今どきの「事務職女子」は…腰掛けではなく長く働く前提
「事務職(一般職)とは、〝定型業務が中心で転勤を伴わない〟職種のこと。
以前は結婚したら辞めるのが一般的でしたが、現在は長く働きたいからこそ事務職を選ぶ女性が増加しています。男性並みの働きを求められる総合職は、結婚後、家事や育児との両立が難しいと考え、事務職を選択する高スペック女子も増えています。
その結果、お給料ややりがいの『天井』を感じる人も多くなっているのです。とはいえ、事務職の正社員の求人は減少傾向。限られたイスの取り合いです。さらに、正社員だからといって安泰ではありません。人件費の安い派遣社員や契約社員を増やす企業も多いですし、近い将来AIが台頭し事務職の仕事自体がなくなる可能性もあります」(キャリアコンサルタント/朝生容子さん)
あそうようこ●オフィス・キャリーノ代表。年間200人以上のキャリア相談に応じ、心理面や環境面も考慮した、的確に強みを引き出すアドバイスが好評。
Oggiブレーンの事務職女子の実態 データファイル
【仕事内容】は資料作成が46%
・資料作成…………46%
・データ入力…………38%
・お茶くみ…………31%
ほかにコピーとりや受付、電話応対なども上位に。社内の雑務を押しつけられることも多く、「上司の私的な振込を頼まれた」(30歳・サービス)という人も!
給料は平均/月22.4万円
回答者の平均年齢は32.9歳で、低い人で手取り15万円、高い人で35万円。就職してから10年ほど経っても、大幅な昇給は望めないのがうかがえる。
キャリアアップは「どちらともいえない」が42%
・したい:42%
・どちらともいえない:42%
・したくない:16%
手に職をつけて独立したいと考えている人もちらほら。「行政書士の資格を取得した」(33歳・金融)という人や英会話やパソコンの勉強をしているという声も。
勤務時間の平均は 8時間58分
8時30分~9時の間に仕事をスタートし、17時30分前後に終わる人が約半数。4割程度の人がほぼ定時で帰宅。残業時間の平均は1日約52分という結果に。
住まいは実家ぐらしが69%
・パートナーと同居:7%
・実家:69%
・ひとり暮らし:15%
・夫や子供と同居:9%
総合職の実家暮らしが約2割なのに比べ、事務職は約7割という高い結果に。収入面で経済的自立は難しく、なかなか実家暮らしから抜け出せないという人も多い。
仕事にモヤモヤする理由の1位は収入!
1位:収入に不満……54%
2位:やりがいがない……46%
3位:人間関係……15%
「長く働いて経験を積むのだから、お給料だって上げてほしい」(32歳・商社)という声多数。ルーティンの毎日で成長を感じられないとモヤモヤしている人も。
2018年1月号「事務職女子の天井」より。
本誌掲載時スタッフ:イラスト/中村純司 構成/酒井亜希子・赤木さと子・平澤奈々恵(スタッフ・オン)
再構成:Oggi.jp編集部