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2020.10.07

おしゃれが好き! ファッションが好き! ならば実践すべきサーキュラー・エコノミーって?

衣替えの季節です。断捨離や整理するけれど、その服たちをどうしていますか? 今週は衣替えの前に知ってほしい、衣料品のリサイクル事情とサーキュラー・エコノミーについて紹介します。ファッションが好きだからこそ、環境や地球の未来も意識して。衣替えをサステナブルなアクションにしましょう!! <コンサルティング会社 ブルーム&グロー代表・大島文子による仕事術コラム>

大島文子 BLOOM&GROW INC 代表取締役/ブランディングコーチ

衣替えの季節に、地球のことを考えるサーキュラー・エコノミーってなに?

10月に入り、めっきり秋らしくなって来ました。今週末あたりしっかり秋冬物に衣替え… と計画している人も多いのでは?

かく言う私もその一人。クローゼットの中を見渡すと、既に着なくなった服、買ったけど結局あまりそでを通さなかったワンピース、着倒したTシャツなどなど… 断捨離すべきモノが出てくる出てくる(;∀;)。

断捨離は大切だと思うし、狭いクローゼットをきれいに効率的に整えるのは気持ちいい。でも断捨離で手放す服を皆さんどうしてますか?

◆サーキュラー・エコノミーってなに?

実はファッションは、世界で2番目に環境を汚染し、大量の水を消費する産業と言われています。

衣服の製造工程において、水、エネルギー、化学物質などの資源が大量に使われ、大量の二酸化炭素を排出しているのです。また、世界全体ではまだ着られる服が大量に捨てられ、ほとんどの服が7回から10回程度しか着られず、焼却または埋め立て処分されているそう…。

この9月に発行された「サーキュラー・エコノミー:企業がやるべきSDGs実践の書」(中石和良著/ポプラ新書)では「国連環境計画の試算によると、世界で排出されるCO2のうち10%はファッション産業が排出しています。これは国際線の航空機と海上運送の船が出すCO2を足した量より多いのです。しかも、このままだと2050年までに26%をファッション産業が排出することになると、エレン・マッカーサー財団は指摘しています」と警告を鳴らしています。

*サーキュラー・エコノミーとは=持続可能な社会を実現するための経済システムと経済活動に関する、発展的かつ革新的な産業モデル。資源や製品を経済活動の様々な段階(生産・消費・廃棄など)で循環させることで、資源やエネルギーの消費や廃棄物発生を無くしながら、かつその循環の中で付加価値を生み出すことによって、経済成長と環境負荷低減を両立するための国際的かつ協調的取り組みです。(一般社団法人 サーキュラーエコノミー・ジャパン公式サイトより抜粋)

私たち消費者の立場では、消費や廃棄の段階でいかにして再生可能なアクションを起こし、物を捨てない、ゴミにして燃やさない生活ができるかが問われています。本著ではファッション産業はもちろん、さまざまな産業におけるグローバル企業のサーキュラー・エコノミーの取り組みをわかりやすく紹介。ファッションビジネスに長く関わる一人として、私自身の仕事についても多くを学んだ一冊です。

Oggi.jp読者の皆さんの、お仕事にも暮らしにも大切な視点としてご紹介します。

◆サーキュラー・エコノミーの視点から、「衣替え」を考える

この下の図は、サーキュラー・エコノミーの概念として「再生可能資源」と「枯渇性資源」の循環を表したもの。円が内側になるほど余分なエネルギーを使わずに資源が循環し、真下へと直線で描かれているのが燃やして、埋め立てて終わる従来型の産業・消費行動です。

▲一般社団法人 サーキュラーエコノミー・ジャパン公式サイトより

衣料品の循環について具体例をもとに、円の内側から説明すると、

1. リフォームする。リメイクする。身近な人とシェアする。
2. メルカリや古着屋などに売る。必要とする人・場所に寄付する。
3. メーカーやリサイクル業者が素材毎に分解して再利用する。
4. 素材を原材料に戻し、その原材料で再度製品を作る。

となります。この円が外側に行くほど、配送や工場などで使う燃料等が多く必要になっていきます。

[3]から先は再生できる素材、再利用できる作り方などすべてを循環可能にするには多くの課題があることも事実。現在、世界中のファッション産業に関わる人たちが、再生可能素材・土に帰る素材・無駄な素材ゴミを出さない生産など、各々のサステナブルなモノ作りに向けて動き出しています。

◆衣替えを機会に考えてみた、サステナブルなアクション

(c)Shutterstock.com

素材再生の技術開発や、資源を循環して生かし続けるサーキュラー・エコノミーへの取り組みは始まったばかり。そしてこれらは、企業がいくら再生素材を開発してもそれを消費者が選ばなかったら先へはすすみません。素材がサステナブルでも、デザインや仕立てがステキでなかったら長く着ることも、何度も着ることもしないですよね。それがファッションビジネスの難しいところ。

結局は私たち消費者のアクション次第だと思います。

だからこそ、今、私たちが出来ること!! ぜひ意識してほしいサステナブルなアクションを以下にまとめます。

✔︎ 土に戻る天然素材や再生循環が可能な素材、再生素材を意識して選択する。
✔︎ 長く使用できるしっかりしたモノづくり、デザインを選ぶ。
✔︎ リメイクやリフォームのサービスを活用する(自分でできたらなお◎)
✔︎ 使わないものは再販や寄付をする。
✔︎ 最後の最後、一般ごみではなく、リサイクル回収にだす。

世界のラグジュアリーブランドやファストファッション企業が、本腰を入れて動き出している、未来の地球が持続可能な社会であり続ける為のアクション。私たちも身近に出来ることから、一緒に参加していきましょう。

<2020年の衣替えお役立ちサイト>
リフォーム&リメイク
フォルムアイ
パーソナルオーダー

古着回収
■各自治体の回収サイトをぜひチェックしてください。私の住む港区では常設の回収ボックスが設置されていて、リユースとリサイクルに仕分けして活用されているそうです。(東京都港区ホームページ「古着・使用済み蛍光灯を拠点回収しています」

Bringは服から服を作るロジェクト。賛同するブランドや企業の店頭で衣料品の回収を行っています。自社製品のみの回収から、衣料品ならOKのものまで。以下のマップでご確身近の回収拠点を確認できます。

大島文子 BLOOM&GROW INC 代表取締役/ブランディングコーチ

日本発ブランド及びセレクトショップのブランディングや広告宣伝・マーケティング担当に長らく従事。ファッション分野にとどまらずライフスタイル雑貨・ショップ等をプロデュースする。2016年、大人女子に素敵な時間を提供するブランド育成のための、ブランディング&プロモーションコンサルティング会社 (株)ブルーム&グローを設立。
宝塚歌劇とコスメ、美味しいモノが趣味。インスタグラムはこちら

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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