男女214人調査! 日本人の口臭レベルの実態
◆男性より女性の方が2倍以上も基準値をオーバー!?
まず、口臭レベルについては、30を超えると周囲に臭いを発し始める、50を超えると周囲の人が気になるレベルの臭いとなります。
口臭測定結果は、全被験者の口臭測定値平均が32.2。男女別で見ると、男性30.2、女性34.3となり、女性の方が測定値平均が高い結果に。周囲の人が気になる口臭レベルである「50以上」は、全体の13.1%となり、およそ8人に1人が基準値オーバーとなりました。
男女で比較すると、基準値をオーバーした人の割合は、男性(8.3%)に比べて女性(17.9%)の方が2倍以上も多いということが判明。
また、20~30代を「若年層」、40~60代を「中高齢層」とし、年代別に見ると、女性40代以上の中高年層では24.1%、つまり約4人に1人もの人が、基準値を超える口臭レベルであることがわかりました。
◆1日2回歯磨きをする人より3回する人の方が口臭が強い
次に、1日の歯磨き回数で口臭測定値「50以上」を比較したところ、1日の歯磨き回数が少ない「1日2回以下」は12.0%、回数が多い「1日3回以上」は14.2%となり、3回以上磨く方が基準値オーバー比率は高いという結果に。やはり、歯磨きだけのセルフケアでは、口臭ケアに限界があるようです。
◆お口が臭う相手とはキスをしない?
口臭を最も気にする瞬間は、パートナーといるとき。キスの頻度と口臭測定値の関係を調べてみると…
結果は、「週1回以上」キスをする人の口臭測定値「50以上」は8.5%、「週1回未満」の人は13.9%。臭うからキスしなくなるのか、キスしないからケアしなくなって臭うようになるのか、どちらが先かは定かではありませんが、お口が臭う相手とはキスをしないという事実が明らかになりました。
◆口臭ケアどうすれば良いの?
歯周病予防の第一人者・若林健史先生に「口臭の効果的対策」を教えてもらいました。
「歯に付着した歯垢が、病的口臭発生の発端となるわけですが、この歯垢は、歯磨きの際の磨き残しが原因となって生じるものです。磨き残しは、どれだけ上手に歯を磨いている人でも2割程度は生じるといわれています。歯を磨く際の癖や骨格・歯並びによって、十分に磨ききれない部分があるためです。
今回の実態調査において、歯磨き頻度が多い人の方がむしろ数値が悪いという結果が出ましたが、いくら熱心なセルフケアを行っても、一歩間違えた方法でケアしてしまうと口臭リスクは低減しない、という好例です。
さまざまな口臭ケアグッズを活用して、自分でケアをおこなうことはもちろん有用です。しかしながら、セルフケアではどうすることもできない疾患や、歯の汚れもあるということ、それらが強烈な口臭を発生させる恐れがある、ということを理解することが大切。
ぜひ3カ月に1回程度を目標に歯医者に通院していただき、歯のメンテナンスやカウンセリング、ケア方法についての指導を受けていただくことが望ましいです。セルフケアとプロケア、両輪でケアをおこなうことで、口腔環境は格段に良くなるはずです」
日頃から口臭ケアをしても、口臭が良くならない場合は、一度歯医者に行って相談してみるのも手かもしれません。その一歩が口臭の悩みを解決することに繋がっていくはず。
情報提供/ブレス・ハザードプロジェクト
教えてくれたのは… 若林健史先生
日本大学客員教授、日本歯周病学会理事・専門医・指導医、日本臨床歯周病学会・認定医・指導医。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。
1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。
歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演。