間に合わせの器でも食事はできるけれど、そろそろ、お気に入りを手に入れてみませんか? こだわりの器を日常使いして、ふだんのごはんをグッとおいしく楽しく変えることは、「かっこいい」大人への一歩です!
日々のごはんから【いい器】を使おう
教えていただいたのは・・・
料理ユニット「南風食堂」三原寛子さん
小岩里佳さんとともに、食に関する企画提案やアートプロジェクトでの作品制作展示、商品開発や店舗のフードディレクションなどを行う。料理撮影では自らスタイリングも行うことが多い。
料理を盛ったところがイメージできるかどうか。それが器選びの基準です
メインディッシュは島根県・出西窯(しゅっさいがま)の器に。広めの縁が額縁のように料理を格上げ! スープ皿は栃木県・益子の陶芸家・吉村和美さんの作品。
✔︎ 食卓のアクセントにきれい色!
✔︎ お皿の縁が広いと料理上手に見えるんです
✔︎ 水玉柄も料理を載せるとほどよくポップ♪
✔︎ 民藝展で見つけたものも
「私にとって『いい器』は、料理をおいしく見せてくれる器のこと。19年前に料理の仕事を始めた当初は、自分のお気に入りの器で撮影しても、『どうもおいしそうに見えない』と悔しい思いをすることがたびたびありました。
でも経験を重ねてわかったのは、『モノとして好きな器』と『料理が載っておいしく見える器』は別ものだということ。器は、『この器だったら、ゆでたほうれん草やトマトソースの赤がキレイに映えるだろうな』など、料理を盛ったところが何通りか想像できるものを選ぶとよいと思います。
世の中におしゃれな器はたくさん売られているけれど、それが『自分の生活』にしっくりくるかどうか。たくさんの器を見ていくうちに見極められるようになるのでは?
私が20代のころに出合って今もよく使っている器は、煮物にもパスタにもパンにもなじんで、『暮らしと器はこんなふうに調和するのか』と驚かせてくれました。実は一度割ってしまったんですが、お店に問い合わせて同じ器を用意していただいたほどの、まさに私にとっての『いい器』です。
そんな器があればその器に合う料理がしたくなるし、料理をすればまた別の器も欲しくなる。…相乗効果で日々の喜びは増えていきます。それに、そうやって食べるごはんは、体にもすごくいい気がするんです(笑)」(三原寛子さん)
三原さんの器コレクション!
✔︎ 実は、「色」の器は料理が映える
「上品なピンクの器は予想以上に食べ物がおいしく見えて大活躍! サラダ、果物、和え麺などとも相性がいいです。濃い色の器は料理がキリッと締まって見えますよ」
✔︎ この1枚で器に目覚めました
「20年ほど前、益子の『スターネット』というショップで購入。ぽってりとした形がツボです」
✔︎ 三原さんのご自宅の食器棚
「器を買うときは、スタッキングできるかどうかも大事なチェックポイント」
✔︎ 世界の旅先で「民藝」をゲット
「土地に根差した生活道具に美を見出す『民藝』の考え方に共感します」大胆に模様が描かれた「スリップウエア」(手前)は肉料理やパスタなどの盛り皿にも。左上の2枚はメキシコ、右上の茶色い皿はモロッコでの旅の戦利品。
✔︎おひたしもお酒のアテも小鉢で
「そば猪口~ぐい飲みサイズの器は、作家ものも手ごろな値段で買いやすい! 自由な発想でなんでも入れてみると意外とマッチします」
Oggi2月号「働く30歳からは日々のごはんから『いい器』」より
撮影/sono(bean) デザイン/スズキのデザイン 構成/酒井亜希子・佐々木 恵(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部