乾燥する秋はこまめな水分補給が大切です。でも、「水はたくさん飲んだほうがいい」と勘違いしている人はいませんか? むやみに多くとると、むくみや体調不良の原因に!
確かに水分補給は大切。でも…
水は体温を調整し体を潤して機能させ、余分なものを排出するなどの役割があります。でも、水をとりすぎたり、何らかの不調で上手く排出されずに体内に留まると、それが不調の原因となることも。
ペットボトルの普及で増えた?「水毒」
漢方では体質を表す状態の1つに「水毒(すいどく)」があります。字の通り水が毒となり、不調を引き起こしている状態です。
うまく排出されずに体内に留まっている余分な水分は、体表に近い部分に溜まれば水腫(むくみ)になり、胃に水が溜まれば胃液が薄まり消化不良・胃もたれ、消化が出来なければ無理に排出されて下痢にもなり得ます。また、頭に水分が溜まるとそれが揺れてめまいを感じ、車酔いや耳鳴りを感じることも。
「水毒」は大昔の中国医学からの出典ですが、ペットボトルで手軽に水分を持ち運べるようになってからは、現代に特徴的な体質とも言えます。
水はけの良い体質は飲んでOK。そうでない場合、水分は適量に
筋肉量が十分にあり、なおかつ内臓機能に問題がなければ水分代謝も十分に可能ですが、そうでない場合は注意を。水をがぶ飲みして、気分が悪くなったことはありませんか? 水も食べ物と同様に、胃や様々な臓器を通じるものなので、一気にとればそれだけ体に負担がかかるのです。
適量はどのくらい?
元来、日本人は一汁三菜の和食、1日3食で汁物を摂取していれば、肉体労働時以外の水分補給は、食後1杯のお茶で十分とされていました。頭を働かせて体を動かすことの少ない職種が多い現代では、多すぎる水分摂取は、毒になりかねません。
現代において1日に必要な水分(食事での摂取を含め)は、女性であれば1.5~2.0リットル程度が十分な量。真夏や、活動・運動量が多いのであれば、これに加えて汗をかいた分の水分を補いましょう。また、冷たいものばかりにならないよう注意することと、この水分量を日中の間にこまめに分けて取るということもポイントです。