7割以上がニオイ・シミをつけた経験アリ! しっかり落とす方法をプロが伝授
忘年会、クリスマス、新年会とよそゆきの服の出番が増えるこの時期。鍋や焼肉、ワイン、ビールとニオイや食べこぼし、飲みこぼしで大切な洋服を汚してしまった経験がある人も多いはず…。
実際にライオン株式会社が全国の20~40代の男女1,000人に実施した調査によると、汚れやニオイをつけた経験のある人が74.7%と判明。その種類は、約50%が「タバコのニオイ」を挙げ、シミや汚れについては、よくわからないシミから醤油・ソース、アルコール類、ファンデーションや口紅まで多種多様な回答が見られました。
お洗濯マイスターが教えます! シミやニオイを除去する方法
今回は、ライオンのお洗濯マイスターの大貫和泉さんに「おしゃれ着のシミ・ニオイを取る方法」を教えてもらいました。
Point.1 とりあえずの応急処置、でもそれっやってはダメ!
■それはダメ! 飲食店のおしぼりを使う
お気に入りの洋服にシミが…。「とりあえず、おしぼりで拭こう」という人いませんか? それやってはNG。おしぼりは塩素系漂白剤で処理されている場合があり、おしぼりで拭くと、漂白成分で衣類が色落ちするリスクがあります。
■それはダメ! ゴシゴシこする
服についたシミをゴシゴシこすると、シミが広がってかえって落ちにくくなるため、つまみとるようにするのがベスト。
■シミや汚れの種類によって応急処置をかえよう
飲食などでつくシミは、水溶性(しょうゆ、コーヒー、ワイン、焼肉のタレ、パスタ、カレーなどの水や洗剤で落ちやすいもの)と、油溶性(バター、チョコレート、ファンデーション、口紅などのベンジンやアルコールなどで落ちやすいもの)の2種類。
水溶性のシミや汚れは、固形物をティッシュでつまみとった後、濡れたハンカチやティッシュでつまんで汚れを移し取り、最後に乾いたティッシュなどで水分を取ります。
油溶性の汚れは、乾いたティッシュでつまみ、油分を移し取るだけにしておきましょう。
Point.2 帰宅したらなるべく早めに洗濯する
■家庭で水洗いできる衣類は、シミ部分の前処理してから洗濯を
まずは衣類の洗濯表示を確認し、家庭で洗えるか、酸素系漂白剤が使用できるかチェックしましょう。家庭で洗濯できる場合は、シミ部分の前処理がポイント。
【家庭で洗濯できる表示】
食べ物のシミには液体酸素系漂白剤の原液を、口紅やファンデーションにはおしゃれ着用洗剤(アクロン)の原液を直接ぬって、繊維に浸み込ませてから普段通り洗いましょう。
■すぐに洗えない衣類は、プロ技の本格的なシミ抜きを
シミ抜きをする前に、使用する薬剤を目立たない部分につけて叩き、色落ちやシミができないことを確認。シミの成分がわからないときは、まず「油溶性」、次に「水溶性」の順で試しましょう。
【シミ抜きの手順】
1.シミ汚れを取るタオルを用意し、その上にシミがついている面を下に向けて置く。
2.シミの裏から叩く
<水溶性のシミ>
かたく折りたたんだハンカチに水で薄めた洗剤液(100ccの水に、おしゃれ着用洗剤2mlを溶かしたもの)をつけて、シミの裏側を周囲から内側に向けて叩く。タオルの位置をずらし、シミが落ちるまで繰り返す。
汚れが落ちたら、別のハンカチに水をつけて、叩いて、洗剤液を落とす。さらに、輪ジミを防ぐため、水をつけたハンカチで、シミの周りをぼかす。
<油溶性のシミ>
ハンカチにベンジンや消毒用のアルコールなどの溶剤をつけて叩く。落ちなかった場合は、水溶性のシミ手順を試す。
3.自然乾燥
シミ抜きした衣類は、必ず自然乾燥させる。アイロンやドライヤーなどで熱をかけると、シミの成分が残っていた場合に変質して落ちにくくなるのでご注意を。
【水溶性のシミの落とし方を動画でチェック!】
Point3.飲み会後のイヤなニオイを消すために「入浴後のバスルームに吊るす」
■確実な消臭は洗濯すること
ブラウスやセーターなど、家庭洗濯できる衣類は、洗濯をするのがもっとも早く確実な消臭対策です。
■帰宅した後、入浴後のバスルームに吊るす
入浴して蒸気が残るバスルームに一晩吊ると、バスルームの蒸気とともに揮発しやすいニオイ成分が水と一緒に蒸発することで、ニオイが軽減されます。
ただし「油のニオイ」などの揮発しにくい成分は衣類に残るので、しっかり消臭したいなら消臭スプレーを使うのがおすすめ。
■しっかり消臭するには、やはり消臭スプレーを
バスルームに干すのも簡単ですが、消臭スプレーを噴霧した衣類は、タバコ臭や食べ物臭がさらに軽減します。除菌・抗菌効果のある消臭スプレーなら、悪臭の原因となる菌を除去(除菌)し、また増殖も抑える(抗菌)ので、汗臭などの菌由来のニオイの発生も防ぎます。(すべての菌に効果があるわけではありません)
▲タバコのニオイの消臭効果をモデル実験(ウールの布にタバコのニオイを付着させ、消臭スプレーをしたものとお風呂場に吊るしたものを6時間後に比較)
【使用する場合の注意】
✔︎消臭スプレーが使用できる衣類かどうかを確認する。
✔︎商品の表示をみてスプレーの距離を確認。全体的に軽く湿る程度にスプレーする。
✔︎スプレー後はしっかり乾かす
■ニオイがつく前のケアも大切
消臭スプレーをお出かけ前に使います。また飲食店では、コートやジャケットの露出を少なくするために、ビニール袋に入れて置くのも手。
ちなみに、しわ取り消臭スプレーなら、着用中についたしわもニオイも一緒に除去できます。しわが気になる部分には、しっとりと濡れる程度にスプレーしておくと、翌朝も気持ちよく着用できますよ。
大切な洋服を長く着続けたい気持ちが強いため、汚してしまうとショックが大きいですよね…。もしものときに、しっかりケアをして元通りになるよう、シミやニオイケアの方法を覚えておきましょう。
情報提供/アクロン
初出:しごとなでしこ