【海外旅行】SIMフリーの格安スマホ、現地のSIMを入れても使えないことがある
そろそろ夏休みに向けた旅行の計画を立てている人も多いのではないでしょうか? 海外でのリーズナブルな通信手段として、いま注目を集めているのが、SIMフリースマホ。最近ではSIMフリーの格安スマホを利用になっている人も多いかと思います。
しかし、日本で売られている一般的な格安スマホの端末って、海外で現地SIMをいれても使い勝手に問題がでる可能性が高いのです…!
今回は実際に、私が使っているSIMフリーの格安スマホにアメリカのSIMカードを入れてみたときに感じた不便すぎるポイントをまとめてみました。
日本の格安スマホにアメリカの現地SIMを入れてみた
筆者は仕事柄、SIMフリーのスマホを何台か持っているのですが、そのうちの一台が日本で買った格安スマホです。
「SIMフリーだから、海外で使う時に現地のSIMを入れればすぐに使える!」と思っていたのですが、実際にロスのT-Mobileショップ(アメリカ版のauショップのような大手キャリア)で現地のSIMカードを買い、アクティベートをしてもらったところなかなか一筋縄ではいきませんでした。
問題1:ネットに繋がらない
一番困るな~! と思ったのは、ネットにうまく接続しないことです。スマホの画面には、普段「LTE」の表示がされている場所に「G」の文字が。T-Mobileの店員さんも「初めて見た!」という謎の表示。
どうやら日本とアメリカでは周波数が違うので、日本の周波数にしか対応していない格安のスマホ端末にアメリカのSIMを入れても、LTEでのネットの利用はできませんでした。
周波数というのは、○MHz(メガヘルツ)と言われるもので、同じ3Gや4Gの通信規格であっても、実はここが世界中でバラバラなのです。アジアもヨーロッパも、周波数は異なります。なので、先進国であっても格安スマホだと現地SIMを入れたところでいつもの通信速度での利用ができるとは限らないということをチェックしておきましょう。
3Gや4Gの時代に、急に「G」という謎めく超低速回線のみの利用に限定された場合、何が起きるのか。地図アプリも、Yahooメールも接続はするけれども速度が遅すぎて見ることができませんでした。ショートメールはギリギリ送れました。20秒くらいかかるので、けっこうイライラしますけれど(笑)。
何かと調べものが多くなる海外で、ネットにうまく接続できないというのは割と致命的だと思います。
問題2:友人との通話が国際電話になるかも?!
SIMカードを入れ替えるということは、電話番号ごと変わります。日本で使っているときの「080~」や「090~」の番号ではなく、そのSIMカードの国の番号が付与されるイメージです。
格安スマホでも、現地のSIMを入れれば、電話は普通にかけることができました。しかし、ここにも注意しておきたいことがあります。
たとえば、一緒に旅行にいく友達が、スマホを国際ローミング(電話番号が日本のまま使えるのでビジネス用に利用する人は多い)で使っていた場合、プランによっては通話料が大変高額になってしまうケースも。またプリペイドの現地SIM(期間限定の割安なもの)は、国際電話自体に対応していないこともあります。
海外のSIMを利用するメリットは値段の安さ!
メリット1:利用料金は圧倒的な安さ
ここまで格安スマホは海外旅行では使いにくいという話をしましたが、実際のところ現地の格安SIMを利用してみていいこともありました。それは利用料金の安さです。
今回アメリカで利用したT-MobileのSIMカードの値段は34.14ドル(税・アクティベートのサービス込*2018年3月現在の価格です)でした。これ3週間の期間限定ですが、仮に滞在期間とマッチしてフル活用できるとするならば、2GBの4G LTE高速データ通信や1000分の無料通話という内容なので、かなりお得ですよね。
これは、国際ローミングはもちろん、レンタルWI-FIなど、どれと比べても圧倒的な安さ。現地のSIMカードを利用すること自体は、費用の面からみてもとても魅力的だと思います。
メリット2:一番のおすすめはiPhoneなどのグローバルなSIMフリースマホ
これは個人的な意見になりますが、海外旅行の機会が多くて、現地の安いSIMを使いたいと思っている場合には、格安スマホよりもiPhoneなどのグローバルに様々な周波数に対応できている規格のSIMフリースマホを利用するのが一番いいと思います。冒頭の周波数問題はグローバルな規格のスマホであれば問題ありません。
おまけ…アメリカでもオレオレ詐欺が流行っている?!
最後に、これは今回の旅行に限ったエピソードですが、ひとつ困った体験をご紹介します。アメリカで買ったSIMカードの番号に、使用開始直後、へんな電話がかかってきました。
「一刻も早い対応を望む」とか「かけ直してこなかったら、すぐさま法的処置をとる」など、英語のすごい剣幕でまくし立ててくる謎の電話。使い始めて翌日のことだったので、すぐにイタズラ電話だと気づけましたが、海外でもこんなオレオレ詐欺みたいな電話がかかってくることがあるんですね。スタバのレジに並びながら、迫力満点の英語の詐欺電話に直立不動のまま硬直しました!
思わぬ事態や慣れないことがいっぱいの海外旅行、女性の場合は特に安い料金だけにとらわれず、安心や安全を担保する意味でも自分のスタイルに合わせたものをチョイスできるといいと思います!
文/朝岡真梨
初出:しごとなでしこ