「辞任」と「辞職」の違いは? 会社を辞めるときに使う言葉
安倍元首相が辞任され、新たに菅首相が誕生しましたね! 安倍元首相は今回辞任されましたが、私たちが会社を辞めるときは辞任? それとも辞職? それでは確認していきましょう。
◆「辞任」と「辞職」の違いは職場を去るか否か
【辞任】とは「就いていた任務・職務を、自分から申し出て辞めること」をいいます。
【辞職】とは「今までついていた職を自分からやめること」をいいます。
つまりポスト・役職からおりることが“辞任”であるのに対し、その職業をやめることが“辞職”となります。辞職した場合には職場から去ることになりますが、辞任した場合には職場から去るとは限りません。
今回の安倍元首相についてみると、首相のポストを辞任しましたが、国会議員は辞職していないので、引き続き国会議員なんですよ。
◆自分が会社を辞めるときは?
それでは、会社を自ら辞める場合はなんというのが正解でしょうか? 自ら辞める場合には辞職に当たりそうですよね。実は会社の場合は、ある一定以上の役職(一般的には役員といわれています)についている人が会社を辞める場合に“辞職”と使います。
一定以上の役職についていない人が会社を辞める場合には“退職”を使います。
【退職】とは「勤めている職をやめること。現職をしりぞくこと」をいいます。辞職と異なり、自らその職をやめることだけでなく、定年退職などの自発的に職をやめる以外の場合も含みます。つまり、Oggi世代が転職などをする際に会社を辞める場合の多くは、“退職する”というのが正解なんですね。
ほかにも【退任】という言い方がありますが、これは任務や役職を辞めることを意味します。
辞任とは違い、退任は自らの意志や任期満了などの理由は問いません。ちなみに、退任祝いをするのは任期を満了した場合の退任のときなんですよ。
いかがでしたか? 似ている言葉である辞任と辞職の違いをわかっていただけたでしょうか? 「辞職」とニュースなどで耳にすることが多いので政治家などの公職に限って使われるような印象があるかもしれませんが、一般的な会社でも役員クラスが会社を辞める場合に使われます。
会社を自発的に辞める際のポストによって辞職と退職が使い分けられているってちょっとびっくりでしたよね!
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!