私達も関係ある!? 卒婚って何? 離婚とは別物?
テレビなどで見聞きするようになった「卒婚」。離婚との最大の違いは婚姻関係を解消するかしないか。夫婦・家族としての関係を解消する離婚に対し、同棲生活のみ解消し夫婦・家族関係を保った上でお互いに独立した生活を送ることを卒婚と呼ぶようです。
卒婚についてテレビでよく見るのは、熟年と呼ばれる層ではありませんか? 「熟年離婚」なんて言葉が流行したのも記憶に新しいですね。卒婚は離婚のはじまりというだけでなく、晩年に再会し共に生活をしていくパターンも多いのだとか。卒婚を経験したからこそ愛情が深まったというケースもあるようです。
そして、卒コンはベテラン夫婦だけの話ではありません。私の友人に話を聞いてみると、案外わたし達世代、30〜40代の夫婦もいたんです。卒婚を決めた30代女性からお話を聞いて来ました。
◆歳の差カップル30歳Nさんの「卒婚」
私とNさんとの出会いは4年ほど前。会社の飲み会で知り合いました。当時まだ彼女は独身。同じ世代・同じシングルガールとして私たちはすぐに仲良くなりました。彼女は18歳上の男性とつき合っていましたが、その方と結婚はしないだろうなと思っていました。
しかし2年が経った頃、「彼と結婚することになったの」とNさんから聞いた時は驚きました!! だって歳の差以外にも、彼は海外で生活・仕事をすることが希望で、Nさんは絶対日本を離れたくないとお互いに譲らなかったから。
彼女はそのひと回り以上離れた男性と無事結婚し、新婚当初は都内のNさんの実家近くに家を借りました。
「てっきり海外行きを諦めてくれたと思ってたら、その願望はずっと心にしまっていたみたいなの」Nさんは当時の様子を振り返ります。
「彼は結婚早々に海外出張が増えたと言って、よく東南アジアに出かけていたのね。それが何回か続いた後、『話しがある』と言って旦那から聞かされた内容にびっくり。『会社を作った』と言われ、結婚したばかりなのにもう離婚!? っていう頭をよぎってさ。私も彼のことは愛しているし本当は好きなように事業をやってほしいっていう気持ちもある」
彼は海外での生活や仕事を諦めきれず、18歳も年下の可愛い彼女Nさんを手放すことも絶対にできなかったようです。要はどちらも叶えたかったのだ。
Nさんは結婚を考えたいと話していたし、彼はNさんと別れた後は新しく将来を共にしたいと思える女性に会えるかもわからない。そう考え、彼は結婚を決意したそう。そして結婚後、彼は海外で会社を設立するために海外出張と嘘をつき、彼女との新婚生活を送っていたようです。
2人で話し合った結果、離婚はせずにお互い独立した生活を送るというまさに『卒婚』を選んだのです。結婚してからおよそ1年後の短い新婚生活でした。
新卒から務めていたNさんは結婚を機に専業主婦になったものの、運良く元の会社に再入社することができました。旦那様となった彼の稼ぎは元々多く、彼女の生活費には十分な手当てもあり正直働かなくても暮らしてゆける。しかし卒婚を決めたNさんにとって、自立した生活を送るために、社会復帰は必要不可欠だったようです。
「愛がなくなったわけじゃないんだ。両親への説得には時間がかかったけれど、愛情があったから理解してもらえてね。しかも普通の夫婦生活を送っていたらできなかったことにチャレンジもできているの。ウェブデザインの勉強をするために夜遅くまでスクールに通ってる。こんな風に一人を楽しめているのは、自分は人妻であるという安心感があるからなのかな」
Nさんはご主人に会うために、半年に一度、旅行を兼ねて海外に行くそう。それで十分だと笑顔で話してくれました。
いかがでしたか? 「卒婚」のイメージが変わったのではないでしょうか。周囲の理解や納得を得るには多くのハードルがあるかもしれませんが、より充実した個人の人生を送るため「卒婚」を選択することを考えてもよさそう。私たち世代にこのような「卒婚」の考え方が広がっていったら、夫婦のかたちも変わっていくかもしれませんね。
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OLライター タケ子
恋愛コラムや指南書を読み漁り、婚活の糧にしているOLライター。スイーツや食にも興味あり♪