寒さが招く、冬バテとは
冬の健康キーワードは何と言っても「冷え対策」ですが、暑さによる「夏バテ」ならぬ、寒さによる「冬バテ」という言葉をご存知でしょうか? 忘年会などで夜の付き合いが多いこの時期だからこそ要注意なんです。
■冬の寒さが、現代人の交感神経優位を助長する
寒い冬、人間は体温を維持するために「交感神経」にスイッチを入れ、緊張・興奮状態が続きます。逆にリラックス状態や眠くなるような状態は「副交感神経」のスイッチがオンになっている場合。
この自律神経のオンオフがスムーズに行われることでバランスが取れているはずの体ですが、現代人は体よりも頭を使う仕事が多く、パソコンやスマートフォンなどによって常に交感神経優位の状態に偏っています。冬の時期はこれがさらに助長されるというわけです。
■自律神経の乱れと冷えが招く「睡眠不足」
冬バテの大きな原因は、交感神経優位が続く=自律神経の乱れによる睡眠の質の低下。
寝つきが悪かったり、寝起きがスッキリしない、夜中に起きてしまう、眠りが浅い、夢ばかりみる…など、体を回復させるための休息を十分に得られない状態に。
さらに手足の冷えが強い人や、お酒を飲んでいる場合も睡眠の質の低下に注意。冷えによる血行不良や、肝臓に負担をかけることでの血行不良があると、寝ている間の血液の浄化が不十分となり、疲労感が残るというイメージです。
■就寝時間に近づいたら、可能な方法で副交感神経のスイッチをオン!
交感神経優位で興奮状態の体をリラックスさせ、副交感神経のスイッチを入れるには、アイテムを駆使するのも手。就寝の2時間前くらいから意識的に、下記のうちから無理なく実践できるものを取り入れてみて。
・呼吸が浅くなっていないかチェック。気づいた時に深呼吸を。
・PC、スマホをなるべく見ない。せめてブルーライトの設定をオフに。
・帰宅してからは冷たい飲み物より、常温または温かいノンカフェインの飲み物を。
・リラックス作用のあるアロマを漂わせる。
・就寝まで、足先〜足首が冷えないように注意。
・お風呂にゆったり浸かる。くれぐれも熱くない適温で。好きな香りの入浴剤もおすすめ。
・マッサージやストレッチで筋肉の緊張をほぐす(就寝前の激しい運動はNG)
・明かりは蛍光灯ではなく間接照明、キャンドルの光などにする。
しっかり休息をとって、冬バテを防ぎましょう。
大木さと子 国際中医薬膳師
国際中医薬膳師・漢方アドバイザー。国立北京中医薬学大学日本校卒。普段はメーカー勤務、よく食べよく飲むアラサーOL。ふだんメシをアップするInstagramにて、薬膳の情報も発信中。