【お金の不安 第3位】
資産運用がわからない!
私たち、ここが不安です!
・興味はあるけど、元本割れはイヤ!(32歳・一般事務)
・何から始めていいのかわからない。(27歳・専門職)
・値動きをチェックする時間がない!(33歳・営業)
■プロのアンサー
「これからは、“貯蓄だけ”のほうが逆にリスキーです」
「ここ数年〝NISA〟や〝iDeCo〟など、税金面で優遇される投資の制度が続々と登場しています。実はコレ、国が国民に対し〝自助努力で自分の資産を増やしてね、老後のお金は自分で用意してね〟と宣言したのと同じ」とは山口さん。
「銀行の普通預金金利は現在0.001%! ただ預けても増えないどころか、インフレで物価が上がれば、元本は割れなくても資産価値が目減りしてしまう可能性も。日本円の資産しか持たないのはとてもリスキーなことなんです。だから国内・海外の株式、債券などに分散投資をすることが大事。投資というと株を一括買いして株価が下がれば大損、というイメージがあるかもしれませんが、たとえば投資信託なら百円から始められる証券会社もあります。投資は、資産を守るリスクヘッジです」(山口さん)。
「’18年から〝つみたてNISA〟という制度が新設されます。投資の運用益が20年間非課税になるメリットは絶大。始めない手はありません」(和泉さん)
私たちが教えます!
ファイナンシャル・プランナー/山口京子さん
FPのほか、証券外務員、保険募集人資格を生かしたアドバイスに定評がある。テレビ、講演での活躍のほか、『お金に泣かされないための100の法則』(主婦と生活社)など書籍の監修や著書も多数。
ファイナンシャル・プランナー/キャリアコンサルタント和泉昭子さん
大学卒業後、出版社、フリーキャスターなどを経て’95年より現職。お金はもちろん、キャリアなど女性のライフプランを総合的にサポート。近著に『お金持ちになる心理学』(日本実業出版社)。
アラサー世代におすすめな資産運用法
忙しくてもほったらかしでOK【投信積立】
投資信託とは、集めたお金をプロが運用してくれる商品のこと。
「商品には国内外さまざまな投資先があり、リスク分散が可能。毎月自動的に積み立てられるプランを選べば手間もかからず、下落したら買える口数が増えるので効率的に資産を増やせます」(山口さん)
投信積立と貯蓄では30年でこんなに差がつく! シミュレーション
※毎月3万円を貯蓄または投信積立した場合の試算。
※貯蓄(普通預金)の年利は0.001%(複利)、投資は年率期待リターン3%(同)で計算 ※手数料、税金は考慮していない。
■注意点
投資信託を購入するときの販売手数料や運用コスト、売却時税金が差し引かれる。手数料は販売会社によって異なる。
’18年新設! 非課税でお得に貯める【つみたてNISA】
NISA専用口座を使うことで、投資信託の運用利益にかかる税金(約20%)が20年にわたり非課税になる制度。「年間40万円と上限はあるものの、20年間続ければ800万円まで投資が可能。'17年10月から口座開設の手続きができます」(和泉さん)
■注意点
従来のNISA口座との併用不可。投資先は投資信託・ETF(上場投資信託)のみ。口座開設にはマイナンバーが必須。
老後資金をしっかり貯めるなら【iDeCo】
'17年にスタートし、毎月決まった額を積み立て、掛け金を投資信託などで運用しながら老後のお金を準備できる個人型確定拠出年金。「掛け金全額が所得税から控除され、運用益が非課税になるなどお得に増やせる仕組みが満載。積み立てたお金は60歳まで引き出せないけれど、老後資金準備には◎」(和泉さん)
■注意点
すでに401kなど別の確定拠出年金に加入している人は入れない可能性が高い。また加入時の手数料などがかかる。
金融機関を選ぶポイントは?
「基本的には銀行、ゆうちょ、労金などどこでもOK。ただし、個別銘柄を買ったり、株主優待などもやってみたいのであれば、取り扱い商品が多い証券会社へ。気軽に始められるネット証券も忙しいアラサー世代におすすめ」(山口さん)
【おすすめの証券会社】
■東海東京証券
女性のライフプランに応じた投資先がわかる女性専用口座「乙女のお財布」が人気。
■SBI 証券
口座開設数No.1のネット証券最大手。手数料の安さ、商品のラインアップは業界随一。
■楽天証券
100円から投資信託が購入可能、さらに買付の際には楽天スーパーポイントも利用できる。
【資産運用の豆知識】
ビットコイン市場がますます盛り上がってる!
ネット上で取り引きするビットコイン(仮想通貨)市場。これまで個人投資家による売買が中心だったが、世界の銀行や日本の大手企業などが参入し、市場規模が拡大。今後しばらくは成長が見込まれる投資先として注目されている。
2017年11月号「お金のことを考えると、不安です…」より。
本誌掲載時スタッフ:イラスト/添田あき 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・平澤奈々恵(スタッフ・オン)
再構成:Oggi.jp編集部