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2020.08.31

「かしずく」の正しい意味と語源などを解説! 類語や使い方もチェック

かしずく(かしづく)という言葉を知っていますか? 「傅く」とも表記されます。日常会話というよりも、古文などにみられる言葉なので、聞いたことはあるけれど、自分で使ったことは… という人も多いでしょう。本記事では、かしずくの正しい意味や使い方を解説します。

【目次】
かしずくとは? 意味・使い方を確認しよう
かしずくの正しい使い方とは? 例文をチェック
かしずくの類語は?
かしずくには派生語もある?
最後に

かしずくとは? 意味・使い方を確認しよう

(c)Shutterstock.com

「かしずく(かしづく)」という言葉を知っていますか? 古文などにみられる言葉なので、聞いたことはあるけれど、自分で使ったことは… という人も多いでしょう。本記事では、「かしずく」の語源や使い方を解説。フォーマルなシーンで使えば、あなたの印象を知的なものにしてくれるかもしれません。

◆かしずくの意味

「かしずく」には、大きく3つの意味があります。

1:人に奉仕し、尊敬を込めて世話をする

この場合、「世話をする」対象は、自分より身分の高い人です。ペットや体の不自由な人の世話をする場合には「かしずく」とは言いません。また、対価を得るために世話をする場合にも用いません。

つまり、「自分よりもずっと身分の高い人」に対して、「尊敬の念をもって」お世話をする、寄り添うことを「かしずく」といいます。身分の高い人というのは、皇帝や主人、ビジネスシーンでいえば、社長や上司に当たるでしょう。

2:大切に育てる

「かしずく」には、大切に思って子どもを育てるという意味もあります。じつは「かしずく」という言葉は、もともとこの用法で使われていたので、古文で登場するときには「子どもを大切に育てる」という意味で使われる場合が多いのです。

3:後ろ盾となる・大切に扱う

さらに、「大切に扱う」「サポートする」という意味もあります。この場合の「かしずく」対象は、自分より幼い人などになりますから、[1]の使い方と意味が異なることに注意しましょう。また、この使い方の場合、動物もその対象になります。

◆かしずくの漢字

表記について解説します。現代では、ひらがなで「かしずく」と書くのが一般的ですが、「かしづく」と書いても間違いではありません。

そして、常用漢字ではありませんが、漢字で書くと「傅く」となります。漢字の右部分「尃」には、「傅」の音読みである「フ」の音を示すとともに、「手をあてがう」「助ける」という意味があります。「尃」に、人を表す「にんべん」が付いていることで、「人にしっかりと寄り添う」「人を助ける」という意味になりますね。

かしずくの正しい使い方とは? 例文をチェック

(c)Shutterstock.com

「かしずく」の意味と漢字を解説しました。では、実際にはどのように使えばいいのでしょうか。いくつか用例を挙げてみましょう。

1:「社長にかしずく私は、まるで家臣のようであった」

社長に対して畏敬の念を持ちながら、身のまわりの世話をしていて、その様子がさながら君主と家臣のようだった、ということですね。「かしずく」は、このように、「主人−家来」、「社長−部下」、「師匠−弟子」などの間柄で使われることの多い言葉です。

2:「姉は、歳の離れた妹をとりわけかしずいている」

歳の離れた妹を、お姉さんが大切に育てているということを表しています。古典では以下のように登場します。

・親たちかしづきたまふことかぎりなし(出典『堤中納言物語』虫めづる姫君)
「親たちが、大事に大事に育てている様子はひと通りでない」という意味です。

・この君をば、私物に思ほしかしづき給ふこと限りなし(出典『源氏物語』桐壺)
「この皇子のことを、自分のもののように大切にお育てになった」という意味です。

3:「まだ若い彼には、かしずく人が必要なのではないか」

「後見する」という意味での使い方。この用例も古文に登場します。

・我は命を譲りてかしづきて(出典『源氏物語』東屋)
「私は命をかけるつもりで大切に扱って」という意味です。

かしずくの類語は?

「かしずく」の理解は少し難しいですね。そんなときは類語を知ると理解しやすくなります。「かしずく」の類語には以下のようなものがあります。

1:仕える

「かしずく」を身近な言葉に置き換えると「仕える」となります。ただし、「かしずく」には、上下関係がかなり開いているニュアンスが含まれるという点に注意したいものですね。

2:補助する・サポートする

手助けするということですが、「かしずく」というと、ぴったり寄り添って補助・補佐するという印象を与えることができます。

3:後見する

後ろ盾となることですね。この場合にも、困ったときだけ助けるのではなく、本人になりかわって行動するくらいの全面的な助力を指します。

ちなみに「跪(ひざまず)く」という言葉があります。これは、片膝をついて服従を示すポーズを指す言葉。「かしずく」と混同した用例をみることがありますが、正しい意味と使い方を知っておきたいものです。

かしずくには派生語もある?

(c)Shutterstock.com

古文では、「かしずく」から派生した言葉がいくつかあります。日常生活で使うことは少ないかもしれませんが、知識として知っておくといいですね。

1:思いかしづく

心を込めてお世話をすることです。「思い」がつくことで、「心を込めて」ということがより伝わりやすくなるように感じますね。

2:なでかしづく

大事に大事にかわいがって養うこと。なでるように、慈しみながら育てている様子が目に浮かびます。

3:もてかしづく

「もて」は強調を表すときなどに使われる接頭語。なので、「なでかしづく」同様、「とても大切に育てること」を表します。

最後に

今回、ご紹介した「かしずく」は、古語にルーツを持つことから、とても上品な雰囲気がありますね。しかし、実際には見返りを求めることなく、まるで召使いのように振る舞う様子を表す言葉ですから、使い方には少し注意が必要です。

ですが、耳慣れない言葉だけに上手に使えば知的なジョークにも使えそう。正しい使い方を知って、日常会話にうまく織り交ぜてみてくださいね。

TOP写真/(c)Shutterstock.com

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