バーゲンで30%オフの商品を見てもいくらお得なのかわからない、割り勘するときにいくらかパッと計算できない、なんてことありませんか?
何となく、数字に苦手意識を抱く女性は多いもの。でも、ビジネスで数字は切っても切れない関係。いつまでも「わかんない」「苦手」なんて言っていられません。そんなあなたに朗報! あなたのアタマが数字と仲良くなるウマい方法があります。
ビジネス数学を専門とする深沢真太郎が企業研修やセミナーの場でも使っているトレーニング手法を、頑張るオトナ女子のために特別にご紹介します!
単価1万円、購入者1万人、このときの売上高は?の答えがアタマですぐに出せる法則がある
前回(「%」の計算がサクサクできるコツ)でお伝えした「%」計算と同じくらい皆さんにとって煩わしく感じるのが、大きい桁の計算をすることではないでしょうか。
たとえば単価1万円、購入者1万人、このときの売上高は?
10,000×10,000=?
このとき、計算が苦手な方はどうしても電卓で「0」ボタンをその個数分だけ押してしまいます。あるいは私が担当する社員研修などの場でも、ホワイトボードに「0」をぜんぶ書き並べてしまいます。そしてその後に何をするかというと、「いち、じゅう、ひゃく、せん、…」と桁を一生懸命数えるのです。それは楽しい行為のはずもなく、「めんどくさいな」という感情が生まれるのも当然でしょう。
そこで今回はこんな「桁の大きい計算」をするときのコツをお伝えし、あなたもすぐにアタマの中でサクッとできるようになっていただきます。
ポイントになるのは、以下の法則を覚えてしまうことです。
学生時代の算数や数学の先生は公式のようなものを単に覚えることは良いことではないと指導していたかもしれません。しかし、ビジネスパーソンになったあなたはもう「使えればいい」と割り切り、公式を覚えるかのようにルールを頭に入れてしまいましょう。
0が3つ(カンマが1つ)→千
0が6つ(カンマが2つ)→百万
0が9つ(カンマが3つ)→十億
これがインプットできていれば、先ほどの計算をするときに「0」を並べる必要はありません。先ほどのルールにより、1万という数は「0」が4つということはすぐにわかるでしょう。同じように考えれば、「0」が8つあればそれは1億であることもすぐにわかるはずです。
ではここで先ほどの問題をもう一度。
単価1万円、購入者1万人、このときの売上高は?
1万円→「0」が4つ
1万人→「0」が4つ
↓
1万円×1万人は「0」が8つ
↓
1万円1万人=1億円
となります。
0の数ではなく“桁”で計算する! “桁”を意識して練習してみよう
冒頭でご紹介したような「0」の数をひとつずつ数えてしまうような計算ではなく、まずは桁を認識して計算するのです。私はこれを、「数で計算するのではなく、桁で計算する」と表現しています。では最後に「桁で計算する」を少し練習してみましょう。
平均単価500円のお店。購入者数が延べ60万人。いったいいくら売れたことになるでしょうか。平均単価は「0」が2つであり、60万人とは「0」が5つです。しかも5×6=30ですから桁がひとつ追加されます。
500円→「0」が2つ
60万人→「0」が5つ
↓
500円×60万人は「0」が7つ、さらに1つ追加で計8つ
↓
500円×60万人=3億円
このようにして大きい桁の計算を攻略していくとよいでしょう。なぜここまで私が「桁」にこだわって説明しているかというと、ビジネスでは「桁」が重要だからです。たとえば1億円のビジネスと10億円のビジネスでは考えることや行動がまったく変わってくるはずです。もっと身近な例でいえば、もしあなたの後輩が作成した見積書の桁が間違えていたら、あなたは厳しく指導するはずです。
ビジネスで「桁」を間違えるということは、事故なのです。
何よりも最優先は「桁」を正しく認識しましょう。そのためにご紹介したのが今回の計算テクニックです。「この人、数字に強そう…」と思わせることもできるかもしれません。ぜひ普段の何気ないシーンでトライしてみてください。少しずつ慣れて感覚が掴めたら、それだけでOKです。
深沢真太郎 ビジネス数学の専門家/人材教育コンサルタント
深沢真太郎 ビジネス数学の専門家/人材教育コンサルタント
BMコンサルティング株式会社代表取締役/多摩大学非常勤講師/理学修士(数学)
ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。著作多数。
文化放送「The News Masters TOKYO」ニュースマスター
ラジオ『深沢真太郎のビジネス数学カフェ』パーソナリティ
パールハーバープロダクション所属(文化人タレント)
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者
公式チャンネル「ビジネス数学TV」