それから、仕事が忙しいと部屋も汚くなってしまう。忙しさと散らかり具合は、どうやら比例しているみたいです。極端な性格なので、片付けるときは1日かけて隅から隅まで徹底的にきれいにするタイプです。ちょうど今は、家の中がきれいなタイミングかな(笑)」(続く)
Vol.2では、30代の多部さんのお仕事観に迫ります。
【多部さん着用アイテム】
トップス¥39,000(UNIT&GUEST〈BY MALENE BIRGER〉)、スカート¥36,000(UNIT&GUEST〈BAUM UND PFERDGARTEN〉)、右中指リング¥78,000・左人差し指¥78,000(共にtalkative〈talkative〉)
【問い合わせ先】
UNIT&GUEST TEL:03-5725-1160
talkative TEL:03-6416-0559
撮影/田中麻以 スタイリスト/岡村春輝 ヘアメイク/渡辺真由美(GON.) 構成/南 ゆかり
◆多部未華子さん主演の最新映画『空に住む』
2020年10月23日全国ロードショー
両親との突然の死別をきっかけに、人見知りな愛猫のハルと都心の高層マンションに住むことになった28歳の小早川直実(多部未華子)。郊外の古民家をオフィスとする小さな出版社で書籍編集者として働いている。
ある日、マンションのエレベーターで一緒になった大スター・時戸森則(岩田剛典)に「オムライス作れる?」と聞かれ、彼を部屋に招き入れる。実らぬ恋の行方、愛猫ハルの死、仕事への焦り…。喪失や孤独を超えて、直実が下した大きな決断とは?
出演/多部未華子 岸井ゆきの 美村里江 岩田剛典
監督・脚本/青山真治 脚本/池田千尋
主題歌:三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE『空に住む〜Living in your sky〜』(rhythm zone)
2020年10月23日全国ロードショー
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