Oggi世代の女性と話していると、最近話題にのぼるのが「都市にこだわらない働き方」。地方での生活を謳歌している8人に「今後も地方で働くか否か」について伺いました。都会ならではの便利な生活や娯楽、キャリアアップや人生の選択肢の多さに未練はないの?
今後も地方で働き続けるつもりですか? 8人に聞きました!
「これからも地方で」派の6人
加藤サナさん(愛知)
地元から必要とされる人材になるのが夢
「地元で一生暮らしていくと決めました。この街でしっかり働いて、『住宅のことなら加藤』と言われるようになりたい。名古屋の業界トップを目ざします!」
窪田美穂さん(東京→新潟→箱根)
都会で働くことはもうないと思います
「地方の自然や食生活の豊かさ、居心地のよさがクセになりました。別の地方に転勤になる可能性はありますが、その土地ならではの楽しさを見出せる自信はあります」
田辺知香さん(北海道)
これ以上の変化はもう求めません
「食べ物がおいしくて夏も過ごしやすく、穏やかな人が多い札幌が大好き! 肩ひじ張って働いていた東京時代のようなストレスとも無縁な、今の生活を続けたいです」
戸塚絵梨子さん(岩手)
ずっと釜石とともに生きていきたい
「釜石で働いてみて『私は、こういう環境を心地よいと感じる人間だったんだ』と再発見しました。今の仕事自体にもやりがいを感じているので力を注いでいきたい!」
内藤伶奈さん(岡山)
通勤ラッシュ生活にもう戻りたくない!
「今では東京に行くと『どこからこんなに人が集まってくるの…岡山に帰りたい』と思うように(笑)。気候も職場環境も文句なしで、一生岡山で暮らすつもりです」
籔内彩希さん(徳島)
マイホームを建築中で今のところは永住予定
「子供も生まれたので、一応はずっといるつもり。将来はMBAを取得し、今の仕事を続けながら夫の会社の経営もサポートしたい。パラレルキャリアが目標です」
「今はわからない」派の2人
青木佳子さん(和歌山)
仕事の状況によって赴任地が変わる可能性も
「今いる街は大好きですが、仕事で赴任している以上、別の場所に行く可能性も。夫も単身で東北に赴任しているため、将来どこに住むか答えはまだ出ていません」
高尾モナさん(島根)
定住には前向きだけどどうなるかはわからない
「人生、何が起きるかわからないので、なんとも言えないのが正直なところ。今の暮らしに不満はないし、『ここにいたい』という気持ちはあります」
都会とタイムラグなく働ける環境が整いつつあり、移住が身近なものへ
「都会に戻りたい」と回答した人はゼロ。地方で働く未来を明確に思い描いている6人のほか、仕事や家庭の事情で「どうなるかわからない」と答えたふたりも地方への愛着を語ってくれました。
ひと昔前までは「地方で働く」という言葉から農業や町おこし、カフェ経営などをイメージする人も多かったけれど、今は都会と変わらない「ふつうの仕事」に就く人も増加中。都会とタイムラグなく働ける環境が整い、一大決心することなく移住できる時代になりつつあるのは本当のことだと再認識しました。
一方で、食生活や自然との距離、人間関係など、地方にしかないメリット&デメリットも味わえるのが「地方で働く」ということ。8人の声からは、自分の人生にとって大切なことは何かを見極めた結果、地方で働き暮らしているという、すがすがしさが感じられました。
【「地方で働きたい」と思ったら、どうすべき?】
教えていただいたのは・・・
認定NPO法人ふるさと回帰支援センター 副事務局長 嵩 和雄さん
「その土地でどう暮らすか明確にすることが大事」
「移住を検討するなら、なんのために移住するのか、目的をクリアにするのが最初のステップ。前提として、地方では収入が下がるケースが大半。お金を稼ぎたいなら東京にいたほうがいいんです。でも、自然豊かな環境で健康的に暮らしたいなど、お金で換えられないものを求めているなら、地方への移住はおすすめです。
移住にあたっての注意点は、ひとつ目が税金。住民税は前年の収入によって納税額が決まるので、移住後最初の年に高額の支払いが来てビックリ、なんて話も。ある程度まとまったお金があると安心です。ふたつ目は、住環境を事前に確認すること。地域のルールや気候を体感し、現実的に暮らせる土地か判断を。移住ツアーなどに参加して、地元の人とのパイプをもっておくと、移住後の強い味方になってくれるはずです。」
【移住までにしておきたい3か条!】
【1】移住の目的をハッキリさせる
「どこか暖かい場所に行きたい」などぼんやりとした理由は×。「給料が下がっても、残業せず趣味の時間を確保したい」など明確にイメージを。
【2】200万貯金があると安心
引っ越し費用や現地訪問費用など、実費として100万円。また、車は多くの地方で必須アイテム。新たに購入するならもう100万円備えておくと安心。
【3】最低2回は現地に足を運ぶ
地域の風習や、寒さ・暑さなどの気候は、行かないとわからないもの。最低でも仕事を決めるとき、家を決めるときの2回は自分で足を運ぶこと。
Oggi3月号「もう『都市』にこだわなくていいのかも!? 地方で働くということ」より
イラスト/STOMACHACHE. 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部