自然妊娠したいけれどAMHが低い… 治療法はある?【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、夫婦で受けた妊娠のための基礎検査の結果をお話しました。今回は、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の内容や妊娠への影響についてお話しようと思います。
◆AMH(抗ミュラー管ホルモン)が低いってどういうこと?
聞きなれないアルファベットを並べられて、検査結果にキョトンとしてしまった私。
私「その、エー、エム、エイチ…? って、何ですか?」
医師「抗ミュラー管ホルモンですね。発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンの数字です。卵巣の中にこれから排卵にむけて発育する卵胞がどのくらいあるのかを知るための指標なんですが、1.77というと、奥様の31歳という年齢にしては、かなり低いです」
突然の言葉に、戸惑う私。どういうことなのか意味が分からず、思考が停止。
夫「AMHをあげる薬はあるんですか?」
医師「AMHは薬も治療もないんですよ。生まれつきのものなので。加齢とともに低下していくので、これから数字が改善することもないんです」
31年生きていて、この日、初めて卵巣関係の謎のホルモン値が低いと言われてしまいました。しかも薬も治療方法もない! 耳の奥で「ドカーン」という音が聞こえた気がしました。
どんな状況になっているのかわからず、どんどん目の前が真っ暗になっていきます。重大なことを言い渡されているよね、私、いま! 言葉にできないよ! そんな気持ちでAMHの三文字が頭のなかをグルグル…。
でも、隣にいた夫は冷静に…
夫「AMHが低いと妊娠できないのですか?」
医師「そんなことはないですよ。個人差はありますが、妊娠そのものに大きな問題がでるわけじゃありません」
私「???」
医師「排卵準備状態にある卵胞数の話で、卵子のそのものの質がどうという評価ではないので」
夫「自然妊娠を希望しているんですが、可能性はあるんですか?」
医師「はい、自然妊娠ができないとかいう話ではないです。AMHが低い人でも自然妊娠できます」
思わず夫と顔を見合わせてしまいました。理解できたような、理解できないような…。
夫「まぁ、妊娠に影響ないなら、いいっか…。」
私「…うん。」
うん、と返事をしたものの、ぜんぜんよくない。すごいモヤる! なんなんだよ、AMH。そして、帰り道、エコー検査と同じく、またスマホでせっせとネット検索するのであります。
基礎検査を受けなければAMHという抗ミュラー管ホルモンが低いことすら知らずに生きていたであろう私。ひとまず妊娠そのものにすぐに影響がでるわけじゃないみたいだし、何より治療方法も薬もないのでは、どうしようもありません。
呆然と、情けない状態で、私はプレ妊活のスタートラインに立ったのでした。
結果を聞くだけとはいえ、このとき夫が隣にいてくれたのは本当によかったです。一人だけだったらきっと何も聞けなかっただろうから…。
次回は、まだまだ続く妊娠のための基礎検査内容についてお話しようと思います。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。