渡部美佳さんってどんな人?
今回ご紹介するのは、京都市の苺のお菓子専門店「MAISON DE FROUGE」のオーナーであり、苺専門家の渡部美佳さん。
苺をふんだんに使った濃厚なショートケーキやタルトなどに加え、リボンで結んだミルフィーユは、さまざまな雑誌で取り上げられ、SNSでも話題沸騰!
お客さんからも「苺がいっぱいですごく濃厚」「見た目もかわいくて美味しいってなかなかない」と大人気のお店です♡
そんなお店のオーナーとして、現在ではレシピ開発やお菓子に使う苺の選別まですべて一人で行っている渡部さんですが、元々は流通やアパレル業界で働く普通のOLでした。
しかし、仕事は長く続かず、「私は本当にやりたいことを仕事に選んでいるのかな…」と疑問を感じていたある日、苺のお菓子専門店の開業を検討していた友人からもらった一粒の苺が渡部さんの人生を変えることに。
その苺は、愛媛県の「さちのか」という苺。とても味が濃く、衝撃を受けたのだそう!
そして、「このおいしい苺を食べてもらうために店をやろう!」と会社を辞め、友人と2人でお店をオープン。
2人ともお菓子作りに関してはほぼ素人で、2~3年たっても売り上げゼロの日もあったのだとか。しかし、さまざまなイベントで出展を続けた結果、百貨店のバイヤーの目に留まり、口コミで少しずつ人気に。
その後、友人がお店を辞め、単独オーナーとなったことをきっかけに、苺について徹底的にこだわろうと決意。
よりおいしい苺を求めて全国の農家へ出向き、いまでは30種類もの苺を取り扱っています。
そして、それぞれの苺の魅力を最大限に活かした50種類以上のこだわりのスイーツがお客さんの心を掴み、行列の絶えない人気店に。
渡部美佳さんの「7つのルール」
さて、そんな渡部さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…
■1. 95%以上熟した苺しか使わない
ショートケーキひとつとっても、苺の特性によって、上にのせる苺とサンドされる苺を使い分けるほど、苺へのこだわりをもつ渡部さん。糖度にこだわることはもちろん、95%以上熟した苺のみ使うことを徹底。ちなみに、渡部さんによると、完熟した苺を選ぶコツは「ヘタが跳ね上がっているような苺」を選ぶこと。そして、ヘタの真下が割れているような状態が正真正銘の完熟状態なのだとか。
■2.ショートケーキの苺は4層
レシピ開発も手がける渡部さんが試行錯誤のうえ完成したショートケーキには独自のこだわりが。それは、「どこをカットしても苺が入っていて、生クリームとスポンジだけの層がほとんどないようにする」こと。そのため、一般的なショートケーキは、苺が1〜2層のことが多いけれど、渡部さんが作るショートケーキは、なんと! 苺が4層!! なんとも贅沢…♡
■3.昼はあっさりした料理を食べる
苺のテイスティングのために、ランチはあっさりした料理を食べることに決めているのだそう。苺はすごく繊細な味なので、濃いものを食べると味がわからなくなってしまうからなのだとか。
■4.苺は横から食べる
ジャム作りは、材料が少ないため味の調整が特に難しいといいます。そのため、まずは自分の舌で苺の味を確かめることから始めるそうですが、そのとき重要になるのが、苺の食べ方。苺のヘタを手で取り除き、横から食べるのだそう。横から食べることで、中の赤みや水分量などをチェックしているのだとか。
■5.年齢は秘密にする
お菓子作りの道に入るのが遅かった渡部さん。農家や苺の研究をしている人などと会話をする際に心がけていることは、年齢を言わないようにすること。相手が自分より年下でも気を遣わずに教えてもらいたいのだとか。
■6.愛されて育った苺を買う
苺を選ぶ際、気になった苺があれば、まずは農園までみにいくことを徹底。葉っぱの状態などをみると、管理の状態がわかるのだそう。苺はとても手のかかる植物なので、「農家の人柄が苺の味を決める」と感じている。愛情深い農家の場合、パック詰めされるときに「おいしく食べてもらいな」と、声をかける人までいるのだとか。そのような苺を選びたいという。
■7.無いものは自分で作る
現在、渡部さんは、岡山県にある工房の近くの原っぱにビニールハウスを建てることを計画。それは、おいしいと思った苺の品種の収量が少ないため。「苺のおいしさを多くの人に伝えたい」という一心で、ついに、自分で一から苺を育てることを決意。
こんなにも苺へ類稀なこだわりをもち愛情を注ぐ渡部さんが手がける、苺のスイーツ♡ 一度は食べてみたいっ!!
文/かわはらりな
次回の「7ルール」の放送は、4月24日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、東村アキコさんなどの人気漫画家を担当する少女漫画編集者・助宗佑美さんです。
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初出:しごとなでしこ
苺専門家 渡部美佳
山口県出身 大学卒業後、関西で流通業界やアパレル業界の仕事に就く。友人に紹介されて食べた苺の美味しさに感動し、2003年に京都市内に苺のお菓子専門店「MAISON DE FROUGE」をオープン。農家へ直接足を運び、栽培契約した苺を使った和菓子、洋菓子、中国菓子を製作。四季の変化と共に、その季節に一番適した苺の食べ方を提案している。苺の魅力を広めるため、テレビ・雑誌・イベントなどにも出演。