独身女性も既婚女性からも注目度の高い「個人年金保険」
前回もお伝えした「生命保険」について。
何から入っていいのか分からないけど収入も安定しているうちに今後の為にも何か備えて起きたい、株とかは怖いけどちょっと運用させて自分に戻ってくるお金を作りたい…そんな風に考えている方は多いはず。そんな方に加入しやすいのが「個人年金保険」です。
今回は「個人年金保険」についてメリット・デメリットを含めてご紹介していきましょう。
■個人年金保険とは
公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)等とは別に、それに対してプラスαという形で、個人的に積み立てを行う保険です。
平均寿命も延びている現在、老後に必要と言われている額は定年後の夫婦で約3000万円なんて言われることも。
余裕を持ってセカンドライフを楽しむには、月に換算すると公的年金+50,000円が理想と言われています。
そのプラスα分を貯蓄や再就職等で賄えればいいのですが、定年後も健康なのか? 再就職は簡単にできるものなのか? なかなか難しいですよね。
■個人年金保険のメリットは?
まず、簡単に個人年金保険のメリットについてですが、
・単純に貯蓄するよりも多くお金が受け取れる
低金利の時代なので大幅に利率がいい訳ではありませんが、自分の払い込んだ額よりも110%前後の返戻率で貯蓄ができます。
・加入が簡単
他の生命保険を契約する際には健康状態の告知(健康診断の結果等の提出)が必要ですが、個人年金保険には告知は不要で、既往歴(今までの病歴)にも関係なく加入することができます。
・万が一の場合は死亡保険金になる
年金の受け取り開始前(払い込み期間)に死亡した場合はそれまでに払い込んだ保険料を死亡保険金という形で遺族や指定した受取人に支払われます。
・個人年金控除ができるので、所得税や住民税の節税ができる
受け取りが契約者またはその配偶者であること、払い込み期間が10年以上、年金の種類が確定年金や有期年金で受け取りが60歳以上からで10年以上であること等いくつかの条件を満たせば年金控除の対象となります。(加入保険会社に要確認)
会社員であれば、年末調整の際に保険会社から郵送される控除証明書を「給与所得者の保険料控除等申告書」に添付して勤務先に提出すれば控除が適用されます。
■個人年金保険のデメリットは?
・インフレに弱い
固定金利なので物価が上昇するとお金の価値が下がってしまいます。バブル時代の金利が良い時の年金保険であれば話は別ですが、現在の低金利での年金保険ですとインフレに弱いです。
・中途解約は損をしてしまう可能性がある
どの保険も解約した場合解約返戻金が戻ってきますが、基本的にその金額はそれまでに支払った保険料の総額よりも少なくなります。(加入期間によっては元本割れしないこともあります)
・受け取りは税金の課税対象
受取る年金は所得税(雑所得)として総合課税となります。
・保険会社が倒産した場合は損をしてしまう可能性がある
保険会社が倒産した場合には契約の年金額が保証されません。「生命保険契約者保護機構」により契約者は一定額は保障されますが、受け取り年金額が加入したものより引下げられる可能性が高いです。
■どんな人に個人年金保険はおすすめなのか?
・老後は心配でも貯蓄が苦手な人▶︎単純な貯蓄ではないので簡単に下ろしたりできない
・途中解約する可能性の低い人▶︎安定した収入がある
・安定的な資産形成をしたい人▶︎ローリスク・ローリターン
■保険会社選びや保障内容に迷ったらFPへの相談を
多数の保険会社や保障内容で迷った場合は総合的な公正な立場から情報をくれる、FPへ相談しましょう。
初出:しごとなでしこ
ストウ
保険会社法人営業約3年勤務。事務職への転職を機にライターに転身。
現在は、保険をはじめさまざまなジャンルについて、ウェブや雑誌など各種メディアに寄稿している。