車の運転をする人にとって、自動車事故のニュースは決して他人事ではありません。事故になる前に、自分の運転マナーについて振り返ってみましょう。
■あおられ運転予備軍に欠けている運転マナー
あおられる側にも何かしら原因があるのでは? という意見もネット上で見かけます。あおり運転をして危険な目に合わせたり恐怖心を与えたりすることは許せませんし、擁護するつもりはありません。ですが、周囲にいるドライバーを「イライラさせる運転」をしている可能性があるかもしれません。
1.<自分のノロノロ運転に気づいていない>
時々、スピードが上がったり下がったりと安定しない運転をするドライバーや、追い越し車線なのにノロノロ運転をしているドライバーを見かけます。パッと横を見るとケータイを見ていたリ電話していたりすることも・・・(交通違反です!)。
流れに乗れていないノロノロ運転は、追突の危険もあり得ますし、後続車にとってはストレスです。後続車のドライバーをイライラさせ続けることで、あおり運転を助長してしまうことになりかねません。
後続ドライバーからサインを見逃していませんか? 初期の段階でサインに気付き、道を譲ることで、無用な事故を避けることができるのではないでしょうか。
2.<無理な追い越しや割り込みをする>
運転に自信がある人ほど、無理な追い越しや割り込みをしがちです。十分な車間距離を取らずに追い越しや割り込みをされると、「危険な目に合わされた」、「逆に自分があおられているのでは?」とイライラするドライバーもいるのです。
無理な追い越しや割り込みは一歩間違うと大きな事故になりかねません。無理な追い越しをしたって、到着時間に大差が出るわけではありませんよね。
車線変更で割り込みをする際は早めのウインカーで知らせ、譲ってもらった時は、サンキューハザードで感謝を伝えるのもいいですね。
あおられ運転予備軍は、無意識に相手のペースを乱しているかもしれません。安全運転をしているつもりでも、他のドライバーはどのように感じているのか? そういった運転マナーも考えていきたいですね。
■あおり運転予備軍に欠けている運転マナー
あおり運転は一時的に優越感があるかもしれませんが、何ひとついい事はありません。最近ではドライブレコーダーに記録された映像を元に通報、逮捕されたり、車やナンバーの写真を撮ってSNSで拡散されたり、大事故にならなかったとしても、人生が狂ってしまう恐れがあります。
3.<イライラが制御出来ない>
自分のペースを乱された、あおられた、とイライラして反射的にあおっていませんか? 自分の感情をコントロール出来ないと、トラブルが起きやすいもの。怒りのピークは6秒と言われています。イラッとしたら6秒待ってみてください。
「もしかしたら、悪気がなかったのかもしれない」とか「運転が下手なんだな、今回は大目にみてやるか」と待っているうちにイライラは少しずつ落ち着き、また自分のペースを取り戻せるでしょう。
4.<やられたらやり返す>
運転は「勝ち負け」ではありません。追い抜かれたから抜き返す、割り込まれたから割り込み返す、そんなカーチェイスのような事をして勝ち誇るのも、他のドライバーにまで迷惑を掛けるのも恥ずかしいこと。
運転に限ったことではありませんが、やられたからやり返すのではなく、自分がされて嫌なことは、相手にしないようにしましょう。
あおり運転予備軍は、無意識に対抗心が強いのかもしれません。あおられ側は故意に不快な運転をしているわけではありません。「イライラを運転で示さない」を心がけていきたいですね。
■自分が正しい! と思い込むことは危険
5.<相手に譲る精神を持たない運転>
「自分が正しい、あなたは正しくない」と、みんな自分が一番正しいという主張をしたくなるのです。あおる側もあおられる側も言い分はあります。でも、きっとどちらも「相手に譲る」という精神が最初に抜けているのではないでしょうか。
「相手に譲る」は、気持ちに余裕がないと出来ません。気持ちに余裕を持つには、時間の余裕を持つことです。時間に余裕を持って安全運転をしましょう。
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古岡めぐみ 接遇マナー講師
沖縄「カヌチャベイリゾート」や、大阪「大阪マルビル大阪第一ホテル」など、名だたるホテルでホテルマンとして勤務していた当時、お客様から多くの支持を集め、また後輩育成にも力を注いできたことを認められ、過去に社内表彰されること多数。現在は石川県を拠点に、これまでの経験をもとに接遇マナー講師として活動中。