【目次】
・「かねてより」の意味とは?
・「かねてより」のビジネスでの使い方
・「かねてより」の使い方は? 例文でチェック
・「かねてより」の類語にはどのようなものがある?
・「かねてより」の英語表現とは?
・最後に
「かねてより」の意味とは?
ビジネスシーンでよく耳にする「かねてより」。日常生活でも、テレビのニュースや芸能人の結婚報道などで耳にする機会がありますね。しかし、いざビジネスシーンで使おうとすると間違った使い方をしてしまうことも。今回はビジネスシーンでも使える「かねてより」の意味や正しい使い方について、ご紹介させていただきます。
◆「かねてより」の意味
「かねてより」の意味は、「前もって」や「以前から」。「かねてより」の「かねて」には、「前に」「以前に」という意味があります。そこに、物事の起点を表す助詞である「より」を足すことで、「以前から」の「から」という部分を協調していますよ。
◆「かねてより」の使い方は?
「かねてより」は先述の通り、ビジネスシーンでも日常生活でもよく使われる言葉です。「かねてより」は、単体で使う言葉ではありません。「かねてより探していた」といったように、過去形の動詞と使うことが多いですよ。
「かねてより」のビジネスでの使い方
まずは「かねてより」の基本的な意味と使い方について、ご紹介しました。次に、ビジネスシーンで使う際の注意点をご紹介していきます。ビジネスシーンで「かねてより」を使いたいときは、参考にしてみてくださいね。
◆「かねてより」をビジネスで使うときの注意点
「かねてより」は、過去形の動詞と組み合わせて使うことの多い言葉です。そのため、ビジネスシーンで使う際には、敬語表現に置き換える必要があります。例えば、「かねてより会いたいと思っていた」と伝えたいときは、「かねてよりお会いしたいと思っていました」と言うようにしましょう。「かねてより」自体は、かしこまった場面でよく使われる言葉のため、覚えておくと便利ですよ。
◆「かねてより」は誤り?
ビジネスシーンでも使うことのできる「かねてより」ですが、実は誤用だという意見もあります。それは、「かねてより」が重複語になっていることが理由です。先述の通り、「かねてより」を構成する「かねて」と「より」には、どちらも「以前」というニュアンスが含まれています。重複語とは、同じ意味やニュアンスを持つ言葉を合わせて使用する言葉のこと。確かに、「かねてより」に当てはまりますね。
ただし、「かねてより」は平安時代から使用されている言葉のため、「歴史的に使われていて正しい」という意見もあります。そのため、「かねてより」は文法的に誤っている、と一概には言えません。しかしながら、「かねてより」は資料やメールなど、正式な表現の文章で使うのは避けるべきだと言われています。会話の中で使うときは「かねてより」、文章で使いたいときは「かねて」を使うようにしましょう。
◆「かねてより」を漢字で書くと? 兼ねてより? 予てより?
「かねてより」は、「兼ねてより」「予てより」と漢字で書くことができます。一体どちらの漢字で書くことが正しいのでしょうか? まず「兼ねてより」の「兼」には、「複数のものを合わせる」「前もって」という意味があります。それに対し、「予てより」の「予」の意味は、「前もって」「心地よくなる」。どちらも「前もって」という意味がありますね。ただし、一般的に漢字表記をしたいときは、「予てより」が使われることが多いです。
「兼ねてより」という表記があまり使われない理由は、「兼ねてより」のもうひとつの意味にあります。「兼ねて」という言葉を使うときは、「複数のものを合わせる」という意味で使われることが一般的。そのため、「兼ねてより」と表記すると、どちらの意味で使われているのかわかりにくくなってしまいます。これが、「兼ねてより」が一般的に使われない理由です。ただ、意味としては「予てより」も「兼ねてより」も、どちらを使っても正しい漢字表記ですよ。
「かねてより」の使い方は? 例文でチェック
「かねてより」の意味や使う上での注意点をご紹介しました。続いて、実際に「かねてより」を使った文章を具体的にご紹介していきます。
1:「かねてより興味のあった店を訪れてみた」
基本的な「かねてより」の使い方です。「かねてより」を使うことで、以前から興味を持っていたことを表現することができます。
2:「かねてよりご贔屓いただいておりました、松下様にお試しいただければと存じます」
ビジネスシーンで「かねてより」を使う際の表現です。他の敬語表現を組み合わせることにより、取引先など目上の方に対しても使うことができますよ。
3:「犬を飼うことは、私のかねてよりの夢でした」
「かねてより」は基本的に過去形の動詞と組み合わせて使いますが、このように「夢」や「願い」など、動詞以外に使うことも可能です。
「かねてより」の類語にはどのようなものがある?
「かねてより」の類語を知っておくことで、ビジネスシーンや日常生活など、様々な場面で有効活用できることができますよ。
1:かねてから
「かねてより」と同様に、「かねて」が使われている表現です。意味や使い方も同じですが、「かねてより」の方が、「かねてから」より昔から使われていますよ。
2:以前より
「かねてより」と同様に、「前もって」という意味を持つ言葉です。ただし、「以前より」は、「かねてから」よりも、「前から続けて行っている」という、継続性の強い言葉になります。また、「かねてより」と比べて柔らかい表現になるため、様々な場面で使うことができますね。
3:あらかじめ
「あらかじめ」は、「予め」と書きます。「予てより」と同じ漢字ですね。意味は、「将来のために先立って物事を行うこと」。ビジネスシーンで、「予めご了承ください」といった使い方をしますよ。「あらかじめ」は、「かねてより」の言い換えとして使うことはできないため、注意しましょう。
「かねてより」の英語表現とは?
「かねてより」の英語表現では、現在完了「have」と期間を表す「for」を使った表現することが多いです。期間は、「しばらくの間」という意味を持つ「for some time」や、「長い間」という意味を持つ「for a long time」などが使われますよ。また、「かねてより」には、「以前より」といった意味があります。そこから、現在完了「have」に「always」を合わせた、「以前より」という英語表現が使われることもありますよ。
最後に
「かねてより」についてのご紹介でした。いかがだったでしょうか? 「かねてより」はビジネスシーンでも日常生活でも使うことのできる言葉です。しっかり注意点を覚えて活用できるようにしましょう。
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