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2018.11.27

「フラットな文化、ストレスのかからない職場、働き方にしていきたい」|Gunosy社 竹谷祐哉CEOインタビュー

今話題の会社の社長にインタビューする本連載。第二回目は、Gunosy(グノシー)社 竹谷祐哉さんにお話をうかがいます。

Gunosy社 竹谷祐哉CEOインタビュー

自立的に働くことが当たり前になった時代のトレンドをいく働き方とは? 情報キュレーションサービス「グノシー」「ニュースパス」「LUCRA(ルクラ)」の開発および運営をする株式会社Gunosy社 竹谷祐哉CEOにお話を伺います。

Gunosy社 竹谷裕哉CEO

株式会社 Gunosy 竹谷祐哉(たけたに ゆうや)
1989年 東京生まれ。早稲田大学創造理工学部経営システム工学科卒業。グリー株式会社を経てGunosyに参画。2013年8月取締役最高執行責任者に就任。2016年8月より代表取締役最高執行責任者に就任。2018年8月24日に代表取締役 最高経営責任者として就任。

ーーITベンチャー経営に携わろうと思った理由を教えてください。

竹谷祐哉さん(以下敬称略):一般家庭で生まれて中高一貫私立に入り、東京大学に行きたかったので一生懸命勉強したのですが受かりませんでした。時間をかけて勉強したので、自分よりも勉強時間が短いのに受かっている人を見たときに、レベルの高い人たちと同じ分野で勝負するのは難しそうだなと感じたんです。目指すゴールが高いところにあったとしても、その人たちと同じコースで戦うのは避けないと、また負けてしまうという感覚を持ちました。

大学は理工学部で、就職活動では就職人気ランキング上位の商社や広告などいろいろ見て回ったのですが、年功序列な世界が広がっているという印象でした。「5年から6年仕事すると一人前だよ」と言われ、何年かやらないと一人前になれないというのは嫌だなと思っていたんです。

そんなとき「グリー」という会社に出合います。ちょうどそのころ、ITベンチャーというくくりが少しずつ世の中に浸透してきているタイミングで、中でもグリーにはとても勢いを感じました。実際、年代関係なく活躍している人が多く、入社を決意しました。1年半くらい在籍し、社員数が3桁から4桁に増えていくのを目の当たりにし、この礎というかコアみたいなものを作っている人は本当にすごいと思ったんです。今度はそれを自分で作る側に回りたいという思いがあり、Gunosyに参画しました。

Gunosyに入った当初、自分以外株主も含めて全員東大卒。もちろん皆、圧倒的に優秀です。チームとして勝っていくには、自分より優秀な人たちが気持ちよく働ける会社としての文化を作っていきたいと、発想が変わっていきました。

ーー企業としてのGunosyを、より成長させるための戦略とは?

竹谷:上場企業ですので、企業価値向上が第一です。弊社はテクノロジーを強みとし、創業から7年目になる会社。エンジニア人材が社員164名(2018年8月末現在 連結ベース)のうち半数を占めています。その中でも人工知能や機械学習に長けている人材の割合が高いです。人工知能、インターネットでものづくりしようと考えたとき、他社と比較すると強力で、レバレッジをかけながらビジネスに落としていくというところが重要で、我々は機械学習や人工知能というところを「メディア事業」「広告事業」に活かしながらビジネスを行っています。

<メディア事業>
「グノシー」「ニュースパス」「LUCRA(ルクラ)」という3つの情報キュレーションアプリがあるのですが、アルゴリズムやマーケティング改善によってまだまだ伸ばしていけると考えています。日本国内で見てもさまざまなメディアが登場してきているのと、メディアへの人の接し方が変わってきており、そう考えるとメディア事業にはたくさんビジネスチャンスがあると思っています。ですが、まずは作れる人材をしっかりと増やしていかなければいけない。採用が進んだら、新規事業をどんどんやっていきたいです。

<広告事業>

日本全体でも広告費は伸びており、インターネット比率は高まっているため、我々が軸足を置いているマーケットはまだまだ成長産業であると言えます。中でもスマートフォンでのウェイトが非常に大きくなってきています。であればアドネットワークや動画広告など、さまざまなフォーマットや広告のあり方が変わっていくと思われるので、そのあたりのニーズを適切に捉え、プロダクトを展開していくとまだ十分伸びていくと思っています。

<新規事業>

ブロックチェーンですが、ビジネスを始める頃合いとしては、最適なタイミングですのでブロックチェーンの子会社も新たに設立しました。我々のもともと持っているケイパビリティというかエキスパタイズ、得意分野を適切に捉えながら、自分たちのサイズ感に応じた無理のない範囲でしっかり領域を拡大させていくというのが基本的な考え方です。

そこにすべて通じているのが、「情報」というものを取り扱うようなビジネスです。その背景として、情報量が爆発的に増えてきており、また、個人がインスタやTwitterで発信していくのもそうですが、誰でも簡単にコンテンツを作れる時代になってきていますので、そこを再整備するようなビジネスを展開するということになります。

スマートフォンを持っている世代がメインターゲットです。ですがスマートフォンを持っているといっても、いろいろな方がいると捉えています。ユーザーさん一人ひとり情報に対する課題感がまったく違ったりするわけです。例えば今の10代は当たり前のように音声入力などを使いながら簡単に検索していたりするのですが、うちの母親世代などはスマートフォンを持ってはいますが、そもそも検索がうまくできなかったり、検索ワードが思いつかないのです。それでもスマートフォンユーザーに入ります。

同じスマートフォンユーザーでも世代やバックグラウンドによって情報に対しての課題が異なっているため、そこにどのようなサービスを提供すればみなさんの生活を豊かにしてあげられるのだろうという考え方で作っています。

ユーザーさんの興味関心によって記事を出し分けたり、このユーザーさんにはこういう記事を届けてあげるなどと通ずる話ですね。どのあたりのターゲットを中心に取り込みたいというよりも、どのようなセグメントをしていくと広く課題を解決していけるのかという考え方です。

ーーGunosyの組織運営で工夫しているところを教えてください。

竹谷:創業メンバーと最初から行っているのですが、偏見バイアスに影響されず意思決定するということをとても大事にしています。そのための手段としてKPI経営や数値文化を昔から積極的に取り入れており全体に浸透しています。

Gunosyの組織運営のポイントは、合理的に物事が決まっていくというところです。誰かがやりたいために強引にさせるものはなくて、なぜそれをやるべきかということには根拠や裏づけがあるのでそちらを選ぶという感じです。ただそれが100%の根拠というわけではなく、7、8割の数字が示しているのであれば試してみようよというトライできる文化でもあるので、そのあたりの数字とチャレンジというところをいい塩梅で進めていける組織文化だと思っています。

僕はアイデアを出して、手柄を立てたいという考えはほぼなく、自分より優秀な人にたくさん会社に来てもらって、その人たちが気持ちよく成果や手柄を挙げられるような環境、組織を作っていきたいなと考えています。

君主でありたいという考えは一切ありません。それよりも多くの方が活躍できる機会を作ることが自分の仕事だというスタンスでやっています。

ーーGunosyは、どのように働ける会社にしていきたいですか?

竹谷:Gunosyではフラットな文化、ストレスのかからない職場、働き方にしていきたいです。

理不尽さなどを極力排除したいですし、年齢で評価するのも嫌いです。僕の年齢は29で、社の平均年齢は30.2ですから僕より年上の人が多いのですが、新卒3年目で執行役員に就任する社員もいますので能力次第です。

ストレスのかからない職場ですが、「共通言語」があるのは大事だと思っていて、Gunosyでそれは数値であったりします。基準となる言語がないと、この人はこういう主張です、あの人はこういう主張ですとはじまってしまい、落とし所がなくなります。それが仕事をする上での最大のストレスで、無駄な調整ごとが増えると思っています。

その無駄な調整ごととは、なぜ社内で戦っているんですか? 敵はここじゃないですよね? 的な話であったりするのです。無駄なやりとりがあったために、本来やるべきことができなくなるというのが大多数だと思っているので、不要なコミュニケーションを減らすことによって、結果的には残業なども減ってくると思っています。

ですので共通言語を用いるという認識を高め、なるべく無駄なコミュニケーションを排除し、ストレスなくスッと全員が同じ方向を目指せるような意思決定のできる環境を作っていきたいと思っています。

ーー他社に見られない企業文化とは?

竹谷:残業は少ないですね。エンジニアは出社も帰るのも早いです。定時が9:30-18:30ですが、20:00までにはほぼ帰宅している人が多いです。早く帰れない人には、早く帰るように促すか、理由を確認するなど上長がしっかりケアしています。フレックスでなくてもやっていける、早く起きて早く寝るという文化ができています。

よく自分の上長が仕事しているだけで帰りにくい雰囲気って世の中的にはあると思うのですが、弊社にはそのようなことは一切なく、早く帰るのが偉いというわけではありませんが、アウトプットよければいいというスタンスなのです。一方で、頑張りたい新卒などはもっともっと働きたいというのがあるようですが。

サービスの性質によって働き方が違うと思っています。例えばゲームアプリでいうと、最初にパッと作り、すごいプロモーションをかけて短期間で稼ぎ抜いて収束するというのが一般的なビジネスモデルですが、メディア事業は作ってから5、6年に渡って収益を上げ続けるものであったりするので、3ヶ月でビジネスを見るのか、6年でビジネスを見るのかというふうに、サービスの性質がまったく違うものなんです。ですから3ヶ月間は詰め込んでもらわないと回収しきれないというのが当然出てくるわけですが、メディアの場合は、3ヶ月集中していたら潰れちゃいましたみたいなのでは困るわけです。

弊社の場合、そんなに頑張りすぎないで、その代わり長期間働いてほしいのです。勤務を42.195キロのマラソンだとして、始めの10キロのところで「ちょっと気合い入りすぎてない? 大丈夫? それだとバテるよ」というようなケアをしています。

ーーGunosyで働くことの魅力について、心がけていることは?

竹谷:Gunosyで働くと、このようにキャリア形成ができます! というのを意識しています。

事業とともに成長し続けている企業ですから当然ポジション、役割も増えていきます。ポジションによっては重い責任というか、心地の良い責任を感じていける環境になってきているわけです。

実際に携わった事業が成功すると、その社員の職務経歴書がキレイになっていったかどうかが気がかりで、Gunosyに在籍した結果、入社したときよりも退社するときのほうが自分の市場価値が上がった状態を会社が提供できたかがポイントと思っています。

やらされ仕事ではない、きちんと価値を高められる仕事を与えられているかどうか、そこへの意識は高いです。社員が転職していくことが寂しいというか、せっかくできるようになったから転職しないでほしいという気持ちはありますが、とはいえ会社に成果を残してくれているので、気持ちよく送り出す文化が強いですね。いろいろな意見がありますが、僕は人生のフェーズによって、やりたいことや背景の違いは当然あると思っています。

社員一人ひとりのバリューアップを会社が提供してあげるために、本人のクリエイティビティを発揮できるよう、仕事にだけ頭を使っていられる時間を準備してあげたいと考えています。

例を挙げると、ふたつの画面を利用しながらExcelの転記するような作業ってどう考えても機械がやったほうが早い上に、ミスも少ないという話ですよね。そのような問題は、社内で簡単なツールを開発すればすぐに終わります。

機械に置き換えられるような仕事を取っ払っていくと、人にしかできない仕事が残ると思います。人にしかできない仕事にしっかり能力を使っていくと、やはり人は成長する。それが人のキャリアに対してもポジティブな働き方をすると思っています。

人にしかできない仕事に気持ちよく集中できる環境をつくれば、社員の能力、市場での優良なキャリアが形成されていくのではないでしょうか。

ーー竹谷CEOは普段どのようにして情報を得ているのですか?

竹谷:自分で情報をたくさん集めてくるのは得意ではないので、その領域に詳しい人から学ぶことが多いです。情報処理能力の高い人と接すると、知っておくべき情報が入ってきます。「なるべく肩の力を入れず、最低限必要な情報が集められる仕組みはどうすればいいだろう?」と効率的に最高のアウトプットを得たいと考えるタイプです。

ランチや飲み会などで各分野のエキスパートと話していると、「だいたいこんな感じなんだ、大枠こっちの方向なんだ」というのが見えてきます。仕事で熟考しなければいけないときは、実際のものと向き合ってみたり、自分もユーザーとしてどう感じるかを探ってから発言する場面になることがあるので、大枠は誰かに教えてもらい、必要であれば自分で考えるようなことが多いですね。

手段として他には、Twitterが多いですね。いいこと書いている人をフォローしたりします。

ーー休日はどのように過ごされていますか?

竹谷:人と話すのは好きなので、誰かしらと会っていますね。なるべく多くのいろいろな業界の人とは会うようにしています。似たような人とばかり会っていると広がらないというのと、自分の感覚がズレていってしまうため。とくにサービスを作ってると、自分がこうしたいというものを作っていても、大体マイノリティだと思っています。そのため、なるべく広く多くの人と話すようにしています。

ーーどのようにして仕事のアイディアを生み出しているのですか?

竹谷:家から会社まで歩いたりしているのですが、散歩してるとアイデアが湧いてきたりします。

それから、クリエイティブな人と会話してると面白いなと思いますね。例えばヒット番組のプロデューサーさんは、ネット業界で何が流行っていて、どう変わっていくかということに興味あったり、いろいろなことに好奇心旺盛なので頭の回転が早かったりします。そんな方々と食事に行ったりすると「これって面白くない?」みたいなものがバンバン出してくるし、「こういう状況って、つまりこういうことだよね?」など、例える力、構造化する能力に長けている方が多いので、自分の事業に対しての仮説みたいなものをいくつか持って帰ることができたりします。

書籍などは、直近で自分を補うときに選んで読んだりしますね。最近はファイナンス知識を補強していかないといけないという課題感があり、良さそうな本は読んでいます。

ーーロールモデルになるような経営者の本はありますか?

竹谷:さまざまな経営者の本も読むようにはしているんですが、素晴らしい方はたくさんいて、真っ直ぐ目指しても勝負にならないと考えているため、「この人のこの部分はいけそうだ、この人のこの部分が欲しい、あの人のこの部分が欲しい」というように、寄せ集めたものが新しい自己になるのではないか、自分らしさを出していけるのではと思っています。


株式会社 Gunosy 概要

事業内容:情報キュレーションサービス「グノシー」「ニューパス」「LUCRA(ルクラ)」の開発および運営
設立:2012年11月
総人数:164名(2018年8⽉末現在 連結ベース)

Gunosy

取材・文/猪狩久子

初出:しごとなでしこ

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