朝の儀式「アイロンがけ」に近道は…ない!?
ちょっと前の春まだ浅い朝。
我が家のパントリー(収納部屋)には斜めに朝日が差し込んで、ちょっとキラキラと空中のホコリが見えるくらいの儚さだった。
この部屋はいわば“ハウスワイフの勲章”みたいな部屋だ。
アマゾンでまとめて買ったお水の箱、タオルのストック、普段はあまり使わないお菓子を焼くためのステンレススティールの型の数々、お裁縫箱、救急箱、モップやら掃除機やらのクリーニンググッズ、そして角には旅行用のトランク…。
家の中で必要になるお助けグッズが整然と並んでいる。
でも、この部屋の主役は、そう、真ん中に置いてある腰の高さのアイロン台だ。横のハンギングラックには、アイロンをかけられるのを待っているしわくちゃのシャツが何枚かかけられている。
朝食の支度の後、私の日課はこの部屋でアイロンをかけること。彼が朝食を食べている間に、今日彼が着ていくシャツを仕上げるのだ。丁寧にアイロン台の上にシャツを置き、シュンシュンと湯気が立ち始めたアイロンをかけていく。まるでそれは一つの儀式のようだ。
エリから始まり、カフス、袖、そしてボディ。最後はボタン周り。二人の小さな幸せへの祈りを捧げるように、丁寧にひとさし、ひとさし重たいアイロンを滑らしていく。
長年の作業でわかっているのだ。この作業に近道はない。ルーティン通りにこなす。この方法以外に仕上がりが自分の気がすむ形にまとまる術はないのだ。
ファッションショーで見た、スチームアイロンの進化
と、この私のこんな“日常”の妄想を覆すようなインビテーションが舞い込んできた。(はい、上記は全てフィクションです。。)
「アイロンとの共演のファッションショー」
なんだそりゃ?
春まだ浅いタイミングでしたが、お邪魔してきました。パナソニックとのコラボで行われるというランバンオンブルーのショー。
倉庫の中に作られたステージからはモクモクと湯気が!
スポーツやアウトドアスタイルの提案、トラッドなファッションにもビビッドカラーのアクセント、素敵なコレクションを堪能したが、そのショーはそれだけではなかった。
そう、ショーはパナソニックのスチームアイロンとのコラボショーだったのだ。
ステージでは白衣を着たお兄さんが次々とレールをすべりおりてくる「ランバンオンブルー」のお洋服にスチームを当て、あれよあれよという間に商品はピシッと仕上がっていく。。。
ショーが終わった後にはデモでスチームアイロンの体験もできる。
みてください! ハンギングしたままで、こんなに綺麗になる。そしてニットにも使える! ドヤ顔のお兄さん。
思った以上にシワがどんどん取れていく。。
へぇ。なんかスチームアイロンってあんまりきっちりシワがうまく取れないイメージが多かったけど、そうか、進化しているんだ。。
と、思っていたら、矢継ぎ早に、また案内が来たのだった。
世の中ではスチームアイロンが大流行りなのだった
デザイン家電で人気を博している、「ツインバード」の新作発表会。
お邪魔してみたら、、、なんとこちらも、スチームアイロン推し! しかもミトン付き。
ハンギングしたお洋服専用なので、本体にこんなブラシもついていて、縦にシワが取りやすくなっている。。
へぇぇええええ。。。
不肖クロシマ
大変、すみません。。。
ハンカチが私のクローゼットから消え、すべてタオルハンカチになったその時から、アイロンは文字通りパントリー(といういか物置)にしまったまま、このところはよほどの事がない限り、アイロンのお世話になることがない。。
なのに、私が知らないうちに、世の中ではスチームアイロンが大流行りなのだった。
なぜ? なぜこんなに流行っているのだ?
悪友のツダッチ曰く、「朝起きてガバっとお洋服を着ようとして、ハッと気づく、、シャツがシワシワ。。(泣) そんな時にスチームの方が軽いし、掛けたままスチーム当てられるので全然楽」ふむふむ。それはわかるな。
もう少し詳しく、知りたいな。
そんなわけで、アイロンについて、有識者(?)の意見を聞くべくフェイスブックで問いかけてみたら、友人たちからくるわくるわ、ウンチク、こだわり!
コメント総数、その数なんと87件!
フェイスブック上、クロシマ 投稿での最大コメント記録を博したこのアイロン談義。
「ズボンはアイロン台を使って普通のアイロンで、プレス。シャツはハンギングでスチームアイロン使用」
「アイロンには命を掛けている。使いすぎと落としすぎで、今のアイロン4台目」
「日曜日の午後5時の日課はアイロン。ハンカチがけなら任せてくれ」
「カラー、カフス、ヨーク、そして前立て。その順番でぴっしりと。うまく出来上がると上機嫌」
「糊をつけてピシッと上げる時はアイロン台で、普通に。シワを取りたいだけならスチーマ」
「アイロンは高熱で通気性もポイント。スプレー糊の質にこだわりたい! やり出すとストレス発散!」
「高級品にはちゃんと当て布を濡らしてするのを忘れてはならぬ!」
などなどなど。
スチームアイロンの銘柄もでてくるでてくる。ティファール、パナソニック、ダイソン、そしてジャパネット。(そもそも、、クロシマ 、ティファールて鍋とかフライパンしか売ってないのかと思ってたよ。ジャパネットはオリジナルでアイロン作ってたりもするんだ。。。。)
「妻の要望で、7年ほど前にドンキホーテの3000円のやつから東芝のコードレス(20000円くらい)に買え変えたものの、去年コンパクトなスチームアイロンが欲しいと言われてパナソニックの15000円も購入。。。」てなツワモノまで。
結局、普通のアイロンとスチーム両方持ち、そして使い分け派が大半を占めていた。
そうか、新幹線なんかに乗った時、長時間の着席で、お洋服はシワシワになっちゃったりしている。そんな時にスチームも便利かもな。
ん? そこでコメントを見ていてハタと気付くクロシマ。
そう、こだわりコメントはすべて男子からだった!
ちなみに、女子からのコメント例
「すみません、アイロン自体を持ってません」
「スチームアイロン、プレゼントはしたけど、実は自分は持ってない。。」などなど。。
オイオイ。。女子ー。。。。。結局、私と同じ人がたくさんいるんじゃないか!
女子の服は大概柔らかくて、ソフトなイメージ重視のものも多く、アイロン使う場面も少ないが、、何よりアイロンは重い、暑い、重労働。
これからのジメジメした暑い時期なんて絶対やりたくないハウスホールド(家事)のトップ。
まぁ、そういう意味でもスチームアイロン、普通のアイロンと比べても軽いし、掛けたままシワが取れる、シワが伸びるって女性の都合にフィットしている。だから2台目需要として爆発しているんだな。
そう、スチームアイロンは、暑くて重くて重労働なハードなアイロンがけから女性を解放する新しい“家事三種の神器”の一つだったのだ。(あとの二つは何なんだ???というハナシは置いといて)
ということで、しごとなでしこのみなさま。
【アイロンについての消費家クロシマ まとめ】
アイロンは男子の方がこだわりが強い。そしてアイロンがけには自分の流儀がある! そして意外とアイロンがけは男子のストレス発散になっている!(裏を返せば嫌な作業ではない)
ってことで、スペックの高いアイロン機器を備えて、プロ並みのイメージを演出。旦那彼氏のコダワリ心をくすぐる。そして旦那彼氏のアイロンがけがうまくルーティン化した時、自分の物もアイロンがけしてもらえるように誘導。
これがが女子として疲れない、綺麗にできるアイロンがけ方法という結論になりました!
男子のほうが力もあるし、絶対うまいし、数ある家事の中で男子に任せられる(いや、押し付ける?)ことができるのはまずは、アイロン! と、いうことでブログ冒頭のわたしの妄想はそのまま男子に引き継ごう! ヨロシクー男子ー。
【編集後記】
で、ツインバードの新作展示会で見つけた、いまどきなでしこの“家事三種の神器”の候補をもう一つ、その名も「2ドア冷凍冷蔵庫 ハーフ&ハーフ」。
これこれ!
うちの冷蔵庫。作り置きや余り物。悪くなる前にちょっと湯がいたお野菜、数枚だけ食べきれなかったパンやその他、結局冷凍室からいっぱいになる。そんなことはありませんか?
この冷蔵庫、冷凍室と冷蔵室の容量がハーフ&ハーフ。クロシマ 的にはスチームアイロンより、こっちの方が欲しい〜(笑)!
#ということでまだスチームアイロンは買えていない消費家クロシマ
#冷凍庫にいろんなものが溜まるのどうにかしたい。
#その前にアイロン掛けしてくれそうな男子見つけるってのが先か?
初出:しごとなでしこ
黒島美紀子 MKシンディケイツ代表
消費家・商業マーケティングコンサルタント
アパレル、セレクトショップ・百貨店を経て独立起業して早や10年余。数々のお買い物の実践と失敗を繰り返し、ファッション、ビューティ、グルメ、ライフスタイルの動向を消費者目線で考察。また、世界各地の商業スペースやブランドをチェック、消費活動を通じたマーケティングを行い、企業と消費者を結ぶ。