泡立つ歯磨き粉・ミント味の歯磨き粉は使わない方が歯のため!?
歯磨き粉を使う方は多いと思いますが、何を目的に使っているのでしょうか?
虫歯予防、歯周病予防、ホワイトニング効果、知覚過敏対策、などが挙げられると思います。歯の表面の着色予防を目的だけであれば、多少の効果があるかもしれません。しかし、歯磨き粉の性能はあくまでも限定的なものです。虫歯や歯周病への効果は、メーカーが宣伝している程は期待できません。
虫歯も歯周病も、原因の細菌がお口の中の汚れをエサにして酸や毒素を出す病気ですから、口の中の汚れを効果的に除去しなければなりません。
口の中の汚れは、歯ブラシによるブラッシングで取り除きます。
歯磨き粉は含まれる成分の薬効で原因の細菌や汚れを落とす事を期待しているようですが、そんなにうまくいかないのです。なぜなら、歯磨き粉は洗濯洗剤ではないから。
つまり、歯磨き粉を塗りたくっておけば予防できるわけではありません。もし歯磨き粉を塗るだけで効果が期待できるなら、皆さんはこんなに虫歯や歯周病で悩む必要はないはずです。
◆歯磨き粉を使わない理由は?
私が推奨するブラッシング法では基本的には歯磨き粉を使いません。
なぜかというと、歯磨き粉の発泡作用によってできる泡が大量に出てくるので、歯ブラシの正確な位置がわかりませんし、ミントなどの味により口の中のサッパリ感が清潔になったと錯覚を引き起こしてしまうからです。
歯磨き粉を使うことにより適切なブラッシングを妨げているかもしれないということ。もし使うとしても、泡立たないペースト状のものをほんの少量使うにとどめます。
私の医院では、ブラッシングの効果を補助する目的で、ブラッシング後に次亜塩素酸水(漂白剤の主成分である、次亜塩素酸ナトリウムではありません!)で30秒間洗口し、お口の環境を清潔に保つことをお勧めしています。
※「次亜塩素酸ナトリウム」での洗口は口の粘膜に害を及ぼし危険ですので、絶対に行わないでください。使用前に成分及び製法について十分にご確認ください。
次回は口臭ケアについてお届けしようと思います。
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大岡歯科医院 大岡 洋院長
1991年、慶應義塾高等学校卒業。1997年、東京歯科大学卒業。
2002年、ハーバード大学歯学部・公衆衛生学部大学院(予防歯科学専攻)修了。
日本人歯科医師として初めて予防歯科で理学修士(Masterof Science)を取得。
東京都品川区・大岡歯科医院(目黒診療所・中延診療所)代表。
2003年より東京歯科大学非常勤講師(歯科補綴学)。国際歯科学士会(ICD)理事。
アメリカ歯周病学会(AAP)会員。慶應義塾大学特選塾員。著書に『「歯みがき」するから歯は抜ける』(現代書林)。