【目次】
・【お礼状】鮮度が命! できるだけ早く書いて送ろう
・【お礼状】ハガキか封書か。どちらで出すかは何で判断する?
・【お礼状】例文
・【お礼状】感謝の気持ちを最大限に伝えたい!と思って書こう
【お礼状】鮮度が命! できるだけ早く書いて送ろう
会社でお土産にお菓子をいただいた、取引先の人にランチをご馳走になった、思いもよらない人から贈り物をいただいた…口頭でお礼を言うだけでは感謝の気持ちが伝えきれない時には、お礼状を出しましょう。
ビジネスの基本である「できるだけ早くレスポンスする」と言うのは、このお礼状も同じです。
「最近は、相手の時間に割り込む心配のないメールが連絡の主流になっていますが、お礼だけは別です。先方がこちらのことを考えてしてくださったことへのお礼の気持ちを伝えるのですから、丁寧に、できるだけ自分の言葉でそれを表現した方が、感謝の気持ちが伝わります。ハガキや一筆箋をしたためた封書が一番です」(北條さん)
メールならば送信してすぐに相手に届きますが、ハガキや封書となると、書いて投函してと相手に届くまで早くても1日はかかります。そして感謝の気持ちも熱いうちに書いた方が思いは伝わります。
お礼状はできるだけ早く書き、すぐ投函するものと心得ておきましょう。
【お礼状】ハガキか封書か。どちらで出すかは何で判断する?
「封書より、ハガキのほうが細かいルールが少ないので、気軽に書けます。書くスペースも少ないので、ダイレクトにお礼の気持ちを書いて出せるのもハガキのいいところ。
お礼状を封書で出したほうがいいのは、相手がかなり目上の方であったり、かなり高価なものをいただいたり、とてもお世話になったと言うケースです。ハガキは書きやすい分、カジュアルでもあるので、きちんとしたお礼の時は封書にしましょう」(北條さん)
ちょっとお世話になった、ご馳走になったと言うような気軽な場合はハガキ、とてもお世話になった、立場がかなり上の方の場合は封書、と覚えておくと良いですね。
ちなみにどちらも横書きではなく、縦書きで。縦書きの方がよりフォーマルできちんとした印象になるからです。
使用するハガキや一筆箋は季節感があるものや、おしゃれなデザインのものを選びましょう。どんなものを選んでいるかにもあなたのセンスや気持ちが表れるので、お気に入りのデザインを見つけたときにいくつかストックしておくのがおすすめです。
封書で送るお礼状は、封筒の宛名書きも気を抜かずに!
メールに慣れてしまうと、なかなか手書きの手紙を封出さなくなります。すると縦書きの宛名書きも滅多にしなくなっている…かもしれませんが、やはりここは縦書きで。
「表面には相手の宛名のみ、自分の住所と名前は裏面に書くのが正式な書き方です。住所、会社名、宛名を縦書きでまっすぐ、バランスよく書くのはなかなか難しいですよね。そういう場合は、最初に宛名を左右中央に書いてみましょう。一番大きく書く文字なので、ここが決まると全体のバランスが取りやすくなります」(北條さん)
【お礼状】例文
お礼を言うシチュエーションとして多いのが、贈り物をいただいた時と、お世話になった時。それそれのお礼状の例文を作りました。
「部署に差し入れのアイスクリームをいただいた時のお礼状
拝啓 暑い日が続きますが、貴社におかれましてはますますご隆盛のことと、お慶び申し上げます。
さて、このたびは美味しいアイスを有難うございました。暑い中外出から帰ったメンバーの喜ぶ姿をお見せしたかったです。
早速、職場の皆で頂きました。お心遣いに改めてお礼申し上げます。
相変わらず毎日忙しくご活躍のご様子ですが、時節柄どうかご自愛下さい。
取り急ぎ拝受のご報告と、御礼のご挨拶を申し上げます。
敬具
「インターンシップでお世話になった企業の担当者へのお礼状」
拝啓 盛夏の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。
この度は貴社にて大変貴重なインターンシップの体験をさせていただき、誠に有難うございました。
毎日が緊張の連続で、あっという間の●日間でした。至らない点ばかりの私に●●様をはじめ社員の皆様に暖かくご指導いただいたこと、心より御礼申し上げます。
以前より興味を持っていた▲▲業界への志望がよりはっきりとしたものになりました。
改めてインターシップの機会を与えていただいた貴社に心より感謝するとともに、自分に足りないものを残りの学生生活でしっかり身につけて参りたいと思っております。
お忙しい中、貴重なお時間を割いてご指導いただき、有難うございました。貴社のご発展と●●様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具
【お礼状】感謝の気持ちを最大限に伝えたい! と思って書こう
書き慣れないお礼状で失礼があってはいけないし、全体の構成もいつものメールとは違うので、ついつい既成のテンプレートに頼りたくなりがち。でもそれでは感謝の気持ちを伝えるために書いたつもりが、その思いが伝わらなくなってしまうことも。
「仕事相手にお出しするものとはいえ、一番大切なのは嬉しいという気持ちを相手に伝えること。その人によくしていただいて、自分はどんな風に感じたのか。それをまずは素直に書いてみましょう。
実はお礼状に正解の見本はないのです。たとえマナーにかなった言い回しでなくても、相手のことを思って考えた表現なら、その思いは必ず相手に伝わります。
自分がお礼を言われる立場になって考えてみたらどうでしょう。どこかで見たような定型文が送られてくるより、こんな風にありがたかった、美味しかった、勉強になったと具体的に伝えてくれた方が、嬉しくなりますよね。
そんな気持ちを大事にしながら書けば、とてもいいお礼状になるはずです」(北條さん)
確かに、誰かの言葉では気持ちを100%表現するのは難しいですよね。
ここにある例文を参考にしつつ、ぜひ自分だけの「感謝の気持ち」を言葉にして、お礼状をしたためてみてください。
初出:しごとなでしこ
北條久美子
ほうじょう・くみこ
キャリアカウンセラー・研修講師として全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやキャリアの研修・セミナーを行う。現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト中。ジュエリーブランドBRILLIANCE+の執行役員・株式会社Surpassの顧問として企業の人財育成や教育体系の構築にも携っている。イラスト豊富でわかりやすい最新著作『仕事の基本 社会人1年生大全』が好評発売中。詳しくはこちら▶