伊藤聡美さんってどんな人?
氷上で優雅かつダイナミックに舞う姿が多くの人を虜にするフィギュアスケート。昨年2月に開催された平昌オリンピックでは、日本フィギュア史上初の快挙を成し遂げたことも記憶に新しいですよね。
そんなフィギュアスケートで選手たちを華麗に輝かせるうえで欠かせないのが、衣装。
伊藤さんは、衣装デザイナーとして、五輪二連覇の偉業を達成した羽生結弦選手や銀メダルに輝いた宇野昌磨選手をはじめ、宮原知子選手、紀平梨花選手、本田真凜選手など錚々たるトップスケーターの衣装を手がけてきました。
––伊藤さんが衣装デザイナーになった理由とは?
仕立て屋で働く母のもと、いつしかファッションに興味をもった伊藤さん。高校時代は、服飾を学ぶ高校に進学するも、髪型をモヒカンにするなど、異色の存在に。
しかし、そんなときから心惹かれていたのが、浅田真央さんの存在。「いつか浅田真央さんのような選手の衣装に携わりたい」と思い、フィギュアスケートの衣装デザインを始めることに。
その後、22歳でデザイナーとして大手衣装会社に就職。けれども、デザイン画を描くだけで全て自分で仕上げられないことに不満を抱き、26歳で独立。
そして、独特な色使いと装飾が評判を呼び、二年目にはトップ選手から次々に依頼が舞い込むように。現在では、その数は今シーズンだけで40着にのぼります。
伊藤聡美さんの「7つのルール」
さて、そんな伊藤さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1.デザイン画の顔は本人に似せる
“誰にでも似合う衣装”ではなく、その選手にしか着こなせない特別な一着を作るのが伊藤さんのこだわり。そのため、デザイン画を描く際も、本人に似せて描くことに注力。
■2.冷蔵庫にガリを切らさない
羽生選手の今季フリーの衣装のデザインから装飾まで、ほぼ一人で行う伊藤さん。胃が痛くなることもあるそうですが、そんなときは「ガリ」を食べてモチベーションをあげるのが伊藤さん流。
■3.嫌なことは「嫌」と言う
いやなことは「いや」と言い、はっきり意思表示をするのが伊藤さんのポリシー。周りに流されない生き方も魅力ですよね!
■4.男子選手の衣装は850g以内
重さや動きやすさなど機能面も重視される衣装。デザインを始めた当初、選手から「重い」と言われたことがあり、たとえば男子選手の衣装は850g以内と、自分の中で基準を作ることに。
■5.年に一度、家族で寺を参拝する
タイ人の母と日本人の父の間に生まれた伊藤さん。年に一度、家族に会いにタイに行くのがお決まり。その際、欠かさずしているのが、地元のお寺を参拝すること。
■6.日没後、1時間徘徊する
週に数回、日没後に街を徘徊するという伊藤さん。空のグラデーションなど自然の色合いからデザインのインスピレーションを得ているそうです!
■7.選手にデザインの意味は伝えない
羽生選手の今季フリーの衣装は、羽生選手の名前の“羽”がテーマ。さらに、松田悠良選手の衣装は、ケガから復活してほしいという願いを込め、荒地に咲き誇る力強い花をイメージ。しかし、プログラムには、さまざまな人の想いやコンセプトがあるので、自分の想いは口にしないのが伊藤さんのポリシー。
華やかな表舞台の裏側で、演技に華を添える衣装を粛々と作る伊藤さん。選手のパフォーマンスにも影響する分、プレッシャーも大きいと思いますが、人間嫌いを公言するなど、自然体の姿がまた素敵でした♡
文/川原莉奈
次回の「7ルール」の放送は、1月22日(火)よる11時15分~11時45分です。主人公は、大泉洋や安田顕…TEAM NACSの母・伊藤亜由美さん。
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